第68話 卒業が近い脇役
リリアナが部屋の中に入ってきて、どこから出したのか弁当を出して私に座るよう指示する。
そのお弁当何処から…えっ、ちょっ…。
「セレア様、座って食べてください。私の手作り、愛妻弁当です♡」
おにぎりを既に食べている事は話さないでおこう。一個ぐらい隠し事あっても良いよね?
席に座って、弁当を開ける。
「おぉ〜、玉子焼きに私の好きなハンバーグ……凄いね料理上手だ」
「セレア様の為に頑張ったんですよ。セレア様の好きなものを作れるよう努力しました!」
ハンバーグを食べると肉汁が出てくる。食堂のとは違って美味しい…。
玉子焼きも私の好きな味付けだ。あれ?ハンバーグが好きなのは言ってたけど、玉子焼きの味は言ってたっけ。
「私ってリリアナに、私が好きな玉子焼きの味って教えたことあったっけ」
「いいえ、教えられた事はありません」
「良くわかったね。砂糖多めが好きなんだよ。甘くて、しかも醤油のやつもある」
「うふふ♡私はセレア様のことなら分かりますよ。私はセレア様の奥さんになるんですから、セレア様の事を何でも知ってなくては駄目ですよね」
何でも知られると困るが…まぁいいか。
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私は弁当を食べ終わると、五時間目になっていた。授業が無くて良かった…。
先におにぎりを食べていたせいで、お腹に入りにくかったな。
五時間目は政治科目な為、リリアナは授業に渋々向かっていった。
さて、私は何をしようか。
「特にやること無いんだよな…六時間目は、魔法科目だけど私には出来ない分野だから受けなくていし」
私は暇な為、監視カメラを見に行こうと思い、生徒会室に向かう事にした。
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生徒会室に向かうと、誰も居なかった。
リオンは今の時間はなにもないはずだけど…友だちと遊んでいるのだろうか。
生徒会メンバーの私以外は外で主に活動する。私は外に出たくないため、外で活動はしない故に私だけ休み時間は、外で遊ばないのだ。
私は生徒会室で珈琲を入れ、休憩する。
「………後一ヶ月か」
一ヶ月、それは私が卒業するまでの日数だ。
時が進むのは早いな、リリアナが学園に来てからより一層時間が立つのが早い気がする。
学園生活が充実していたという事なのだろうか。
異世界に転生してから、色んなことがあったな…自分の死を回避して、リリアナと恋仲になりお泊りもして………。
とても、いい生活だった。この学園生活も、もう終わってしまうんだな。
王城編に入るまで、王宮魔術師として王城の情報を集めておかなくては……所長になれば色々と融通も効くだろう。
「仕事は慣れてるし、王城ならルイスも居るだろうし問題はないだろう」
王城で働くかぁ。貴族からすれば夢のようなものだ。
リリアナのためだ頑張って働くか。
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珈琲を飲み終わり、私は生徒会室にある名簿表を見る。私達が卒業したら、一体誰が生徒会役員になるんだろうか。
生徒会室の扉が開き、そこからはリオンが入ってくる。
「名簿表を見ているのか、珍しいな」
「次の生徒会役員が誰になるのか気になってね。有力候補を見ているんだ」
「リリアナは生徒会長になろうとしているみたいだ」
「そうなの?書紀になると思ってたのに」
「セレアと同じ役員になりたいらしい。後はアルベルト殿下やイエラに任せると碌な事が起こら無さそう…らしい」
「分からなくはない」
本編だとリリアナは書紀、アルベルトが生徒会長、イエラが副生徒会長だ。
リリアナには是非頑張ってもらいたい。
「もうすぐで卒業だが、王城で王宮魔術師として働くんだろ?所長は目指すつもりなのか?」
「勿論、給料は高くなくちゃね。行けるなら目指さなくちゃ」
「毎回思うんだが、お前の節約術は凄いな。まるで貧乏人のようにやりくりが上手い」
「褒めてる?貧乏人って貶してる?」
「褒めてる」
「ホントだな?嘘じゃないよな?」
「俺は嘘はつかないぞ」
「そうだったな。リオンは嘘が下手だった」
「おい…」
リオンから睨まれるが、無視無視…無視が一番だ。
節約術は前世のせいだろう。給料が少なかったし、節約しないと生きていけないからな。
「リオン、私一年生の教室行ってくる」
「突然だな…分かった」
名簿表を閉じて、私は一年生の教室を見に行くことにする。
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少し政治科目の授業がどんなものなのか気になるからな。
エルトンさんやオリカさんの所にいかないのは、四年生の政治科目を担当しているのがゴウレス先生だからだ。
あの人担当科目多すぎなんだよ。
ゴウレス先生に会う度に私は雑用を頼まれる。
それを避けるために、私はゴウレス先生が担当している四年生の政治科目授業に行きたくないのだ。
私は一年生の階に来て廊下を歩く。
えーと、一年生の政治科目のクラスは………。
私は廊下を歩いていると、他の一年生の視線が刺さる。そんな注目しないでくれ。
他の学年の人が別学年の教室に来ることはよくあることだ。
私はよくリリアナの教室に向かったりしている。
リリアナが居る教室を見つけ、私は半分開いている扉から授業を眺める事にした。
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