第6話 拓郎
47才のおじさんが恋をするという事は心臓に負担がでかすぎる。
恋をしているおじさんの気持ちは毎日がジェットコースターである。
みうからメッセージの返信が無いと落ち込む。
みうは普段、とある松本のホテルのフロントで働いているらしい。
そして2ケ月に2、3度ほど長野市のメンズエステでアルバイトしている時に俺と出会った。
みうからメッセージが返ってきた時はガッツポーズをしたくなるほど嬉しかった。
しかしみうは来年の1月にはアメリカへ行くという。
当然みうとはその1月でサヨナラだ。
1月以降みうを抱けないと思うと俺は涙がでた。
この恋には終わりがくる。それは最初からわかっていた事。
しかし俺は自分の部屋にこもりYouTubeで恋歌をイヤホンで聴きながら毎晩泣いている。
47才の妻も子もいる、この俺が、だ。
人生とは局所的に見れば悲劇であるが
大局的に見れば喜劇である。
真夏に始まった俺の一方的な恋も、あと1ケ月で終わる。
それは良い事なのか?
悪い事なのか?
俺はYouTubeの最後に吉田拓郎の「人生を語らず」をかけた。
あの人のための自分などと言わず
あの人のために去り行く事だ
空を飛ぶことよりも地を這うために
口を閉ざすんだ、臆病者として
拓郎は歌っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます