第13話 オートバイ――峰不二子を鞭打ちたい。

「オートバイ」(白水社世界の文学)

アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ (著), 生田耕作 (著)

白水社 (1979/4/1)



イカす女が、ハーレー・ダビッドソンに乗って、ぶぃーんと走ってるんです。

で、レーサー服の下はパンツはいてるだけなんです。


「ルパン三世」峰不二子のようなスタイルです。


作者は何を書きたいのか?

まず間違いなく「峰不二子がオートバイに乗ってる姿の官能性」ですわな。


「女……オートバイ……疾走……イイ!」ってことです。

それ以外、何も書かれていません。


幻想文学ジャンルは「異端・退廃」も含むためか、こういう

「文学、文学っていうけど、おまえのフェチを書いただけじゃねえか」

という作品がゴロゴロ混じってます。



終盤では、不二子ちゃんが薔薇の花で鞭打たれます。


~引用~

やがて、ダニエル(主人公レベッカの愛人)はテーブルの上から薔薇の花を取り上げると、それをレベッカの足もとに、いや、もっと正確に言えば太腿のわかれめの前方、両足のあいだに並べた。それを一つの束につかねて握ると、つぎに彼はその束を使って愛人の裸体を折檻しだすのだった。太腿の皮膚を、さらに脇腹や、乳房の下や、すんなりした腹の皮膚を、刺で、いくらか引き裂きながら。ティローズの花びらが憩いの床の上に降りそそぎ、いっぽう殴打は、それとも愛撫は、さらにくだって足先までも引っかきむしるのだった。



作者「ふふ……どうです、読者様? 私の描写にご満足頂けましたかな?」なんて声が聞こえてくるようです。



今気づいたんですけど、なぜ峰不二子がハーレー・ダビッドソンに乗ってるかといったら、これが元ネタなんじゃないでしょうか。


「オートバイ」は「あの胸にもういちど」というタイトルで映画化されています。

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