第31話 やっと研究室を掃除する
起きると相変わらずの可愛さ満点の寝顔があった。
起きたらこの寝顔が見れるとか、天国だわ。結婚したらこれが毎日になるのかぁ…その頃にはリリアナの寝顔にも慣れてたりするのかな。
私は先に準備をして、朝食を食べる。
私が朝食を食べ終わった頃にリリアナも起きてくる、するとリリアナは私が先に食べてたのが不満なのかジト目で私を見る。
やりたいことがあるから先に食べてたけど…起こしたりはしたほうが良かったな。
失敗した。次からは起こそう。
「おはようリリアナ」
「おはようございます。セレア様、一体何処に行かれるのですか?忙しそうですが……」
「ナイショ」
私は微笑みながら食卓を後にして研究室へ向かう。
そう、私が今からすることは研究室で
リリアナとのお出掛けは昼過ぎからだから時間はまだまだある。
待ってるだけなのもつまらないから買い物で何が不足してるのか分かるように先に部品だけ作っておこう。
ちなみに私の研究室の場所は書庫のデスクの真下だ。
ボタンを押すと開くようにしてある。
書庫なんて、ここで働いている人で来る人はそうそう居ない。だからこそ静かに実験できるのだ。
実は、この研究室は私が三歳の時に父親が作ってくれたものだ。誰にも話さないでおこうという風だったのは覚えている。
書庫から自室は結構距離がある。そのため学園を移動するために作った鏡を持ち運ぶのに時間がかかった。
今は運搬用の鏡を作っておいた為、運ぶ時間を気にしなくて良いのだが、前までは自力で運んでいたからか筋力はあった。
今は低下しているがな…やはり楽をすると駄目なんやな。どんどん衰えていっている。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
研究室でカメラの部品を作り、足りない材料をメモっていく。
そういえば、一眼レフにしようか悩んでたな。
コンパクトサイズのカメラの方が持ち歩きやすいし、軽いし、リリアナの事を考えるならリオンと同じ、デジカメか?
もういいや、作って材料が余ってきたら一眼レフに変えよう。
今考えても一向に決まらなさそうだから。
私は作業を止め、研究室を見渡す。流石にこの部屋も掃除したほうがいいかな。
ゴチャゴチャで何処に何があるのか半分くらい覚えてないや。
私は近くに放っておいたゴミ袋を取って、部屋を片付ける。
どれが失敗作だ?これは、成功したやつか。
成功した作品は横に並べてある棚に置き、失敗した作品はゴミ袋に入れていく。
徐々に溜まっていき重みが増してくるゴミ袋を持っていると自分の施工数が分かる。
何度も失敗したんだなぁ。
最近は失敗も減ってきたけど、それは前世の世界であったものを作ってるからであって、何処にもない本当の自作となると失敗の数はどえらいほどになるからな。
それを放置してるからこうやって足の踏み場が無くなるんだよな。分かってるけど出来ない、前からそうだった。
ゴミを片付けて、棚や机などをきれいに拭く。
拭かないとホコリまみれだからな。鉄の粉塵とかもあるし。
体に害を与えかねない。
こういうのもあるからすぐ掃除しないといけないんだけど手は動かないからな。仕方無いよね。
その後も掃除に没頭していると、昼近くなっていた。
昼飯を食いに行くか。
にしても随分綺麗になったな。掃除すると別の部屋みたいだ。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
食卓に行くとリリアナが行儀良くご飯を食べていた。
あら可愛い。今日はお肉か…リリアナが来てから本当に奮発しているな。
個人としては別に構わないけど当主としてはその食費大丈夫かなってずっと思ってるんだけど…それ経費で出てるんだよ?
支払ってるの私だからな?
「セレア様!このお肉とても美味しいです。どこ産ですか?」
「…多分、ニーシャ産じゃないかな」
「流石、舌だけは一丁前ですねセレア様。その通りニーシャ産です」
待てシェフ。舌だけは一丁前とはなんだ。本当に当主に対しての扱いが酷いよ!傷つくぞいいのか!
合ってたのかニーシャ産。
ニーシャ国、日本をモチーフにした国だ。そして私が今食べているこのお肉は牛、日本で有名な松坂牛だ。
この世界では、松坂牛はマシャ牛と呼ばれている。
「とても美味しいです!いつか行きたいです。ニーシャ国」
「私も、あそこは行きたいな」
リリアナが行きたがっているのなら、連れていけるようになったら連れて行こう。
旅行となると結構な金額が掛かるからな。
計画は立てるけど額が高すぎると連れていけない…流石にカッコイイ所を見せたいからな。
王宮魔術師になったら精一杯働こう。
給料の良さが良いからな。しっかり働いて昇進して給料をもっと高くしてもらう。
そのためには今のうちに媚びでも売るか。それで昇進も昇格も出来る可能性が上がる。
運搬用の鏡は結構便利だし国王陛下に贈呈出来るぐらいの品物を用意しとこう。
そのためには今回の買い物で良いガラスや元となる鏡を買っておくことが大事だ。
「そういやリリアナ。今日は髪型もセットするって言ってたけど…何の髪型にするの?」
「それを今聞いたらお楽しみがなくなるでは無いですか!なのでそれは実際に見てからのお楽しみです」
「分かったよ。じゃあ、私は先に準備して外に出て待ってるね」
「はい。準備ができたら私も外に出ますね」
今回の買い物及びデートは集合場所を決めて、準備が出来たら先にその集合場所に向かうという、実際のデート感を演出する為に決めたもので行くのだ。
その為、リリアナがどんな格好をしてくるのかも、何分待つのかも分からない。
それは勿論相手であるリリアナも私がどんな格好をして来るのかは分からない。
こうやっていると本当にデートに行くという感じがする。実際、デートなのかもしれんが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます