「グレイマン」
「グレイマン」
高校の時、フレデリック・フォーサイスを読んでスパイに憧れていた時期に続く、第二次スパイ小説ブームが遂に到来してしまった。今、スパイ小説二冊同時並行で読んでいるが、そのうちの一冊がマーク・グリナリーの「グレイマン」だ。シリーズで続編がたくさんあるので当分、いい暇つぶしになりそうだ。これはネットフリックスでライアン・ゴズリング主演で映画化された。映画は「ミッションインポッシブル」に近い世界観の非リアル系スパイ映画になってしまっていたが、小説の方は残酷描写満載で現実の世界情勢を反映したハードコアな世界観になっている。基本的にはリアリスティックな描写が一貫はしているが、現実に可能かどうか怪しい描写もあった。竪穴に閉じ込められた主人公がソックス、服を破って作った紐、自動拳銃、予備のマガジン、マルチツール(十徳ナイフ)で即席の爆弾を作ってそれを利用して脱出する場面があるが、そこの描写読んでも、ちょっと何やってんだかよく分かんないし、ホントにそれだけで爆弾を作れるのか疑問に思った。でもこれ実際無理だとしても、手近のものでそれなりの物を作って危機を脱出する系の場面としてはかなり面白い。面白いけど、やっぱちょっと無理っぽい。
昔、大学の会館で何らかのサークルの作業をしていた時、事務局に鍵を返した後、その部屋に忘れ物をしたことに気づいて、ドアの上にあった、細い窓から侵入して、ブツを確保し、またそこから脱出したことがあったが、最後、脱出した直後の感覚が人生史上最もスパイっぽかった。何を忘れたのか、その部屋で何の作業をしていたのか。そういうのは全部忘れたが、最後脱出した時のスパイっぽい気分だけはいまだに覚えている。これはきっと死ぬまで忘れないだろう。
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