どこに行ったの?

人気になりたいとりちゃん

昔の親友が敵スパイ

次のターゲットはこいつか、クリステル、ね?面白そうじゃねえか!こいつも次の任務に挑戦するのか、ターゲットは、

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「次はこいつを確保する」

クリステルは配られた資料に目を通す。ターゲットには、見慣れた顔がの写真が貼ってあった。

「まさか、!」

クリステルは思わず声を出してしまう。

「どうした?」

「いえ、なんでもありません」

クリステルは口ごもる。なぜなら写真に写っていたのは、仲のいい親友のシーナだったからだ。

「こいつとは顔見知りか?」

「…いえ、初めて見る顔です」

クリステルは焦って誤魔化した。

「そうか、それならいい」

クリステルはほっと胸を撫で下ろす。

しかし、何度見ても写真に写っていたのは紛れもなくシーナだった。

(……なんで、シーナが)

クリステルは疑問に思う。

「この人は、何かしたんですか?犯罪者ですか?」

「?こいつは敵国のスパイで数多くの同法を殺害してきた犯罪者だ。資料に書いてあるはずだ」

そう言われ、クリステルは資料に目を走らせる。確かに書いてあった。

「だが、もう観念しているようだから、ずいぶんの実力者だが、お前らの敵ではない。何か質問はあるか?」

「ないよ〜」「ない」

「大丈夫ですわ」

「……ありません」

4人は答えた。

クリステルはもう一度資料に目を通す。

「任務実行は明日だ。各自準備しておけ」

「「了解」」

クリステルは会議室を退室する。

「シーナ……なんで……」

(無事でいて……!)

クリステルは親友の無事を祈りながら部屋に戻った。クリステルある案を思いついた。

(私が、シーナを救い出せばいい。そうすれば、)

そう考えたクリステルは、シーナ救出作戦を練った。

(任務は明日。今日の夜にシーナを助け出す!)

そう決心し鞄を持って部屋を出た。

「あら、クリステルさん。どこに行くのですか?」

シェシカに声をかけられる。

「あ、少し散歩に」

「そうですか。遅くならないように気をつけてください」

「はい、ありがとうございます」

クリステルは笑顔で返す。

クリステルが向かったのは、資料に書いてあった住所だった。

「ここか」

クリステルは呟く。

(待ってなさい、シーナ)

クリステルは変装しながらチャイムを押す

「こんにちは、シーナさんですか?」

「あ、はい、そうですけど……」

「シーナさん、少しお話がありますので、ついて来てもらえませんか?ここは危険です」

「え?でも……」

シーナは少し怯えた様子でクリステルを見る。

(私がいなくなった事で1番最初に探されるのはここ、だから近くの公園にでも誘導する)

「お願いします、シーナさん。1秒でいいので」

懇願するように言う。すると、 シーナは少し困ったような顔をしながら、クリステルを見てきた。

(ごめん、シーナ)

心の中で謝りながら、 鞄からスタンガンを取り出してシーナに当てた。

気絶したシーナを抱えて、人気のないところに行く。

そこで、変装していたコートなどを脱いだ。

そして、シーナををベンチに座らせる。

(ごめんね、シーナ)

クリステルは罪悪感に潰されそうになるが、親友のためにと思い涙を堪えた。

(待ってて、シーナ。必ず助けるから)

そう決心してシーナに気付薬を飲ませた。

すると、シーナはゆっくりと目を覚ました。

「あ、あれ?クリステル?ここは……」

シーナは辺りをキョロキョロと見回す。

クリステルは罪悪感で目を逸らしてしまう。シーナは少し不安そうに尋ねてきた。

クリステルは覚悟を決めて、質問に答える。

「ここは公園。全ては話す、シーナ」

そして、全てを話した。

シーナが敵国のスパイで、追われていること。そして、シーナを助けるために、ここに連れてきた事。

シーナと、ずっと一緒にいたかったことを。

全てを聞いたシーナは、なぜか笑っていた。

「ふふっ」

クリステルは驚いた顔をしながら、シーナに尋ねた。

「なんで笑ってるの?」

すると、シーナは答えた。

「いや〜なんか嬉しくてさ。そんな事があったんだね」

笑いながら言ってくるが、少し辛そうに見えるのをクリステルは見逃さなかった。

(辛いよね!きっと……)

「シーナ、一緒に逃げよ?」

クリステルは提案する。

「うん、逃げたい!でも…どうやって?」

シーナは不安そうに聞いてきた。

「安心してよ!私、人を欺くのは得意なんだよ?変装もね!」

「でも、なんで私を助けてくれたの?私なんて足手まといなのに」

「そんなの決まってるよ!」

クリステルは満面の笑顔で言った。

「親友だから!それ以外に理由はないよ」

「……ありがとう、クリステル!」

シーナは泣きながら抱きついてきた。「じゃあ行こっか!」

2人は立ち上がり、歩き出す瞬間、1秒ずれればクリステルに銃弾が当たる位置に弾が撃ち込まれる。

「「!?」」

(バレた!?この武器、リロロ?あれほどの狙撃手が外すわけない、わざと外した?でもなんで?)

