第16話 ボール箱――究極の官能SF

「ボール箱」半村良

『赤い酒場』に収録

出版芸術社 1993年5月



ひとつの段ボール箱の、生と死とエロティシズムを描いた究極の官能SF。


段ボールで……エロティシズム?


いやあ、だって、どう読んでも主題がそうなんですからねえ。

この小説に頻出する単語は「快楽」「満たされる」「愉悦」です。



今は無機物BLも珍しくない時代ですが、(……そうか?)

あんな昔に、こんなに先鋭的な作品を書くなんて、やっぱり半村良はすごいですね。



この動画で「ボール箱」を一人芝居化したものが視聴できます。

全文ほぼそのまま読み上げてくれてるので、作品集が手に入らない方は、こちらからどうぞ。


宮崎稲穂ひとり芝居『ボール箱』 byシアターユニット・サラ

https://youtu.be/qBnnAA38ArU?si=ZEk28oZQVGwM2jiM



この作品を読んだ後は「半村良劇場・ボール箱ごっこ」をしたくなりますよ。


私「ふふふ……おまえを古本でいっぱいにしてブックオフに送ってやる!」

箱「ああっ、ぼくの中が、固くて四角くて薄いもので満たされていくうぅぅ」

私「さあ、緩衝材として、ごわごわした灰色の紙 (正式名称あるんですか?) をつめこんでやろう」

箱「そ、そんな隙間にまでっ。もっと、もっとぼくをいっぱいに満たしてくださいっ! ガムテープでぴっちりと縛ってっ!」


SFがあれば人生は楽しいですね~。

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