第5話 渋谷48号くん。

元 0、8秒と衝撃。レーベルの

actwise吉田さんと私塔山忠臣は。



クズ野郎だ



一度持ってた、いや探せば今まだ持ってるであろう

中古CDを。無くしたと自分を勘違いさせてまで

どうせ安値だからと


また買いなおし聴きまくる病気。 


手近な小銭よりも、



その盤への

思い出



金銭的には

滅びの美学。



0、8秒と衝撃。って、実はきちんとしたマスター音源が。

XTCぐらいに管理不明で。

(xtcはマスターテープが錆びてたらしい)


素人運営、テンションで、

生きてきた手前。


あなたが今、持っているハチゲキ音源の

元サウンドデータって


僕も持っていません。

(なので再現不可能、あなたが手放したらSOREMADE DEATH)


管理があまりゆき届いていなくって。。。

廃盤したら終わりだから



あなたが手元で

後世に残してね。。。♡



フレーズひとつ僕が呼び起こすことが

出来ない状態


だけど、別にええねん。



消え去る時には、サラリと

消え去るのみ



サブスクを考えた幼稚な方には

理解出来ないでしょうが


『データを一度取り込んだだけなので美品です』的、

小銭稼ぎの方々へ


バンド的には聴いてくれるために買ってくれたんだろうなぁという感謝の気持ちしかナイしSDGs的に


そのほうが正しいのかもやけど



〝正しい〟って


だいたい

おもんないやん。




ひとりの人間としては、


なんか寂しいね

そういう効率的な感覚って。


確かに。

芸術まで行けてない創り手のヤツが悪いよ!!!

それは簡単に言えるだろし、

その権利はあるな〜、金払ったし。そだね〜、

良かろう。



日本人て効率を求めるのが上手い。


わりかし

勤勉だしね。




ただ効率って。



その物事が元々持っていたソウルを


消し去ってしまう時が、

あるねん。


効率求めるから

日本の曲って同じ作りなのが

多いでしょ


僕はジャケのアートワークを飾りたいだけのために

LPを買っちゃったり、先にのべたように

真逆のあほ人間だ



意味よりも、パッション選んじゃう



我ら

生き物なんだし





効率悪いでしょうな、

インフルエンサー等の方々から見たら

コスパ悪っ! コスパが悪い!!!

死ぬまでには怖いぞ〜、お金かかるぞ〜、

老後は2000万円必要

我々の言うこと聞いといたほうが

イイぞぉおお〜

良くないものでも売れてるものには意味がある。

良くない人間でも稼いでる人が最強。



僕には無い感性なのだ。くたばってください、ありがとう

愛してる



人生って。

社会的に前へ進み出してみないと、

正解へは辿り着けない???


いやいや、、、そんな世間体よりも


あなた自身が考え

歩み出すことこそ、が大切だろ?

自分で気がついて。



世界で活躍のすげー有名人はそりゃ、

褒め称えよう。別に嫌いじゃないし。

周りも褒めてるからな



でもそんな偉人よりも、(大丈夫、そいつらはほっといても活躍する。)

明日のアンタ(僕)の人生やろ。



目を覚ませ



お疲れさまです

0、8秒と衝撃。の塔山忠臣

と申します、くずです。くずくずです。



今から意味不明の

極悪非道な話を書きます

分からなくても良いです。ただ。


自分の人生を何とか今。

『生きたい』とか『生きてる!』というあなたは。



なにか感じるものがあるカモなので。ぜひ、

見て帰って下さいな。 Kiss.





