第17話 師匠+aのダンジョン攻略

 どもども、横山 心です。前回に引き続き私がナレーションを務めさせていただくのでどうぞよろしく...え?なんで2連続でやっているのかって?

 本来ナレーターは物語が区切りの良いところまで終わったらチェンジしていくシステムなんですが…清歌も継も2話以上やったのに私だけ1話なのは不平等だ!初登場なのに!ってことで清歌にちょっとお高いプリンをあげて今回の区切りがつくとこまで代わってもらいました。やったぜ)b


 というわけで今の状況なんですが、恵と結衣がヒーコラ言いながら頑張って走ってますね。頑張れー


 「はーいおつかれー。ランニングは終わり。数分休憩したらストレッチから筋トレするから。」

 「はぁっ、はぁっ、分かりました...にしてもかなり走ったのに思ったより疲れないですね。今までだったらこれだけ走ったら途中で倒れていたのに。」

 「ですね...ふぅ、やはりこのペンダントのおかげだと思いますわ。」


 結衣が首から垂れているペンダントに目を向ける。これは焔の修行のときにも使った疲れにくくなるペンダントですね。全国の社畜の皆さんに無料で配って欲しい。


 「まあ、それでもきついものはきついんですがね…」

 「今は耐える時ですよ。次第に体力がつくでしょうし。」

 「頑張るしかないですわね。」

 「ですね!」

 「2人とも、水分はちゃんと摂ったー?そろそろストレッチ始めるよー」

 「「分かりました!」」


 2人が怜の方へ走っていく。2人とも、ガンバレ!


 そんな感じで時の山では新入り2人の修行が行われている中、時の山在住の師匠たちは…


 「こんなに集まるのはいつぶりだったかな。みんな、調子はどう?」

 「まあそこそこさ。」

 「ふふん、心月。お姉さんたちに会えなくて寂しかったんじゃないの?」

 「神奈、そんな揶揄うんじゃないよ。」

 「まー久しぶりに会えたんだからさー。ちょっとくらい良いんじゃないのー?」


 ここは霊松工房。初心者から一部の上級者まで様々な冒険者たちが武器を求めてやってくる鍛冶屋だ。というか、2人初登場の人がいるね。とゆうことで自己紹介してくださいな。


