碧眼の写す先に……
第41話 開幕!ぬこぬこ激談義
haru:これどうかな
小松菜:やばい今年一番耳にぶわぁってきたかも
haru:これはねー自分でも気に入ってるね。あと一個先輩と一緒に作ってる
小松菜:モチベがすごいっすね
haru:もうすぐ決戦だからね……君来ないけど
小松菜:ほんとごめん。急にいけなくなっちゃって
haru:無理になったのはしゃーないから、わたしゃ寂しく行ってきますわ
小松菜:ごめんてw なんか埋め合わせするよ
haru:ふーんだ。
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あわただしく人が入り乱れる中、はぁとため息をついて画面を見つめる
「会いたかったな……」
「すみませーん。ここの点なんですけど――――
「はい。今行きます」
私の独り言は騒がしい作業音にかき消されるのだった。
5月6日(土) ――曇りのち晴れ――
とうとうやってきた。わが人生初の大型イベントかつぼっちイベント……財布には今まで持ったことのない額を詰め込んで、なにがあっても臨戦態勢をとれるようにリュックサックの中にはいろんなものを詰め込んだ。
会場は東京、ライトリードーム。大小さまざまなブースが集まった大型施設で、収容可能人数は10万に達する。今日のぬこぬこ激談義では、ボカロの最前線を行くボカロPの人やうたみた動画を上げる歌い手さん。Vtuberの方に声優さんなど俺たちお部屋の中族からすれば人間国宝級の方々が数多く出演する年に一度のお祭り騒ぎである。今日はこの祭典を全力で楽しむという目的のほかに、あるイベントに参加するという使命、いや念願の夢を叶えるためにやってきた。
「まあ、そのためにも圭さんには来てほしかったんだけどなぁ……」
いずれにせよこのイベントは俺だけでは絶対に成功しないので、会場でなんとかパートナーを見つける必要があるのだが……
「今はただ、この場を楽しむのみ」
会場の最寄り駅に到着すると、もはやそこから夢は始まっていた。弾幕isパワーな娘やピーナッツが好きな子、ちいさくて可愛いあいつなど、ジャンルは幅広くコスプレをしている人がおり、事実俺もちゃっかりケロ帽なるものをかぶって参加しているわけなのだが、現実で同じものをここまで好きを体現している人たちを見たことがないために興奮が収まらない。
「すみませーん。写真一緒にいいですか?」
「はい!是非お願いします!」
駅にて早々魔法少女のコスプレをした若い女子たちと写真を撮る。あんまり俺の守備範囲は広くないから、詳しくは作品とかは分からないけど、んなもんここじゃ関係ない!アニメが好き、ゲームが好き、ぬこぬこが好き、それでいいのだ。
「とうとう会場の前まで来ちゃったよ……うわぁ動悸が収まらねぇぜ……」
これから、夢の祭典が始まるんだ。あわよくば歌い手さんやボカロPさんと写真撮るんだ!という決意がみなぎった。
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個人的にここから第二章みたいな感じです
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