第3章 魔本家への召喚62 桃沢家の危機3
「亜羽ちゃん、本気なの?」心労でソファで休んでいた礼子も起き上がった。
「本当よ。前から考えていたことなの。今回の件でますますそう思うようになったわ」
「に、人間と結婚することなんてできるんですか?」
「出来るわ。だって紫生ちゃんの祖先の桃太郎様だって人間と結婚したじゃない」
「そういえばそうですね」
「お母さんも桃李もこればかりは反対しないでちょうだい」
亜羽ほどの美人であれば結婚したいという男は五万といるはずだから相手には困らないだろう。しかし突然のことだけに礼子の戸惑いはかなりのものだったが、この時ばかりは強行に反対もできず、亜羽の意思を尊重する態度を見せた。
人間と結婚した場合、相手にはこちらが魔族だと伝えるのだろうか?
そういえば玄世様の両親てどんな人だろう。伯父であるオハラと従妹の紅亜しか見たことがない。その辺の事情は紫生にはわからないのでこれもそのうち桃李に聞いてみようと思った。
それにしても玄世が桃沢家の人たちの振る舞いにそんなに気分を害していたとは気づかなかった。いずれにせよ、自分の投稿内容が魔族の連中に読まれることが分かった以上、玄世に対して桃沢家が気分を害していることや、亜羽が人間と結婚するつもりであることや、眠りの時が近いことなどはさすがに書けない。
その辺は上手く省いて投稿することにした。
***
『MAZOKU Journal #11
魔族の噂話は衝撃波のように早く伝わる。しかも衝撃が跳ね返って来た時には倍の大きさになっているから質が悪い。
桃沢家が玄世様に取り入ろうとしたり金品をねだったりしたことは断じてない』
***
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