 「はいよ、私は鬼崎 守花(きざき しゅか)、海斗の師匠さ。まぁよろしく頼むよ」


 守花さんの見た目は黒いロングヘアーに真っ赤な瞳で茶色のコートを着ており、頭部から小さな角が一本生えています。あと胸がめちゃデカい。これ重要よ、これ


 「んー心ちゃーん、次は私だよねー?」


 ああはい、お願いします。


 「はーい。私は天羽 真遊(あもう まゆ)、アイレの師匠をしているよー。よろしくねー。」


 真遊さんの見た目は深緑色のポニーテールに青の瞳でベージュのパーカーを着ています。


 「むー、なんか守花に比べて紹介が簡素な気がする...」

 「真遊や守花は良いじゃないか。僕の時は服装まで言われなかったし、何だったら焔とか容姿についてなんも描写されていないよ。」

 「焔くん、ほんとに主人公なんだよね?」

 「まあなんもかんも筆者に問題があるからね」

 「...あのー少し良いですか?」

 「ん?どうしたの?」

 「いやあの、なんで今回俺も参加なんですか!?」


 霊松工房の店主、そして霊松焔の父親である霊松鏡平が大きな声で異議を唱えた。


 「なに?息子とその仲間が困っているのに遠くから見ているだけで良いと思ってるの?」

 「はぁーそれはないよ鏡平くぅーん、まじひくわぁー」

 「わぁ一発殴りたいけど全く持ってその通りなうえに殴ろうとしても絶対とらえられないから殴れねぇ。」

 「まぁ神奈は私達の中でも最速だから仕方ないさね」

 「でも実際鏡平くんは呼んでないのになんで参加なんだい?」

 「たまには弟子と一緒に戦いたいなーって思ったのと、あとは多分暇やろって思ったからだねうん。」

 「心月先生?俺ここの店主なんだけど?それに別に休みってわけじゃなかったんだけど?」

 「え、じゃあ今わざわざ臨時休業したのかい?」

 「ええまぁ、はい」

 「...なんかごめんよ」

 「いえいえ、言われてみれば息子たちが困っているのに助けないのは親として異常ですしね。しっかりと手伝わせていただきますよ。」

 「よろしく頼むよ...さて、そろそろ本題に入ろう。」


 先ほどの和気あいあいとした雰囲気とは打って変わり、真剣な空気が場を満たす。


 「今回、僕たちが行うことはダンジョンでひたすらモンスターを狩り、1020万円を稼ぐことだ。」

 「こう考えると、あいつらよくここまで稼いだもんだねぇ」

 「ただ、焔たちがそれだけ稼ぐことができたのはスタンピードのおかげ。本来スタンピードはめったに起きないものだから焔たちは運が良かったんだよね。」

 「じゃあ別のダンジョンに殴りこみに行く?」

 「言い方はアレだけどまあそうだね。前回焔たちが行ったダンジョンのランクはBランクだったから、それ以上のランクのダンジョンに行きたいところだね。」


 ん?なんか紙が...なになに、ダンジョンのランクについて?なんでまだ説明してないんだよおバカか?うちの筆者は。

 おっと失礼、口が滑ってしまいましたわ~ということで説明しまーす。



 ダンジョンについて

 ・ダンジョンは地上型、地下型の2種類があり、さらに周辺の環境によってダンジョンの形は変化する。

 ・現在発見されているダンジョンの難易度の分類は下からF→E→D→C→B→A→S→X→Zとなっており、同じランクでも地上型と地下型のダンジョンで難易度が異なる。また、発見されたダンジョンは番号付けされて管理されている。(焔たちが行ったのは地下型2941)

 ・地下型ダンジョンの階層数はほとんど100層を超え、現在発見された最多の階層数のダンジョンの階層数は500層を超えるという。

 ・地上型のダンジョンは平均的な階層数は10階層ほどだが、出現するモンスター全てが恐ろしく強く、さらに特殊能力を持ったモンスターもいるということで、完全攻略されたものは非常に少ない。

 ・ダンジョン内の魔力をベースにモンスターが形成され、倒したモンスターの死体は数時間でダンジョンに吸収され、完全に消える。

 ・ダンジョンではごくまれに異常現象が起こる。モンスターが異常に強化、大量発生する「スタンピード」、ダンジョンの構造が大きく変化する「変動」、ダンジョン内のモンスターが一斉に消滅し、異世界からやってきたと考えられている未確認のモンスターが各層に発生する「異界からの投石」など、様々な種類があるとか...



 ...説明はこんなもんっすね。では現場にお返ししまーす。


 「ありがとう心...それで、天が紅市内や周辺の地域で稼げそうなところは...鏡平、どこかある?」

 「あーいくつかありますね。地上型3つ、地下型1つ...あ、でも確か地上型のダンジョンって特別な許可をもらわないとダメだったような...」


 あ、と神奈さんが何かひらめいたようなしぐさをする。


 「鏡平や私、守花のコネでなんとかいけない?ほら、技術者としてはそこそこ名が通ってるじゃない。」

 「そういえば守花は元々鍛冶師として働いていたんだっけ?」

 「そうだけどねぇ...厳しいと思うよ。だいぶ前の話だし」


 腕を組み、難しい表情で言う。


 「でも現状、コネくらいしか地上型にいける手段はないかと思います。」

 「というかさー、その特別な許可って何なの~?」

 「えっと、確かギルド長に許可をもらわないとダメだったとかだったような...」

 「...え?それだったらあんたのコネでいけるんじゃないの?」

 「うーん、確かに店の評判は良いですけど冒険者として見られた場合、戦闘力に関しては世間に見せたのはもう数十年前とかだった気がするので大分厳しいと思いますね。まあ一応、やってみるだけやってみましょうか。」


 【ギルド】

 相変わらず活気に満ち溢れている中、心月さん一行はギルド奥の応接間まで通される。


 「では、ギルド長をお呼びしますので少々お待ちください。」


 ギルドのスタッフが応接室から退出し、少し経って50代ほどの男性が現れる。


 「どうも、私が天が紅市第一ギルドギルド長、土亀 燿大(とがめ あきひろ)です。霊松鏡平さんですね。いつも冒険者たちの武器のサポートをありがとうございます。それで本日の要件が地上型962の侵入許可の要請と...一応理由をお聞きしても?」

 「はい、一昨日に私の息子たちが【Foxes】という団体名でそちらにお世話になったのですが、把握なさっていますか?」

 「【Foxes】...あぁ、あのドラゴンを持ってきたあの子供たちですか。」

 「えぇ、それで、能力などの情報まで把握されているかは分かりませんが息子たちはF級能力者でして、現在いじめに遭っており、その一つで今回1億円を相手から要求されまして。」

 「1億円...ただの子供の冗談ではないのですか?とゆうか、息子さん達がいじめに遭っていることはいつからご存じで?」

 「大体5日前くらいからですかね。」

 「ならなんで何もしないんです?学校に報告すればすぐに解決するのでは?」

 「どうやら息子たちには何か計画していることがあるようで、学校などには言わないでほしいと言われましてね。だったら息子たちを信じてみようと思ったわけです。」

 「なるほど、ではなぜ息子さんたちではなく親であるあなたたちが来たんですか?」

 「息子たちには少々やるべきことがあり、それに集中してもらうため、金の問題は大人で何とかしようということで今回訪れました。」


 燿大さんは少し難しい顔をするが、ため息を一つつくと


 「事情は分かりました。取りあえずは手配しましょう。」

 「ありがとうございます。」


 鏡平さんたちは全員でぺこりと一礼する。


 「取りあえずこの書類を記入していてください。私は少し席を外します」


 燿大さんが退出した後、少しして金属で出来たキーホルダーのようなものを持ってきた。


 「こちらのキーホルダーはダンジョンの侵入許可を示すものですのでくれぐれも無くさないようお願いいたします。」


 一行は応接室から出てエントランスへ向かう。少し周りから視線が集まってきている気がするが、あまり気にしないほうが良いだろうと感じた。


 「では、お気をつけて。」

 「「「「「「ありがとうございます。」」」」」」


 心月先生たちはギルドの外へ出ると飛翔し、お目当てのダンジョンに向かって飛ぶ。ところで、当たり前のように飛んでいるのをおかしいと感じるのは私がおかしいのかな?まぁ良いか。


 【地上型962】

 入り口の警備員に少し怪しまれながらも一行はダンジョンに入る。中は灰色の壁に囲まれており、薄暗い。油断しているとモンスターの強襲に気づけない可能性があるだろう。


 「事前情報にある通りだと1層に出現するモンスターは...おっ、あそこにいるね。」


 心月さんが指を指した場所にいたのはゴブリン...なのだが、青い炎がオーラのようにゴブリンの周辺を舞っており、手に持っている短剣も通常のゴブリンと比べて明らかランクが高い武器だった。それが3体いますね。


 「鏡平、殺ってきて。」

 「うーんまぁ、肩慣らししておくには今くらいしかなさそうっすもんね。了解です。」


 刀を納刀状態で構え、敵に走る。鏡平さんに黒と紫のオーラがピッタリとくっついている。無詠唱で自己強化魔法とは...良いですねぇ。


 「【火風】」


 距離10mになった瞬間さらに足に力を込めるのと同時に思いっきり刀を鞘から振りぬくと、2.5m程の高さの巨大な炎が鏡平さんを包み、そのままゴブリンたちに迫る。


 「「「グギャ!?」」」


 トラックが高速で突っ込んできたのかと思うほどの勢いで突進してきた炎に巻き込まれたゴブリンたちはどうなったかと言うと、火炎耐性があったおかげで炎のダメージは最小限だったが、綺麗に首が切り離されていた。こっわ。


 「うん、まぁそこまでブランクはなさそうだね。」

 「現役の時よりも走りや抜刀のスピードは落ちましたけどね。それよりこの死体どうします?」

 「ふっふっふ、これを使うのだよワトソンくん」

 「人違いです」


 神奈さんが出したのは、ガラケーのようなというかまんまガラケーの機械。これでどうするんや...


 「まず死体にこれをかざすじゃろ?ガラケーに吸い込まれるじゃろ?ピローンと音が鳴るじゃろ?すごいじゃろ?」


 まてまてまて何が起きた!?って思ったけど焔たちが持ってた通信装置のほうがイかれてたな。


 「まぁ私の発明品はこんなもんじゃないからね、いつか見せた時に白目向いて驚くがよいぞ。」

 「じゃーさっさと次に行こー」

 「真遊が言うと気が抜けるなぁ」


 そんな会話をしつつ、どんどんと奥へ進んでいく。


 2階層

 心月先生たちの前に現れたのはボロボロのローブを着た人型の生物が三体現れた。それだけなら普通だったのだが、その生物の異常性をすぐに理解する。

 その生物たちは下半身がなく、ふよふよと宙に浮いていた。心月さんたちに気づいた【ワイスゴースト】が武器を構える。


 「ここは僕の出番かな」


 心月さんが手に何も持たず、ワイスゴーストたちの前に歩き始める。ゴーストのターゲットはもちろん無防備な状態で前から歩いてくる心月さんだ。大丈夫なの…?


 「…!」


 大きな斧を持ったゴーストの1体が心月さんに向かって襲いかかる。自分の背丈よりも全然大きな斧を持っておきながら中々素早い。


 「…!」

 ードガァァァ!!!


