第127話 古代遺跡攻略
今日は古代遺跡探索の日だ。気合を入れていかないと…。
私は屋敷を出ようとすると誰かに腕を掴まれる。
「セレア様、これを」
「マリーゴールドの刺繍がされたハンカチ?」
「遠征に行く殿方にハンカチを渡す風習があるのは知っていますよね?それですよ。前の遠征時は渡せなかったので」
「遠征という訳では無いけど、ありがとう大事にするね」
「無事に戻ってこないと許しませんよ?」
「一週間までには帰ってくるよ」
「気をつけてくださいね」
私はリリアナに貰ったハンカチを胸ポケットに入れて屋敷を出る。
なんだがこのハンカチがあると安心感があるな。
今なら何でもできそうな気がする。
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私は探索員達と合流し、古代遺跡の目の前に来た。
生で見るとデカいんだなぁ。威圧感と言うか存在感が凄い。
「何固まってるです?早く行くですよ」
「ご、ごめん!」
「集中してくださいねセレア所長」
「すみません……………」
お、怒られた…その通りではあるんですけど。
気を引き締めていこう。
いくらゲームでトラップの位置を知っているとは言えど、引っかかるものは引っかかる。
しっかりしないとな。
私達は古代遺跡の中に入る。
私が作った懐中電灯で足元を照らしながら歩いていく。
「とっても暗いですね」
「気を付けるんだぞイエラ」
「大丈夫ですよ。あっ!セレア様、私も照らすのお手伝いします。【フラッシュ】!」
イエラは光魔法で一面を照らす。
おぉ…便利だなぁ。流石聖女、光魔法の威力がすごいな。
「ありがとう。イエラさん」
「いえ、気にしないでください!一人に任せるわけにはいきませんから!」
グッ……回帰者と知っているが、シンプルな良い子がでてる!
でもこんな子が反王国派と手を組んでるなんて考えられないよな。
私は違和感を感じてしまった。自分で調べたのに…。
「オメェ、浮気は駄目だと思うです」
「うわぁぁぁ!」
「そんなビックリするなです」
「ビックリするなって言われても…」
背後からの気配を全く感じなかった。
気が抜けてるな。にしても、浮気って……。
本当に監視役なんだな…。浮気はしてないですよ。
イエラが近くにきた時に感じたイエラが正しく感じる現象はあれか。
王城外だから禁忌魔法に対する
「あっ!」
イエラがトラップに引っかかり、イエラの乗っていた床がボコッと抜ける。
私は一番近くに居たため、落ちるイエラの腕を咄嗟に掴む。
あっぶな…。リオンに鍛えてもらっていて助かった。
私はイエラを持ち上げる。
「助かりました。ありがとうございますセレア様」
「無事なら何よりです」
私は抜けた床の底を照らしてみるが何も見えない。
相当深いな。落ちたらたまったもんじゃない。
「セレア所長。他のトラップの場所は何処か分かりますか?」
「ここから五歩進んで右に一個、その八歩先に針トラップと魔物の出現ですかね」
私はゲームをしていた記憶を思い出して、この古代遺跡のマップを映した
マップにはどこにどんなトラップがあるのか、どこらへんで魔物が出現するかが書いてある。
ほぼチートだよなぁ。少し違うとは言えど、殆ど合ってるし…気を抜かなければトラップにハマることはない。
「あ、ああの……奥の方、か、から何かき、聞こえませんか?」
シグルさんがそう言うと、私達は静かになり耳を澄ませる。
奥の暗闇からはうめき声が聞こえてくる。
その声は背筋が凍るようなゾワゾワするものだった。
私達は身構えると、目の前から魔物が大量に出てくる。
「【ライトアース】!」
「【レティルニル】!」
イエラとアイザックさんが同時に魔法を発動する。
イエラは光魔法の矢を、アイザックさんは氷の槍を降らせる。
おぉ〜いい火力〜。やっぱり光魔法がよく効くな。
アイザックさんに関しては火力でゴリ押しているような…気のせいか。
「セレア!オメェ、援護しねぇんです?」
「魔術で援護してもいいけど………この次の方が厄介だし」
「オメェ未来でも見えてるです?細かい魔物は
「あーそうだね。まぁ私の勘だよ」
そうは言ったが、ゲームでやったら覚えてるんだよなぁ。
次出てくるのが魔法耐性ほぼマックスの魔物だと。
魔術は効くからな。
それに鱗を埋め込んだからなのか、体の動きが速い。
魔塔で一度試し撃ちをさせてもらったが、魔塔の魔術防壁を一瞬で破壊して近くの森林を燃やしてしまった。
ドラゴンの鱗って凄いんだなぁ。
未だに体は痛むが、慣れてきてはいる。この痛みが完全に引くのは五ヶ月後だろう。
「よし!倒せました!」
「助かりました、イエラ嬢」
「いえ!アイザック様のお助けがなければ私一人ではとても…」
「そんな謙虚にならないでください」
ふむ。アイザックルートにも入る気か?
となると本当にハーレムルート目指してそうだな。
にしても………シグル、相手にされていない?
やはり回帰者、シグルルートを一度経験したのか?
「シグルさん。ポーションを作ってくれませんか?」
「ぼ、僕がですか!?に、にニーティア様にまままま任せればいいのでは……」
「あたしはあたしでやる事があるです。頼んだです」
ティアは私の行動の意味を理解したのか、嘘をでっち上げる。
何もやること無いのに、平然と嘘を……助かるけども。
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