第15話 葛原妙子歌集――幻視の女王

「葛原妙子歌集」

葛原妙子 (著), 川野里子 (編集)

書肆侃侃房; 四六版 (2021/11/18)



さあ、いよいよやってまいりました。

葛原妙子ですよ!


短歌世界の山尾悠子というのが、いちばんわかりやすいですかね。

塚本邦雄が絶賛した歌人です。


ぬかみそくさいところが全くない、世間から隔絶した短歌をつくります。


夜会巻きというのか、独特のヘアスタイルをなされています。



「天使」と題された歌です。



わが椅子の背中にとまる白天使汝友好ならざる者よ



天使まざと鳥の羽搏きするなればふと脇臭のごときは漂ふ



なんか、日本になさそうな短歌でしょう。

ヨーロッパを描くとさらにイイです。



暴王ネロ柘榴を食ひて死にたりと異説のあらば美しきかな



かしづきし唇赤き少年を打ちしことありやレオナルド・ダ・ヴィンチ



黒死病の死屍をのせゆく喪の舟としてゴンドラは黒く塗られき



水仙を切らむに 古代ギリシャびとおほよそは弱年に果てにき



少年は少年とねむるうす青き水仙の葉のごとくならびて




思い出と混乱の館で暮らしたある歌人のメモワール(レビュー)

https://news.yahoo.co.jp/articles/069a5035c940d09e440f7d5ce0ebf5bb4a9631ab

>葛原妙子の短歌がSNS上で密かに広がっているらしい。


へえ~、ほんとですか?

早すぎたセンスだったんでしょうか。

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