第104話 推しの手料理は祖国の味?
私達は話を戻して、アイザックさんと古代魔術や魔法の話が盛り上がり時間があるときにこのバッジの解明を手伝ってくれることになった。
古代ものは魔法と魔術の違いはあまり無さそうだし、色々学べそうだ。
「時間があれば連絡をしてください。まぁ多忙なので、空き時間があるかわからないんですが」
「今の仕事を早くこなせば空けれると思います」
「俺もやれる事はやってみますね」
「また連絡しますね。では、私はこれで」
私はアイザックさんにお辞儀をして法棟から出ていく。
いやぁ、有意義な話ができた。
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私は術棟に向かう途中、外の渡り廊下を歩いていた。
外を見ると当たりは夕日に包まれていた。
ちょっと、話をしすぎたかな。
来たときは昼前だったのになぁ……仕事を終わらせてから来ているから問題はないが……タリンさんに遅すぎると怒られるかもな。
私はそう思い、重い足取りで術棟に帰る。
「セレア様〜?なーに仕事放り出して、道草食ってるんですか!帰りが遅すぎますよ?そんなにラエルさんと話が弾んだんですか?」
あっ……そういや、伝えてなかったな。アイザックさんのところに行っていたって…。
報連相の報連が出来てなかったな。
「その、父さんの所に行った後アイザックさんのところに行ったんだ。そこで話が弾んでしまって」
「魔法長とですか………、分かりました。ですが、次からはきちんと行ってくださいね。所長が居ない時は私が皆さんの問題を解決しないといけないんですから」
「私は雑用係では無いんだけど。次からは早めに帰ってきます……」
私の周りの真面目な人はお母さん味がある。
私ってそんなに危うい?うーん、私は過去を振り返るが思い当たることは無い。
やっぱり自分じゃ分からないのかな?
「でも、無理に怒れないんですよね…。今日中にやるべき仕事は先に終わらせてますし、強いて言うなら面倒くさい仕事を全く手につけていない事ですかね」
「や、やるから………その圧をやめて……やめ、やめてください」
もう駄目だ。タリンさんの圧には逆らえないんだ。
やはり、リリアナとは違う雰囲気で怖い。
私はタリンさんに先に失礼しますと言い屋敷に帰ることにした。
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屋敷に戻ると良い匂いがした。
もう晩御飯が作られてるのか。
私は着替えて台所に向かうとそこには、エプロン姿、ポニーテールのリリアナとコック長のロッテルが居た。
何をしてるんだろう。いや、料理なのは分かるんだけどにしても良い匂い。
邪魔してはいけないな、私はそう思い台所を後にし一人で食卓を囲んでいた。
もう囲むとかじゃない気がする……まぁいいか。
「セレア様!帰ってきてたんですね!気付きませんでした…申し訳ありません」
「気にしないで、それに邪魔しちゃ悪かったからね」
「み、見てたんですか!?サプライズにしようと思ってたんですが…」
「私は嬉しいよ?リリアナが作ってくれたって事だけで」
「うぅ…セレア様はいつもそう言って…………」
リリアナは顔を赤めながら、私の目の前に美味しそうな魚料理を出す。
焼き魚と大根おろしか。うーん、和。すっごい和。
「セレア様は和風なものが好きだなと思いまして、ニーシャ国のものとか沢山知ってましたし、お肉よりも魚派のようでしたので」
「ありがとう、リリアナの推理道理だよ。私は和風料理が好きだね」
日本人だからというのもあるのかもしれないな。
祖国の料理、転生したと気付いてから全然和風料理は食べれてなかったし。
私は魚を一口食べる。
これだ!これだよ、この味!美味しい。
「どうですか?セレア様」
「美味しい…。なんだが懐かしく感じる」
実際懐かしい。前世では、カップラーメンしか食べて無かったし米とか……そんなに食べてなかったな。
美味しい、祖国の味がする。ていうか、どうしてこんなに美味しいのか。
私が疑問に思ってると、ロッテルが答えを言う。
「セレア様、これでも自分は料理人。沢山の国に向かい様々な料理を食べてきました」
「もしかして、ニーシャ国で修行でもやってきたの?」
「その通りです!」
意味がわからないよぉ。何なんだほんと。
うちの屋敷の人達、スペックが高すぎて…肩身が狭いです。
わ、私も良くわかんないけど二つ名あるし。
そう考えると、アルセリア家って才能がある人が集まってるんだな。
何でこんな人がゲームで脇役として、死んでんだろうか。
強すぎて出せないみたいな理由だったのかな。
「セレア様はニーシャ国について詳しいですが、行った事とかあるんですか?」
「無いけど……」
言えない、前世はニーシャ国の元となった国に住んでたからです何て言えない!
「いつかは言ってくださいね。今すぐにとは言いませんから、セレア様にも事情があるんでしょう?」
リリアナは私に微笑み言った。
いつかは……いつかは、転生の話、前世の話をできたら良いな。
それでリリアナに離れられてしまったら嫌だが、ずっとリリアナに嘘をつき続けるのは私が嫌だ。
言える日が近いと良いんだけどなぁ。
私はそう思いながら、リリアナの料理を黙々と食べる。
料理からは安心感が感じられ、私の不安を打ち消してくれるた。
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