第8話

「え?でたって何が?」

「ステータス!見える?空中に浮かんで見えるけど」


『ステータス』と唱え、ステータスが出たことに驚く桜花


「いや、俺からは全く見えないな。他者からは見えない仕様になっているのか?

取り敢えず俺も『ステータス』!

お、本当に出てきた!えーと、なになに?

名前欄はいいとして、魔法欄は、」


火魔法 Lv1

水魔法Lv2

風魔法Lv1


「ほうほう、水魔法はLv2か。最大Lvがどこまであるか分からんが、Lvの上がる基準はあれか?使用した頻度によるのか?熟練度みたいな感じか。桜花はどうだった?」


「うん私は、えーと、

火魔法Lv2

水魔法Lv2

土魔法Lv1

だよ」


「なるほどな。桜花は家事をやってくれるからその分魔法のレベルも上がっているのか、しかし、土魔法か...どんな魔法なんだ?」


「土魔法は土を操って壁とかにできるみたい

う〜ん、えい!───出来た、土の壁!まだまだちっちゃいけどね使い道はありそうだね」


「水に強そうだな。明らかに土を凝縮しているし...囲いやら、家の補強に良さそうだな。」


(てか桜花なんで魔法知らないのに性能が把握出来たんだ?そういえばとか言ってたな、いじくりまわすか)


「んー、お?魔法の属性に関しての説明が記載されてる。なるほどこれか、桜花はこれを見たわけか」


「そうだよ!いや〜でも、なんか二人でセットって感じだよね!魔法の組み合わせから、お互いに出来ないことを補い合うしさ!」


「んなニッコニコしなくて言わなくても...まぁそのよろしくでいいのかな?ぱ、パートナーとして」


駿は照れくさそうに桜花へ言い放つ


「で、」

「で?」

「デレた!初めて見た、駿君のデレ!!」

「デレとらんわ!あと、そんな子どもが新しいオモチャ買って貰えるような顔をするな!」

「え〜?でも顔真っ赤だよ?」


詰め寄られ慌て出す駿は桜花によってみるみる顔が赤くなり数分間、桜花にからかわれた




「はぁー、屈辱だった」

「ふふ、可愛かったなぁさっきの駿君。また今度も見せてね」

「みせねぇわ!てか、忘れてくれ..頼むから!!」

「どうしよっかな〜?考えとくね!」

「すぐに忘れてください」


先程のことを話し合いながら自分たちの家(小屋)へと帰宅の途につく駿と桜花


「なんかいちいち森に入って木の実採りに行くのめんどくさいねぇ。庭で育てちゃう?なんて」

「何年掛かるんだ、木になるまで」


しょうもないことを話し合っていると、草むらからガサガサと音が聞こえてくる


「あー、なんだろデジャブ?前もこんなことがあったような」

「奇遇だね駿君!私も全く同じことを思ってたよ」

「「あははは」」


現実からとうとう目を背けだした二人だが草むらにいる影は待ってくれない


「きゅ?」


「「は?」」


「何この子!?きゃわいい!駿君持って帰ろう!お持ち帰りだぁ!」


「え?何いってんの?こんなんでもたぶんモンスター?獣?だよ」


現れたのは2本の角が生えたウサギであった

容姿はとても愛くるしい


「あれ?大体こういうのってアレな展開が来るよね」

駿がポツリと呟くと桜花から悲鳴が聞こえる


「痛ーーい!痛いよ駿君!この子にかじられた〜」

「うんあるあるだな。愛くるしい見た目だが性格は獰猛なモンスター。特にウサギ系」

「冷静に今のことを分析しないでよ!」


1人納得していると桜花からお怒りの言葉をいただいた


「すまん、ほんとにこういう生き物がいるんだと感動した。く、不覚ッ!」

「ノリノリだね、駿君。じゃなくて助けてよ!ひとりで遊んでないで!!」

「遊ぶとは失礼な。今助けようとしていたところだ」

(あ、いいこと思いついた)

「なあ、そいつ夕飯にできるんじゃないか?」


「へぁ?こんな可愛い子を食べるの?」

「いやその可愛いウサギに食べられてる桜花さんが言います?」

「やだ!食べたくない!」

「なんでそこで駄々っ子になるんだよ!めんどくせぇな」

「あっ、駿君が酷いこと言ってくる」

「うわっガチでめんどくせぇ」

「びえーん、駿君が、しゅんくんがー」

「はぁ埒が明かん、ごめん、今助けるから待ってろ」

(ここで助けた風を装ってウザギを仕留めるチャンス)


「ほんと?どさくさに紛れてウサギ殺さない?」

「....シナイヨ?アンシンシテ?」

「なんで棒読みなの?」

(こっちこそなんでだわ!心読んでくんなや)

「大丈夫、ウサギも安全を優先するから」

「うんありがと」


(ククク計画通り、俺は絶対とは言っていない、と言ったのだから大人しくさせようとしたらうっかり手を滑らせ、たまたま武器がウサギに刺さっちゃったというテイでいける!)


「今助けるぞ!」


駿はウサギと共にいる桜花の元へ足を向け駆けて行った

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