冒険者の装備

この時代の装備の特徴はとにかく、合成樹脂や化学繊維、高度な電子部品が使われていない点です。高度な生産設備を使ってミクロン単位の精度が要求されるようなものはありません。そのような高度な生産設備がなくても作ることができるものばかりとなっています。

完全に文明が崩壊したわけではないので知識は残っているのですが。それを形にする技術がありません。戦災や暴徒の襲撃を免れた高度な生産設備をもった工場は少なくありませんでした。

しかし、生産設備自体のメンテナンス部品の供給や、水、電気、ガスなどの供給は戦災や暴徒の襲撃によって絶たれてしまいました。

サプライチェーンも崩壊してしまい、最終的にはただのオブジェと化しました。



ヘルメット

鉄製。インカムとか小型無線機はないので耳まではカバーしていない。いわゆるフリッツタイプのヘルメット。湾岸戦争時の米軍のヘルメットとか第2次世界大戦のドイツ軍のヘルメットに近い形状。


野戦服

コットンで緑一色。ベトナム戦争時の野戦服が近い。コルクかキルティング加工の膝パッドと肘パットがついているものもある


ボディアーマー

この時代のボディアーマーは弾片防御程度の性能しかなく、小銃弾を防ぐことはできないため、冒険者が使うことは殆どない(町の防衛にあたる民兵は使うことがある)。


タクティカルベスト

MOLLE2システムのような形のコットン製のものがある。ただし、MOLLEシステムは採用されておらずマガジンポーチ、手榴弾ポーチ、水筒入れなどは直接縫い付けられている。重量に耐えるため全体に分厚く、肩の部分は幅を広く取られている。背中は背嚢との間で熱がこもるのを避けるため大きく開いている。


水筒

伝統的な2クォート(2リットル弱)のもの。材質はステンレス


ファーストエイドキット

止血帯や包帯、モルヒネなどが入ったものを全員が携帯している。応急手当の方法は冒険者訓練所で叩き込まれ、現場に出てからも定期的な講習受講が義務づけられている。


無線機

高度集積回路やLSIなどの半導体とか作れなくなっているので、一番小さくて第2次世界大戦のSCR-536くらいの大きさ。この上がSCR-300クラスの大きさになる。さすがに真空管ではなく、トランジスタやダイオードを使っているので性能は昔(第2次大戦当時)よりいい。


M11アサルトライフル

6.8-51弾を使用。 XM7とStG44(AK47)をミックスしたような銃。昔の戦争前に使われていた制式アサルトライフルがもとになっている。高度な加工ができなくなっているので工作精度はStG44(AK47)クラス。

30連弾倉を使用。銃床は合成樹脂が貴重品なので圧縮木材。全長約90センチ。重量約5キロ。単射または三点バーストでの運用が基本。フルオートも可能だがフルオートだと三秒で弾切れとなる。


手榴弾

現用のものと殆ど変わらない。主に使われるのは破片手榴弾(ボール型)と白燐弾(円筒形)。


M423軽機関銃(汎用機関銃)

6.8-51弾を使用 金属を再利用するためMG34やMG42のような非分離式金属製50連弾帯を使用。弾帯同士を結合可能。 重量11.5キロ。全長120センチ。MG34のようなドラムマガジンは使用できないが、弾薬箱を銃の下に固定できるラッチがついており、弾帯を全て結合しておけばXM250みたいに250発弾倉として使える。銃身過熱、ライフリング摩耗防止のため、秒単位の指切り射撃が基本。それでも銃身過熱は起きるのでクイックバレルチェンジシステムを採用しており、銃身交換は工具なしでできる。


M791グレネードランチャー

40ミリグレネードを使用。限定的対装甲能力と対人破片効果のある汎用グレネードを使用する。M79グレネードランチャーの焼き直し。当時不評だった手動排莢は中折れショットガンと同じ機構を使った自動排莢に変更された。汎用グレネードの最小起爆距離は約10メートル。ただしこの距離では破片が射手を傷つける恐れがあり遮蔽物がない場合の安全距離は15メートルとされている。


対戦車ロケット

現代のパンツァーファウスト3のような弾頭が外に出ているタイプの無反動砲。「対戦車」と言っているがこれは単なる昔からの名称。実際には戦車のような重装甲の装甲戦闘車両はごく希にしか運用されていないので対軽装甲車両、対建物、対構造物として使われている。


無反動砲

現代のカールグスタフのような弾頭が砲身内にあるタイプの無反動砲。対軽装甲車両、対建物、対構造物、対人に使用される。


間接射撃火器

60ミリクラスの軽迫撃砲が主流。防壁の中から襲ってくる匪賊を攻撃できるため町の防衛に民兵が使うことが多い。大きな町では防衛用に81ミリや120ミリクラスの迫撃砲を持っているところもあるが弾が高く、気軽に撃てない。切り札扱いされることが多い。


地雷

対戦車地雷と対人地雷がある。

いずれも有線でリモコンに接続して電気的にセーフティーを操作できるようになっている。主な用途は待ち伏せ。

対戦車地雷は戦車などの装甲戦闘車両は殆ど運用されていないため、対戦車ロケットと同様、実際には対車両地雷として使われている。

対人地雷はSマイン型の跳躍地雷。作動すると底面の火薬で1メートルくらい飛び上がり爆発する。爆発すると周囲に300個の鉄球をまき散らす。殺傷半径は約20メートル。

起爆しなかった地雷は戦闘後に再度セーフティーを掛けて、安全に回収できる。セーフティー解除後に何らかの理由でケーブルが切断されると、ケーブルを修理または交換し、リモコンに再接続するまで安全装置は解除されたままとなる。

対人地雷はクレイモアのようにリモコンから起爆信号を送ることができる。

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