第143話 新婚旅行は祖国…!?
あれから一週間、何度も話し合い、遂に私達は新婚旅行に来ている!
私達が来ている国はニーシャ国。日本を元にした国だ。
ここは首都のオエドだ。江戸幕府があるらしい。
周りには和の人が沢山居る。
現代の日本というより、江戸時代らへんを元にした雰囲気だ。
「セレア様…!見てください!あれ美味しそうですよ!」
リリアナが楽しそうにニーシャ国を歩き回る。
私は懐かしさを感じた。祖国は最高だな。
「リリアナ、着物でも見る?」
「いいんですか?」
「折角来たなら買っていこう」
私とリリアナは着物屋さんに入る。
「いらっしゃいでありんす〜」
着物屋さんの名前は『銀月』店員さんは妖狐のようだ。
獣耳………。
銀月の店員は私の事をじっくり見て思い出したかのような反応をした。
「おやおや!翡翠の魔術師セレア殿でありんすか!」
「私の事知ってるんですね」
「勿論!当店では、セレア殿が作った
「着物に使えるものをいつの間に作っていたんですか?セレア様」
「自動機織り機を作ったな」
「助かっております。何せ人手不足でしてね。ささっ!新婚旅行なのでしょう?奥様はこちらに…」
店員さんがリリアナを連れていく。
私は展示されている着物を見ていくと、リリアナに合いそうな着物がありマジマジと見てしまう。
「おやおや………奥様に合う着物を見ていらっしゃるのですか?」
背後から、出迎えてくれた妖狐の店員さんが出てくる。
ビックリした…。
気配全くしなかったけど、これが妖怪……!?
「安心してください!我が銀月…リリアナ様に合う着物をバッチリ見つけるでありんすから!」
「それはありがたい」
「それと……二日後にはここで祭りが開催されるんですよ。是非是非!我が銀月が仕立てた着物を着て参加してくださいまし!」
これは良い情報だな。
二日後か、私も着物買おうかな。やはり祭りなら屋台だよな。
りんご飴とか綿あめとか、射的、水風船…色々やったなぁ。
私は余韻に浸っていると、店員さんから話かけられる。
「どうぞどうぞ!着付けが終わりましたよ!」
私は店員さんの後ろについていくと、着物を来たリリアナが居た。
松竹梅の柄をしており、美しく華やかさを感じる着物だ。鶴が描かれていた。
着物の柄にも意味があるんだよな。
確か、松竹梅は忍耐や長寿、生命の誕生だったか。
「似合いますでしょうか」
「似合ってるよ。凄く綺麗だ」
「ふふっ…お似合いな夫婦でありすなぁ」
「あの、セレア様に似合う着物も仕立てたり出来ますか?」
「お任せください!」
リリアナがそう言うと、妖狐の店員さんは私の背中を押して部屋に連れて行く。
え?私のも?
確かに着物買おうかなとは思ってたけど…今日だとは全く思ってなかったんですけど。
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私は色んな着物を着た。リリアナほど豪華なものではないが華やかさは感じられる。
店員さんがこの柄にはこんな意味があるのだと着付けの時に教えてくれる。
沢山意味があるんだなぁ。覚えられないぐらいある。
「さっ!終わりましたよ!」
店員さんがそう言うと、部屋から出てリリアナに見せる。
「な、何と綺麗なんですか…!こんなの世に出したらいけませんよ!一瞬で食べられちゃいます!」
リリアナがガードするように腕を広げる。
見た瞬間の感想それなの?ってか食べられないよ!
私の着物には鶴が描かれている。リリアナのにも描かれていたな。
店員さんが言うには夫婦円満や長寿の意味があるんだっけ。
夫婦円満…いいね。
私とリリアナは着物から着替えて、お金を払おうとする。
「代金は要りませんので、またいらしてでありんす」
「そんな……悪いですよ」
「またいらっしゃるだけで良いんでありんすよ。それと…」
そう言って、店員さんは名刺を出す。
名刺には風月緋花と書かれていた。店長…店長!?
店員さんだと思っていた。
「またいらしてでありんす」
「ありがとうございます緋花さん」
「ふふっ。お二人のあつ~いお話…聞かせてくださいな」
私達は店を後にし、宿を戻ることにした。
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宿に着き、部屋に入って私とリリアナは夜食を何処で食べるか悩んでいた。
有名な店にしようかな。
「食べたいものってある?」
「やはり和食でしょうか」
「なら寿司を食べに行こう」
「スシ…ですか?」
「えーと、酢飯の上に刺身がのってる食べ物だよ」
ここでは有名ではないのかな?日本といえば寿司な気がするんだけど。
私はリリアナを連れて、高級寿司屋に向かった。
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お寿司、お寿司っ!そう私はルンルンで高級寿司屋に向かっていた。
「食べたことがあるんですか?」
「い、いや…無いよ」
元日本人なんで食べたことあります。回らない寿司は食べたこと無いです。
店に入るとガタイの良いおっさん達が寿司を握っていた。
「イカを一つ」
「あいよー!」
「…リリアナはどうする?」
「どう頼むのが正しいのでしょうか」
「最初はさっぱりしたものを頼むといいよ」
「おー!嬢ちゃんよく知ってるね。外人さんだろう?」
「アハハ…商人の友達がおりまして」
すまないオリカさん…。
ここで日本と同じ知識を出すのはやめたほうがいいのかもしれないな。
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