第12話 カッコウが鳴くあの一瞬――中国悪夢的不条理文学
「カッコウが鳴くあの一瞬」 (白水Uブックス) 新書
残雪 (著), 近藤 直子 (翻訳)
白水社 (2019/5/11)
池澤夏樹の世界文学全集にも「暗夜」が入っているので、意外と知ってる方は多いんじゃないでしょうか?
中国のカフカともいわれる、悪夢的実験文学を書く作家です。
ちなみに女性。
「カッコウが鳴くあの一瞬」は短編集なんですが、どの話もネトネトベチョベチョしています。
登場人物全員、鼻水と血を垂らしてて、あちこち汚物にまみれてるような舞台で、ストーリーが進んでいきます。
なんだその話?
いやまあ、読めばわかります。ほんとにそんな話です。
私は以前、中国語を勉強してまして。
「好きな作家の小説を原文で読もうぜ!」と思ったんですね。
「最後の恋人」の原書を手に入れました。
……読めない。一行も。
私の中国語読解レベルが低い。もちろんそれもあります。
でも「これほんとに中国語? 古代ハングル語じゃない?」っていうくらい、意味不明な文章が連なっているのです。
教科書に載ってるくらいの文法では、まったく歯が立ちません。
あまりにも前衛的すぎて、何を書いてるのかサッパリわかりませんでした。
作者はさぞかしおかしい人なんだろうと思ったのですが、実は健康そのもの。
ごくふつうの顔立ちで、夫がいて、漢方薬に詳しく、食生活に気をつけて、毎日ジョギングしてるとか。
へ、へえ~……? さすが中国ですね!
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