第8話
今日は寝坊なく学校に行くことができた。いつも通りの朝だ。
自転車を置いて校舎に向かう。まだ私は東京に行きたい思いが強く、気が付くと思考はどう親に言えば東京に行けるだろうかと考えてしまう。
早くしないと受験シーズンが来る。
教室に着き、自分の席に座った。
朝の教室は、人それぞれの行動をしている。友達と話す人や1人で本を読む、スマホをいじっている、勉強をしてる人、寝ている人もいる。
私はとりあえず鞄から荷物を出して、1日の準備をする。
「おはよう!!」
と加納がやってきた。加納はどちらかと言うと真面目な部類だ。基本的に8時前には教室いるため私よりも早くに学校に着いている。
「今日は寝坊しなかったんだ」
「昨日はたまたまだよ」
と笑い、鞄から取り出したものを机の中にしまいながら話す。
「昨日さ、この動画観てかわいくて笑った。観て」
と加納が見せてきた。
動画は、子犬が走り回ってコケる内容で、かわいくて笑ってしまった。
そんなやり取りをしてるとあんりが教室にやってきた。
あんりは基本的に来るのが遅い。開始に間に合えばいいのだろう。
「あっ、あんりが来た」
と加納が言った。
もうすぐ朝の会が始まる時間で、あんりのところまで行くには時間が少し足りない。そんなことを思っていると先生が来て朝の会が始まった。
朝の会も変わらずで、出席を取って何もなければ挨拶して終わる。そして、1時間目の授業の準備をする。今日は国語からのスタートだった。
朝の会が早く終わり、1時間目が始まるまで時間ができたのであんりのところに行く。
「おはよう」
と言うとあんりも同じように返してきた。
「今日ってなんかテストあったけ」
「しばらくはないんじゃない?学年末も近いし。あっ、あ――、その前に模試があるけど」
あんりに聞かれたので答えた。
「模試ねぇ……。あーあ。そう言えば、もうすぐ2年も終わりかぁ」
あんりが独り言のように言った。時間は過ぎてほしいと思うけど、過ぎてほしくないと言う矛盾を感じる時がある。
「早いよねぇー。来年は受験だよ」
「そしたら、大学生かぁ」
別に話が広がることはない。何十回何百回いや、もう数えられないくらい話してる。基本的には、たんたんと過ぎていく。
時計を見るともう授業が始まるから自分の席に戻った。
授業中は昨日よりも東京への思いは、落ち着いていた。テストの話もしてるので、聞かないといけなかったでのもあるけど。どの授業もテストの話をし始めた気がする。
今日も変わりなく授業を受け、学校も終わり帰る。あんりと一緒に教室を出た。
「数学のテストやばすぎなんだけど」
とあんりが言った。
「私は数学よりも歴史が無理かも……」
少し下を向きながら話す。
「この前さ、オープンキャンパスにまだ行ってなくて担任に言われて行って来たんよね。私は別に行かなくてもいいかなーと思ってたんだけど」
あんりが話を振ってきた。
「1校も?」
「うん、1校も。私的には行かなくてもいいと思ってたんだけど」
あんりが笑いながら話したのを
「今まで行ってないとか遅くない?」
と返した。
「担任も親も同じこと言ってた」
とまた笑っていた。
私は親と先生に勧めれ受ける大学のオープンキャンパスには行っている。ぶっちゃけ、行かなくてもいいのかもしれないと感じたのは、あんりには言わないでおく。
「どうだったの?」
「うーーん、想像通り!」
と返ってきた。
「あとさ、親が居たらめんどくさいかなーと思って、1人で行ってきたけど」
「えっ、1人で行ったの?」
「うん、そうだけど。なんか変?」
「変どう言うか、すごいなって」
「そんなことないよ。電車に乗って行くだけだし」
1人でオープンキャンパスに行くなんて考えてもなかった。お金を払うからって私がオープンキャンパスに行ったときは親が着いてきたからだ。
その後は、好きな芸能人の話をして別れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます