第7話
私には兄がいる。今は一人暮らしをしており、公立の大学に行っているため、大学受験について聞こうと思えば聞ける。私の受験先を決めるきっかけとして、兄にどう言う方法で進路先を決めたのかを聞くのも手だと思うけど、きっと聞くことはしないだろう。
別に仲が悪いわけではないけれど、兄からまともに返事が返ってくるとも思えないし、今更頼るのも気持ちが悪い。
ま、兄のことは置いといて、台所の戸棚を開け何のお菓子を食べようか物色をする。
あっそういえばまだお弁当箱を洗っていなかった。親が帰ってくる前に洗わないと。少しでも親からの小言をを減らしたい。
水につけていた弁当箱を手に取り、洗剤で洗う。そう言えば、水筒を鞄の中から出してないことを思い出した。取りに行くのめんどくさい……。
最近は、母がご飯を作ってる間は台所にはいけない。というか、同じ空間にいることを避けている。なぜなら、勉強してないのかと言われるからだ。そのため、今から晩ご飯ができあがるまで、自分の部屋に閉じこもるための飲み物と食料を用意しないといけない。お弁当箱を洗い終え、再び棚を物色し始めた。お菓子は甘いものをチョイスし、冷蔵庫にはミルクティーがあった。ペットボトル1.5Lサイズだが、残り3分の1で今日で終わりそうだ。ペットボトルとコップ、お菓子を多めに持って部屋に行く。あと、今日届いた大学のパンフレットも持って上がった。親には関係ないし、私宛だし。もし、親に見られて受験どうこう言われるのもめんどくさい。
部屋に行くと、持って上がったもの一式は机の上に置いた。そして、私はとりあえずベットに座り、内容も覚えているずのマンガをとりあえず手に取り読み始めた。
親が帰ってこない時間くらいゆっくりしたい。手に取ったマンガは少女マンガで、主人公が地方から東京に行き、生活をする話だ。
東京はいいなー。なんでもあって。
私の住んでいる所なんて田舎すぎて車がないと行きたいとこにも行けない。まだ免許すら持てないため、行きたいと思っても自分では自由に行きたいところに行けない。でも、東京なら電車に乗ってどこまでも行ける。東京のそういうところが羨ましい。
時計を見た。まだ17時前だ。母は18時前、父はなんだかんだで19時から20時くらいにだいたい帰ってくる。母は遅くなりそうだったら連絡が来るが、まだ来てない。ということはいつも通り帰って来るのか。
そしたら、もうそろそろ勉強をしてる感を出さないといけない。お菓子をひとつ食べ、動き始めた。
特に学校からの課題や宿題はないが、各教科の教材は受験をするためにと母親が買ってきた。周りは文系に行く人が多く、私も文系に行くかなと思ったが、数学の成績が思ったより良かったため理系を親や先生から勧められている。
数学の成績は思ったより良いが、歴史は苦手。歴史の問題集を開くが止まってしまう。勧められている大学を受けようとは思っているが、何をしていいか分からない。
あーー。なんて言いながらイスを左右に動かす。大学受験だなんてまだ先だと思っているが、周りが大学のために動いてるのを見て迫ってきてるんだなとは感じている。
なんとなく今日届いた大学のパンフレットを見てみた。基本的には先生が持ってきたパンフレットしか見たことない。パンフレットは、透明なビニールの袋の中に入っており、開封する。パンフレットの内容は、先生から渡された大学のパンフレットと同じで学校説明、学部学科、大学生活の例、部活、サークル、イベントなどの活動内容が書いてあり、変わり映えはしなかったため閉じて、親が帰って来るまで勉強をすることにした。
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