第18話

 あんりに図書館へ行く宣言をしてから早く図書館に早く行きたくなり、早く学校が終われと思いながら過ごした。

 あんりと学校を出て、あんりと別れ、私は図書館へ向かう。私は今まで町の図書館に行ったことがないから本当にあるのか不安だったが、駅の方に向かえばなんとかなるとは思っていた。まぁ、そもそも駅の方にに行くこともあまりない。出かけるときはいつも家族と車で出かけるし、駅まで加納と帰ったときしか寄ることはないが、加納と帰ることはあまりない。

 誰かに図書館に行こうとしてるところを見られるとなんとなく恥ずかしい。だから、できるだけ誰にも会いたくないなと思いながら駅に向かう。

 不安すぎてキョロキョロと辺りを見回しながら駅に向かっていると、駅まであと少しの辺りで図書館への案内板を見つけた。駅まで行かず、途中で曲がればあるようだった。半信半疑だったが、駅より10m手前の指示されたところで試しに右に曲がってみた。曲がって少し進んだら、イメージしていた建物ではないが、大きめの建物が現れた。比較的この町では、新しい建物の中に図書館はあるらしい。中に入りため、駐輪場を探す。少し分かりにくい所に駐輪場あったため、軽く建物を一周した。そこそこ、自転車が停まっていて知り合いには会いたくないが、少し安心した。

 建物の入口は自動ドアで中に入ると私が思っているよりもきれいな内装だった。図書館以外にもいろいろ施設があるみたい。建物内の地図で図書館の場所を確認する。図書館は建物の2、3階のフロアで4階には学習室が用意されていた。

 場所を確認し、いざ図書館へ向かう。エレベーターもあったがなんとなく乗る気はしなかったため、階段で上の階に行く。階段を上るとすぐ目の前に図書館の入口があった。私の中の図書館のイメージは薄暗いイメージだったが、比較的新しい建物と言うこともあって図書館の中もきれいだった。初めての図書館だということもあり様子やどんな人がいるのか図書館での過ごし方の正解を確認するためにすぐに4階の自習室に行かず、とりあえず見回ることにした。

 図書館の1つ目のフロアは子ども用のエリアになっており、小学生あたりが借りにくるのかなというようなラインナップと折り紙や絵本のポスターが貼ってあった。実際に小さい子ども連れの親子が絵本を借りていた。

 2階フロアは私には関係のないためすぐに階段を上った。3階フロアは、思ったよりも多くの人が多くいた。本は小説だけでなく雑誌や新聞紙もあったし、一生借りることのない本もたくさんあった。4階が学習室とはなっていたが、3階でも勉強をしている学生がけっこういてここでも勉強ができそうだなと思ったが、念のために4階も行ってみる。

 4階フロアに行くと2、3階と違って、少し薄暗い気がした。3階フロアより人が少なく、歩いているだけでなんだか気まずい。できれば3階で勉強をしたい。静かに3階に降りていった。3階はやはり4階より明るい。人も動いているため、気が少し楽になった。そして、空いてる場所を探す。

 空いてる席を見つけるが、近づくとそこは本を読む専用の机で、学習は禁止されていた。見渡すと空いている席は本を読む専用の机なのだと分かった。

 空いてると思って3階に来たが、思ったより空いている席はない。仕方なく、誰かと相席するしかなかった。長机に一つずつ席が空いているため、なんだか均衡を壊すような罪悪があったため避けていたが、意を決して座ってみるとどうでもよくなった。

 座った席の左右も学生で受験勉強をしているようだった。やっぱりみんな勉強してるんだなと少し焦りを感じ、カバンからテキストを出す。

 今回の模試への目標は社会の点数を上げることだ。だから昨日と同様に歴史の勉強をする。

 初めての空間で、最初のうちはそわそわし落ち着かった。しかし、ここでは勉強するしかない。周りもしているのもあって学校とはまた違うけれど反強制的に勉強をするしかない空間のため、やり始める。

 問題を解いているとだんだんと図書館で勉強をしている自分への違和感がなくなり勉強がいつも以上にできている気がした。

 右横の人が帰り始め何時なのか気になり時計を見ると、約1時間程経っており、驚いた。もう帰らないといけない時間だった。早く出ないと母が帰ってきてしまうため私も帰ることにした。

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タピオカ @hiesho-samui

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