前のエピソード――第8話

　家に帰って、いつも通りチラシをポストから取り出して家の中に入る。そして、部屋着に着替えたり、お弁当箱や水筒を洗った。そして、自分の部屋におかしや飲み物を持っていく。

　そして、今日も一応勉強をする。勉強よりも東京に行くための行動を早く進めたいが、考えても何も思いつかない。学校のテストはないため、模試があるため勉強する。模試の結果なんて当てにもしてないが、まぁ勉強しなければならないから、する。

　やる気がない。勉強をしようにも進まない。

　今日もマンガに手をつけよう思ったが、昨日勝手に届いた大学のパンフレットが目に入り手を伸ばした。

　昨日もパンフレットを開いて確認したけど、また目次を見る。目次を再度確認した後、ページを開いてみる。創立者の写真と大学の歴史を書いてあるけど、どうでもいい。また、ページを捲る。

　グローバルな人材を目指す大学かぁ。そう言えば、勧められてる大学もグローバルな人材育成を目指してた気がする。

　そのまま、学部紹介を見てるみる。私は経済学部を目指す予定だ。パンフレットの学部説明は、マクロ、ミクロなんて書いてあるけどよく分からなかった。

　ちなみにどこの大学なんだろう。

　気になり、大学の名前と住所を確認する。最後のページに住所が書いてあった。東京にある大学からのパンフレットだった。

　東京……。東京かぁ、今行こうと思っているが、行く言い訳が考えられずにやきもきしていた場所。「東京ね、」なんて言いながら部屋に戻りパンフレットを閉じた。そのままぼーーとする。ペラペラと片手でパンフレットを捲る。

　気づかなかったけど、1番最後にチラシが挟まっていた。別に見なくてもいいかなーと思ったけど、念のために確認する。オープンキャンパスの案内だった。

　そのチラシを見た瞬間、頭が働いた。

　受験する大学のオープンキャンパスには夏休みに行った。だから、それ以来オープンキャンパスに行ってもないし、行ことも思っていなかった。もし、このオープンキャンパスに行きたいと言えば東京に行けるのではないかとチラシを見て思った。あんりもこの前行ったと話してたからまだオープンキャンパスに行くのは普通だろう。まぁ、遅いけど。

　我ながらいいアイデアな気がする。オープンキャンパスを理由にすれば東京にも行けるし、オープンキャンパスにも行ける。お金は自分で出すと言えば、さらに東京に行きやすくなるのではないだろうか。

　問題なのは、何故その大学のオープンキャンパスに行きたいかを説明しなければならない。

　東京の大学も見てみたいんだでいいのかな。それでオープンキャンパスに行かせてくれるかな。

　あと、できれば親はついてきて欲しくないなぁ。1人で行きたい。ついて行くよって言って断ったらどうなるのかな。その辺りが不安だ。でも、あんりも1人で行ってたし……。

　まぁ、言ってみるしかないか……。

　母が帰ってきたらそれとなく言ってみるか。母が帰ってくるまであと30分だ。