第16話
体育は、好きな競技と嫌いな競技とでテンション違う。走るだけのときはとても嫌だ。でも、今日はバレーボールなのでまだマシだ。
試合があったら足を引っ張るだろうから申し訳ないなぁと思っていたけど、今回はパスやサーブの練習をして終わった。
その後もいつも通り学校生活を過ごした。
学校からの帰りはあんりと帰り、途中で別れて1人で帰る。
1人になり、今日あんりから言われたことを自転車に乗りながら改めて考えてみた。
あんりは私がやる気がないと感じているんだろうな。私はちゃんと周りに合わせているつもりだったから、やる気がないと思われていることに少しショックだし、今日の会話を思い返せば少し恥ずかしい気持ちにはなる。
受験や進路に向かってみんなが頑張ってる中、少し浮いている気がしたのもこれが原因なのかもしれない。
みんなに合わせるためには進路に向かい合うことが1番の近道だと内心分かっている。でも、やっぱり進路についてどう決めていいのか分からないけれど、東京でタピオカを飲みたいという気持ちは強い。
それには親に東京に行くことを納得してもらわないといけない。で、1番説得できそうなのが、大学のオープンキャンパスなのだが、昨日せっかくのチャンスを無駄にしてしまった。やっぱりオープンキャンパスに行きたいと親に納得してもらうにはあんりの言う通り、模試でアピールするしかない。そうすると、次の模試で少しでも成績を上げること、これが1番早い気がする。塾に行きたいと言ってみるのも手かもしれないが、トータルのお金がかかるし自由時間も減る。自分の力でどれだけ成績を上げられるかだ。
東京でタピオカを飲むだけの目的なのに壁が大きいと感じていたが、勉強するだけで行ける可能性があるならやってみよう。
今までずっと考えがくすぶって、行動にも移せなかったが、何故か東京でタピオカを飲むための作戦が次々に浮かんできたことに、自分で心の中で天才かと思った。
家に着き、部屋着に着替えいつものように部屋にこもる用意をする。いつもより早く机の前に座る。
そして、今後どう勉強すればいいのか考える。
私の成績は苦手な社会が1番悪く、数学は自分の中ではいいが、得意教科にするほど点数がいいわけではない。
1番点数が上がりやすいのは苦手な物からとりあえずやってみるのがいいのかな。無理だったら別の作戦を考えればいいか。とりあえず、
「歴史をするかー」
と言ってやり始めてみた。
苦手ということでだんだんダラダラになっている。休憩と言いつつ、だんだん休憩も長くなる。
そして完全に集中力が切れた頃、母が帰ってきた。ラッキー、そう感じてしまった。
早くてご飯ができないかと、ソワソワしながら待ち、ご飯の用意ができた知らせを聞くとすぐに部屋を出て食卓に着く。
母から
「お腹すいたの?」
と聞かれたが、そんなつもりは全くなかったため
「そんなことないよ」
と答えた。
食べ終わり、少しだらだらとリビングに過ごす。
父から
「ここにいるの珍しいな」
と言われたが、そんなつもりはないため
「え?」
とだけ答えた。
母からお風呂に行くように言われ、お風呂に入り、自分の部屋に戻る。
自分の部屋から出なくてもよくなってしまった。
仕方なく、もう一度歴史のテキストを見るがやりたくないためせめて勉強をしたという事実を残すため宿題と予習なんかをやってみて、今日のところは終わった。
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