クリステルは思考を巡らせる。しかし、その答えが出る前に声が聞こえた。

「発見。裏切り者さん、こんにちは」

クリステルは声がした方に視線を向ける。そこにはアーサーだった。

「アーサー……」

「ボスからの命令で君は殺しちゃダメだって。まあ僕は君を殺せないけどさ。」

「シーナ、逃げて!」

「クリステル!?」

「いいから!私がこいつの相手するから!」

クリステルは咄嗟に言葉を出す。

「こいつなんて酷いなぁ、アーサーだよ?」

「早く!」

クリステルはシーナに叫ぶ。シーナは逃げるように走り出す。

「あ〜あ逃げちゃったでも僕の命令は君の足止め。」

「っ!」

「今更気づいても遅いよ?忘れちゃったのかも知らないけどこのチームは裏切り者さんも含めて4人ボスも含めたら5人。1人だけ足止めじゃあ勝てないよ?」

「やってみなきゃわかんないでしょ!」

クリステルは戦闘態勢に入る。

「はぁ、コレだからこの役目は嫌だったのに、」

続いてアーサーも戦闘体制に入った。

「僕、君に一度も勝てた事無いんだよね〜だから僕に勝ち目ないんだよ。ボスって酷いよね、君だから大丈夫だろうけど殺されるかもしれないのに足止めしろなんて」

「うるさい!」

クリステルはアーサーに突っ込んで行った。

(クソ、会話で足止めも無理かよ)

アーサーは内心悪態をつきながら銃で攻撃する。

クリステルは銃弾をナイフで弾き、ナイフごとアーサー飛ばした。

「うわっ、ナイフ飛ばすなんて酷いじゃん、」

アーサーはナイフをギリギリのところで回避した

「ごめんねアーサー。」

クリステルはアーサーの背後に回り込み、スタンガンを当てた。

アーサーは気絶する。

クリステルは急いでシーナを追うが、もうすでにリロロによって殺されていた。

クリステルは絶望する。

親友を救えなかったことを悔やむ。

(シーナ、シーナごめんね。私が弱かったから……)

クリステルは涙を流した。

「ねえクリス。その子そんなに大事?」

リロロが話しかけてきた。クリステルは涙を袖で拭いて睨みつける。

「うるさい!」

クリステルはナイフを投げる。

しかし、リロロはそれを避ける。

「その様子。私達より、同胞より、この国の市民より大事なんだ。」

「黙れ!」

クリステルはリロロに向かってナイフを何本も投げる。しかし、全て避けられてしまう。

「……ねえクリス。私の事嫌い?殺したい?なら、殺せばいいよ?」

リロロは悲しそうにクリステルに言う。

「なんで?なんでそんな事を言うの?」

「私はね、この国の市民なんてどうでもいい。1番はクリス。クリスが居るからここまで頑張れた。クリスが居ないならもう生きてる意味なんて無いから。だから、殺して?」

「っ!」

クリステルはリロロが本気で言っていることに気づいた。

「ねえクリス。私の事、殺して?」

「そんなの出来るわけない!」

リロロは悲しそうな顔で、

「そっか……」

そう言い残して何処かに行ってしまった。

クリステルは悲しく、絶望した。

もうに大切な人は居ない。

その事実が脳にくっついて離れなかった。

「遅れてすまないな。…リロロは?どこ行った?」

このチームのボス、グレンがいた。

「知らない、」

「そうか。まあとりあえずお前を捕獲する。」

「殺す、んですか?」

「そんな事はしない。お前は強い。」

グレンは淡々と答える。

「お前は俺に勝てない。わかって居るだろ?無駄な血は流したくない。同行してくれ。」

「……」

クリステルは無言で銃を構えた。

「…そうか。」

グレンも銃を構えた。

クリステルが戦闘体制に入った瞬間すでにクリステルの意識は無かった。

「すまんな、少し眠っててくれ」

グレンはクリステルに布を被せて屋敷に帰った。

「…終わったな。」

「すみません、何がありましたの、?皆さん居ないようですけど。」

グレンの部屋にシャシカが入ってきた。

グレンはクリステルが被っている布を捲る。そこには気絶しているクリステルがいた。

「クリステルが敵国のスパイを連れて逃亡しようとしていた。」

「クリステルさんが、?そんなはず、!」

「事実だ。」

シャシカは驚きで何も言えなかった。

「クリステルさんを、どうするのですか、?」

シャシカは不安そうに聞く。

数秒間沈黙が続き、グレンは口を開く。

「殺さない。クリステルがいなければこのチームのトップ2がいなくなるからな。」

グレンはクリステルをベッドに寝かせて、布団を被せた。

クリステルが目を開けると、見慣れた天井が広がっていた。

(ここは……)

クリステルは部屋を見渡すと、机の上に手紙が置いてあることに気づいた。

(これは、手紙?)

クリステルは机に近づき、手紙を取る。

クリステルは手紙を見た。そこには、シャシカの文字でこう書いてあった。

『クリステルさんへ おはようございます。体調はいかがですか?冷凍庫にクリステルさんが大好きな冷凍みかんが入っています。是非食べてください。』

(シャシカ……)

クリステルは手紙を見つめ、涙を流した。

クリステルが手紙を読み終わるのと同時に扉が開いた。そこには、グレンの姿があった。

「起きたようだな」

「はい。」

「体調はどうだ?」

グレンが聞いてくる。クリステルは笑顔で答えた。

「もう大丈夫です」

「……そうか」

グレンはクリステルをまじまじと見る。そして、クリステルに問いかける。

「リロロの事本当に知らないか?なかなか帰ってこなくてな。何か知って居るなら教えてくれ」

クリステルは少し間を開けて、答えた。

「何も知らないです。」

「そうか。ありがとう。」

グレンは何かを決意したように、部屋から出て行った。

(リロロが帰ってこない、?)

クリステルは少し嫌な予感がした。

(私も探すべきなのかな、?居なくなったのは多分私のせいだし、)

「そうだよね、」

クリステルは鞄を持ち、リロロを探しに向かった。


続く?

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