第四話 Do you know telepathy?
やあ、みんな。
俺は今、美人な同級生と一緒に下校してるんだ。
羨ましいだろ?俺だって嬉しいさ。女子と二人で下校できる日が来るなんて。
普通なら・・・ね。
「・・・(隙があれば逃げられるか?)」
「そうそう。間違っても逃げようだなんて思わないほうが身のためよ?」
「や、やだなぁ。そんなこと思うわけないじゃないですか。」
「あら、そう?」
こ、怖え・・・
なんで俺の考えてたことが分かるんだよ。
志乃崎って実はテレパシーが使えるんじゃないか?
吸血鬼(?)でテレパシーが使える毒舌クール系美人女子高生ってこと?
何だよそれ。属性盛りすぎでしょ。
「今、何か余計なこと考えなかった?」
「ナ、ナニモカンガエテナイデスヨ?」
「そう。」
「・・・(よし、もう何も考えないようにしよう。うん。そうしよう。)」
こうして俺は志乃崎から発せられる圧力でチビりそうになりながら、
夕日に染まる住宅街の道を進んだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「・・・ここなら誰も来ないし、大丈夫そうね。」
志乃崎に連れられてやってきたのは小さな神社だった。
薄暗い境内に高校生が二人。
雰囲気だけなら告白イベントでも起きそうな感じだ。
というか、今から俺何されるの?死ぬ?死んじゃうの、俺?殺されるの?
ああ、でも美人な同級生に殺されるんだったら別にいいか・・・
「いや、いいわけないだろ。」
「なにか言った?」
「何でもございません。」
おっと、思わず口に出ちゃったぜ。
でもふざけてないと泣いちゃいそうだよ、俺。え〜ん(´•̥ ω •̥` )
「さて・・・」
おや、志乃崎が近づいて来るぞ?俺は一体どうなちゃうのかな?
画面の前のみんなも予想してみ・・・
「ぐえ」
「今からあなたにいくつか質問させてもらうけど、嘘はつかないほうがいいわ。
もしそんなことしたら・・・ね?」
「うぐ・・・わ、わかりました。
この藍川秦都、誠心誠意答えさせて頂きます。
な、なので、首を締めるのはやめていただけませんかね?」
「・・・そうね。少しだけ緩めてあげる。
その代わり、真面目に答えないと今度は一気に締めるからね?」
「は、はい。ありがとうございます。」
何をされるのかと思ったら、ネクタイを引っ張られ、首を締めてきた。
し、死ぬかと思った。冗談抜きで殺しにきてたぞ、こいつ。
「まずは1つ目の質問・・・
あなた、どうして私が吸血鬼だって分かったの?
あの時、絶対にあなたからは翼が見えてなかったはずよ。」
「・・・実は俺、テレパシーが使えるんですよ。って言ったらどうします?」
「そう・・・・・・残念ね。
今日で私のクラスメイトが一人、この世から消えることになるなんて。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。本当なんだよ。俺はテレパシーが使えるんだって。
志乃崎もきゅ、吸血鬼?なんだからそれくらい知ってるだろ?
Do you know telepathy?」
「うんうん。分かってるわ。死ぬのが怖いのよね?
なるべく苦しまないようにしてあげる。安心していいわ。
今から空よりも高い場所に旅行させてあげるだけよ。」
「そ、それ行ったら帰ってこれないやつだよな?片道切符だろ?
な、なあ頼むよ。信じてくれ。一生のお願い。後生だからさ。」
「じゃあ・・・・・・さよなら。」
ぐおおおお!不味い!このままだとマジでここが俺の墓場になってしまう!
な、何か。何か方法が・・・そうだ!
「証明!証明するから!俺がテレパシーを使えるの!」
「へえ・・・証明・・・ね。
・・・いいわよ。私も真相が分からないまま同級生をヤるのは気が引けるわ。」
と、とりあえずなんとかなりそう・・・
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