 斧持ちのゴーストが斧を地面に叩きつける。心月さんには当たらなかったが、叩きつけられた地面が抉れている事がその威力を物語っている。


 「中々のパワーだね。でも力だけでは僕には勝てないよ?」

 「…!」


 挑発に乗ったゴーストが続けて斧を振るう。それを上手く避けて続けていたが、その流れは突如崩れる。

 弓を持つゴーストから放たれた矢が心月さんの心臓部を穿つ。足の力が抜け、フラフラとふらつき、やがて膝を付く…と、そのとき、ありえない現象が起こる。

 地に膝を付いた心月さんの体から黒いガスが溢れ、ゴーストたちを包む。


 「…!」


 突然の出来事に慌てている斧を持ったゴーストの耳元から声が聞こえる。


 「言ったでしょ?力だけじゃ僕には勝てないって。それじゃ、バイバイ。」


 心月さんが斧持ちのゴーストに触れると、ゴーストは霧のように姿が朧げになり、形も残さず消えてしまった。


 「「…!?」」


 仲間が消えたところを見た2体のゴーストは驚きで動きが固まる。


 「さて…と」


 心月さんがゴーストを見たその瞬間、姿が掻き消える。


 「「…!?」」


 どこに行ったか周りを見ようとしたその瞬間、2体のゴーストの肩にトン、手が置かれる。


 「君たちも、バイバイ。」


 2体のゴーストは先ほどと同じく、霧のように姿が朧げになり、やがて形も残さず消えてしまう。ちなみにローブや武器は消えずに心月さんの足元にありますね。


 「おーい、終わったよー」

 「そういや焔たちは分かってるのかな、先生の能力」

 「僕は言ってないよ」

 「私は言ったね」

 「私は言ったはず」

 「俺も言ったかな」

 「私は〜どうだったけ〜?」


 私は知ってるんだ。この後どこからともなく説明の紙が降ってくるって…ほら、やっぱり来た。どれどれ…


 「今回はその場のノリと、今後シナリオ上で能力を紹介するシーンを入れる可能性があるから、今回は無しね。by筆者」


 …は?そんなことある?まあいいや、もう心月さんたち次に行ってるし場面チェンジで!


 3階層

 心月さんたちが進んでいると、前方に何か立ち塞がっているのを見つける


 「グギャアァァァ!!!」

 「グルルルル...」


 二足で人間のように立ち、手には鉄の剣と丸い木の盾、そして首は植物の子葉のように別方向に分かれ、その終点にはそれぞれにトカゲの首がついており、一方は荒々しく威嚇し、一方は冷静に様子を見ている。


 【フタクビリザード】が心月さんたちの前に立ちはだかった。


 「んじゃ、こいつは私がやりますか」


 神奈さんがぐーっと背伸びした後、剣のグリップと鞘を掴んで構える。神奈さんの周囲に電気のオーラがほとばしる。


 「【雷切りNo.8・稲光】」

 神奈さんの姿が一瞬だけフッと消え、またフッと姿が現れる。と


 ーバリバリィィィ!!!

 「グギャアァァァ!!!」


 黄色い閃光がフタクビリザードの周囲を走り一瞬のうちに何十回と切りつけ、フタクビリザードは傷だらけになりその場に倒れた。


 「はい終わりー。次いこ次」


 あっはい。それじゃあ次に行きましょう


 4階層


 「ブルルルル...ブモォォ!!!」


 山のように大きな体で、大きくたくましく発達した四本の足と牙を持ち、鋭い目はただひたすらに獲物に狙いを定める。

 【タックルボア】が心月さんたちに狙いを定めた。


 「はあっ!」

 ードンッ!!!べキィ!!

 「ブモォォォォォ!!!!!」

 「もう一発!」

 ーボキボキィィ!!!

 「ブモ...モォ...」


 先陣を切った守花さんの拳とキックによって骨が派手に折れる残酷な音色を奏で、バタリとその場に横になるように倒れた。こっわ


 「いやぁごめんねぇ...早く敵ぶっ飛ばしたくなっちゃって...」


 弟子(海斗)とノリが似てるってか同じじゃね?


 「まあ守花さんはこういう人だから...」

 「ほら、回収したら早いとこ次行こう」


 は、はぁ...まぁ良いか、次に...え?今回はここで終わり?どんなタイミングで終わってんだ...はい、とゆうことで皆さん、最近更新頻度がクソですが次回もお楽しみに!では


 「「「「「「じゃーねー!!!」」」」」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る