僕は都内で警備員としてアルバイトをしていた時期がある。東京に来たばかりだった。そこには日本国内でも有名なクレジットカード会社が入っており、たくさんの人々の人生の、、、


〝借金〟という名の

しがらみが集まる場所であった。


その会社が持っている自社ビルの1階に

僕が通っていた警備室があった。


警備室での仕事。人間模様。


T田さんという先輩がいた。年老いた先輩で昔は外資系のスーパーマーケットで店長までいったという方。外資系ということもあり、経営者の白人社長さんから娘さんである外国人美人を嫁にどうかと、までいったスケコマシである。この方は浪費家で毎日のランチにコンビニで

2000円ほど使っていた強者。泊まりの警備業という手前、毎朝1日2日おきに

ロッカールームで着替えながら、誰かと顔をあわせるのだけれど


今から泊まる僕とバトンタッチしたT田さんが笑顔で『お疲れ様でした』と入れ違ったあと


その2時間後に、まだこのバイトに入って間もない僕あてに

警備室の電話が鳴った


出るとT田さんで。


〝 塔山忠臣くん悪いんだけど、保証人になってはくれないだろうか? 〟


という上京したての僕にとってあまりにアバンギャルドな申し出があった。

すげぇ、東京!!!と思ったのを憶えている


その時のT田さんは

電話口であきらかに誰かに言わされている感があった

言うなれば拳銃をコメカミにあてられてるような。


僕は極力明るい声で、


『がんばって下さい!!!!!』とだけ言いました。


もちろんその()には



〝 なんとか生きて帰ってきて下さい。 〟の 愛を



こめながら。



Y井さんという方も印象的だったな。この方はア⚪︎ウェイ的なネズミコー最高!

