第36話 私はぼっち。所詮そこらのモブなんです
あのあと、俺は金もなく、圭さんのおごりで遊び続けるというのもあれなので、後日お金を返すという事で解散となった。
あお!:今日はありがとう!上手くいって良かったね!
haru :ほんとだよ!嬉しすぎて学校の先輩たちにも報告しちゃった
あお!:私も早くバンド組みたいなー。お互い頑張ろ!
ふぃー。今日は怒涛の一日だった……それにしてもあと2、3日で休みも明けちゃうのかと思うと、なかなかに物寂しい気持ちになるな。
「よっしゃ、精一杯だらだらしてやるぞー!」
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時の流れとは、実に残酷なものである。もう、もう!休日終わったんですが。
え?さっきまで2日3日あたりの回想してなかった?文章にして約5行もいかぬくらいで終わったんですけどもこんなのどうかしてるよ!!
なんてほざいていても、この部屋には俺しかいないために、そそくさと朝ごはんの準備をしつつ着替えていく。今日の朝は梅おにぎり。現実をかみしめるために口の中を酸っぱくしたくなったのだ。
朝の登校は至ってシンプル。約10分ほどの通学路を、鼻歌ふんふん歌いながら歩くだけ。みんなが仲良くおしゃべりしながら登校しているのを傍目に、俺は無言でただただ歩く。
前にも言ったかもしれないけど、圭さんを賭けて戦ったあの勝負に必死で、クラスメイトの顔はいまだによく覚えていないし、みんなあの先輩の方を応援していたから今更話すのは何というか気まずい雰囲気が流れてしまうのだ。そんななか俺から頑張って話しかけようとしたことはあるが、なんか申し訳なさそうな顔をしてそそくさと去って行ってしまう。
俺の場所、ねーのだ。
校内の隅っこの空き教室だけが当初から俺を受け入れてくれている。静かだし少し暗いし、結構気に入ってたりもする。
そんな俺がどれだけ学校に行く日を嫌かがわかるだろうか。仲が悪いとかだったら割り切れるのに、気まずいって……。
教室の戸をがらがらと開ける。初夏という事もあって、エアコンが付いており、教室に入るときに密室をわざわざ開かなければいけないため、若干緊張が走る。戸を開けて見えた景色は、一瞬こちらを向くクラスメイト達。彼らはまた元あった方に視線を戻す。
「ま、これももう馴染んできちゃったな」
俺は席について、バレないよう本と文房具で城壁を築いてからスマホで小説を漁り見る。幸いにも一番後ろの席なので、授業中でもバレない仕組みになっている。これは俺が中学三年間をかけて研究に研究を重ねた方法であるため、割と自信がある。
「ちょっと、美空さん」
と、思っていたのだが……
「学校内でスマートフォンの私的利用、普段使いは校則で禁止されているわ。速やかにそれを中断して反省文を書くか、生徒指導室に直行か、選びなさい」
学級委員長……名前なんだったっけ……えーっと、あれ?うーん
「
「うぐ……だってなんか、話しかけるの緊張するし」
「そう。ま、これから行事もあるから、焦る必要はないんじゃない?はい、これ反省文の紙」
クラスでようやくまともに話したと思ったら……原稿用紙二枚に目いっぱい反省文を書かされる羽目になった。
「明日からは自分で書いてやる……」
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遥のクラスへの馴染みも徐々に書いていきたい
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