第8話 誤解です!
朝...だ。
4時50分。
あぁ風呂入ってない。
入るかー。
「...ねむ。」
呟きながら静かに風呂へ向かう。
母親は...寝てる。よしっ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━シャワーを浴びた後、ドライヤーを乾かしてたら母親が起きてきた。
「おはよ。」
「おはよう。」
昨日のこと、謝った方がいいのかな。
悪いことはしてないけど、言い方がキツかったよな。
「昨日は、嫌な言い方してごめん。」
「分かったならいいのよ。あの子とはもう会わない。良いわね?」
僕は言い方についてしか謝ってないのに。
やっぱ謝らなきゃ良かった。最悪。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━学校に着いた。
昨日のドッチボールのこともあって、僕は堂々とクラスに入れない。
多分遼とも気まずくなってるのだろう。
あぁ、足取りが重い。
もともとを知っている。
前と同じ、戻っただけだ、と言い聞かせるがやっぱり少し寂しい。
謝ったらいいんだけど、ちょっと怖い。
と後ろから遼の声が聞こえた。
「おはよう。颯!元気ないなぁ〜。」
声はとても元気だった。
ただ振り向くの怖かった。
怒ってはないだろうか。
次の動作をするのに少し時間を要した。
振り向くといつもと変わらない彼の顔が。
いや、ドッチボールで顔面に当ててしまった傷は絆創膏で隠されていたからいつも通りではないか。
彼は多分全然怒っていない。
なのにまっすぐ見れない。
僕が俯いて言葉に困っていると、
「なんだ?気にしてるのか?昨日の事。
お前があんなに強いとは思わなかったよー。
ほんと尊敬するわ。まじでお前は何も悪くないからな。僕が挑発しすぎたんだ。
申し訳なかった。この通り。」
謝られた…?
少し驚いたものの、僕は、遼がずっと怒っていると思っていたから、今の言葉を聞いてかなりほっとした。
そしてずっと胸に抱えて言えなかった言葉が。
「僕こそごめん。あの時すぐに謝れなくて。
…また仲良くしてくれるか?」
「もちろんだ!!まだお前の恋愛成就させれてないからな!!ハハッ」
そこには彼は変わらぬ太陽のような笑顔があった。
恋愛成就まで、かぁ。
まだまだ一緒にいられそうだな。
ドッジも友情も逃げてばっかじゃダメだな。
やっぱり自分から参加しなきゃ進まないんだ。
こうして無事、僕らは仲直りできたのだった。
そして4月25日、今日もまた事件が起きてしまった。
「おーい静かに!」
そう言いながら、担任の佐々木先生が入ってきた。
佐々木先生とは、僕らの担任である。
そして、理科の教師。
基本的にずっと優しい。嫌いではない。好きでもないけど。
去年も一応、僕の担任だった。
3者面談の時だって、あの親バカで気持ち悪すぎるくらいの僕の母親にニコニコと笑顔を絶やさずに話していた。
何もかもうまくやるような感じの人だ。
あ、ある意味遼と似ている。
いや、似てないな。
親に良い顔を見せるのは、教師だから当然か。
ただ、1つ厄介なことがある。
奴は提出物にとにかく厳しい。
本人が締め切るといえば、どんな理由があったとしても提出させてくれないし、提出期限を遅れると、これでもかと言うほど叱る。
僕も1度その件で叱られたことがある。
そう。
今日はそのノートの提出日なのだ。
よし、ちゃんとある。
手元のノートを確認して、僕は安堵する。
しかし、みんなが後からノートを回す時、1人、珍しくかなり動揺している人がいた。
それは、僕の気になる人。
向埜朱織さんだった。
どうやらノートが見つからないようだ。
そしてそのまま僕の列のノートたちは、先生の手に渡った。
意地悪なのか、天然か、先生は彼女がノートを出していないことにすぐに気づいた。
「あれ?向埜ノート出したか?」
優しい声だった。まだ。
でもこれは確実に怒られる、皆がそう悟った。
朱里さんは、震えた声でこう言った。
「すみません。ノートがなくて、、、」
お分かりのように、この先生は、提出物にはしぶとい。
「あ?今日集めるって前から言ってたよな。なんで用意できてないんだ。」
さっきと比べて厳しい口調に変わった。
教室には何とも言えない、威圧感と静けさができてしまった。
みんな自分が関わりたくない、と言うような表情で下を向いていた。
しかしそんな中、ただ1人立ち向かった人間がいた。
そう。
それは僕の隣の遼だった。
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作者のひとりごと。
今日も読んで頂きありがとうございます。
作者の個人的な話になりますが、最近耳鼻科通いです。なんか全然治らなくて。最初は花粉症だと思ったんですけど、どんどん悪化して。
今は喉が焼けるように痛いです。
耳鼻科変えた方が良いんですかね。セカンドオピニオン的な?
てことでろくに友達と遊べてないのでベッドで横たわりながら小説書いてる今日この頃。
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