ガンバロー!なことが好きな方で。

最終的には株取引にひっかかり、いつしか急に姿をくらましてしまった。

警備業務にはうるさい方で、

同僚の警備員の髭が少しでものびていたり、服装の乱れをいち早く指摘して

周りからは嫌われる雰囲気もありながら、凛としていたサムライだった


ある日。

口調は丁寧だが掘り下げると、明らかにヤクザ風な方から

警備室にしょっちゅう、電話が来るようになっていた。


確かに。最近、Y井さん顔を見ないなぁと僕は思っていたのだが、


身近な上司に聞くと

なんでも急に行方をくらまし、蒸発してしまったらしい


警備室から奥様に問い合わせると

『あの人とはもう、なんの関係もありません』の一言


毎日電話のヤクザ屋さんは

Y井さんの身柄をおさえようと

やっきになって問い合わせして来ていた。上階ではクレジット会社に。

警備室ではヤクザ屋さんに。



誰かが必ず、責められていた



僕はそれ以来、



Y井さんとは会っていない




自分に言い訳をいい続けるT山さんもいた。


自称司法試験を挑戦中なんだけど。

そのじつ、勉強なんてほぼほぼしておらず。毎日、警備室で休憩中に

テレビに映る芸能ニュースやら、スポーツニュースに

物申していた。


あとは、不倫することにより。逆に、

家族への愛を確かめられるんだという、K松さん。

夜勤警備中に必ず浴びるように飲酒する、アル中の

M川さん。


僕は色んな大人の価値観を

見ていた


ある朝、




色んな方々の刹那が集まる、このビルに。


新しい人が配属されてきた。



色々な人間を見てきた自分から見た時、


なぜかそれは

刑務所の初収監シーンに

似ていた。



彼。は元々は僕と同じくバイトの警備員だったのが

最近になって施設員としてビルのメンテナンス部門に異動に

なったのだという。


彼。はとても気の優しそうな青年で、あまり喋らず



当時の私よりは年上なものの

周りの警備員のような年齢でもなく、



とにかく寡黙で

物静か、話しやすい人間だった。



彼。が働き出してからしばらくは


ニコっと笑顔や、会釈を

かわすだけの関係だった


それでも同じ日に泊まる日もあり、

少しずつ話すようになっていた。


年寄りの多い警備室で自分より歳下の僕が珍しかったのか

彼。も僕に心を開いてくれた


我々の警備室にはビルの施設を管理する作業員も常駐していて、

同じ部屋ということもあり


身近に接する人間として


一緒に泊まる日などは

色々と生活を共にするのだ。



そんなモノクロで、平坦な日々が続く中

しばらくして身近な上司が、血相変えて

警備室に飛び込んで来た。


その日は上司と僕でふたりきり



その話は新しくきた彼。についてだった



上司曰く、



『あいつ犯罪者らしいよ〜』との一報だった。



そこから上司は僕に

いかに新しく来た奴が、ヤバいか

を伝えようとしていたが。



なぜか僕にはその時の記憶に遠くリヴァーブがかかったようで

あまり、おぼえてはいない。


それよりも、その次の日にある

彼。との泊まりが



記憶に鮮明に

残っている。



防犯カメラのモニター画面の灯りしかない、

薄暗い、警備室の中で彼。は言った


彼。は

前の職場で凄惨なパワハラにあっており

毎日なんのために今、この生活を続けているのかもわからないぐらいに

疲弊してしまっていたという。


そんな彼。にとって

地獄のような


生きてるのか、メシ喰ってるのか、死んでるのか、

わからない生活の中で




彼。はある日、



職場の帰り道に。



我を。失ったと言う



酒を飲んだのだろうか、

いや

それにしては彼。は




普段からそんなに飲まない






高級ブランド店の


粉々に割れたガラス


ショーウィンドウに映る自分の姿は、



トランクスだけで全身半裸。



靴すら、紛失し

片方だけはいている靴下がむしろ不自然に感じる



何処で手にしたのか、



片手にサビた

消火器を握りしめて



多分。。。自分が破壊したであろう

有名ブランドのショーウインドウの店先で。



ふらり、ふらりと彼。は



そこに立っていた。



自分でも理解が出来ない、






なぜか

涙を流していた。



そこでふと、我に帰った。という




その数時間前までスーツを着て、

真面目に、



職場で働いていた彼。




気がつけば警察の留置所におり、



彼。には

新しい名前が付いていた



『 渋谷48号 』



なんでも警察やらでは、番号で呼ばれるらしい




高級ブティックの割れた

ガラスの破片で傷を負ったのか、流血した手でそのまま口元を拭ったために

彼の唇はまるで真っ赤な口紅を塗ったみたいだったという



ブランド品には一切触れずに

そこに、立っていた



ファイトクラブという映画のラスト。

世界中の金融のデータが入ったビルが破壊され、人々がまず

金銭的な支配から解放される



クレジットカード会社を守るために作られた




あの。ちっぽけな警備室で見ていた




色々な、大人の選択した。  生き方







彼の話を聞いているうちに


これは人ごとではないぞ、まるで自分と無関係な世捨て人の話だ。



なぜか僕には、そう簡単には思えなかった。


むしろ誰にでも、彼になり得る確率が人生にはずっと寄り添っている。



僕はその時、そんなふうに思ってしまった



その昔、渋谷48号という曲を書いた。



それは彼。



48号のとなりで




渋谷47号として、



留置所で座って。



冷たい天井を見つめている自分を

想像したからだ。




彼と夜中の警備室で話していたあのひとときは、

いまでも心の奥底にある、


こんなことは忘れてしまっても良いのだとも思う


生きる苦しみを隠せ、の反対にある

大切な捨てられる。なにか、のような気もする。


いや

わからない


いらないもの


たぶんこれは世の中のほとんどの人が理解出来ない、言葉だけでは説明出来ない

流れていってしまうような感覚。



すべて金だけでは支配出来ない

人間の尊厳としての価値を

奪われ、起こったことなのかも



ただの弱い人がおこした犯罪なだけかも



あの時ふたりが出会い、話していた夜は



そうして

明けて行った。




しばらくして僕も音楽を始めて


その警備バイトも辞め。

スタジオやらレーベルやら、ライブハウスやらを

渡り歩いていた。そんな時のある午後



僕は電車の中にいて



その車窓からは大都会の雑踏が見えた。

あの人々の借金が集まるビルのある

駅だった



人混みの増す横断歩道、

絶えず光り続ける広告だらけの街。



今にも変わりそうなチカチカした信号、

その青。黄色。。の終わりぎわに



ひとりのお父さんが横断歩道で



ちびっ子の手を優しく

ひっぱっていた。




奥さんらしき女性が

近くで寄り添っていた。




彼。

だった




渋谷48号は




ひとりの名前のある人間に戻っていた。



素敵な時間を

過ごしていた




僕は早く帰って



良い曲を

書こうとおもった









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