第48話 無意識

その頃アンタレスは、イレスと里奈との戦いで、苦戦していた。


イレスは正確には戦っておらず、遠くで見守っているだけだが。



ズドォォォォォォォォォン



「さすがは、北斗七星、最強の里奈だな……ハァ、ハァ」


アンタレスは苦笑いしながら、2人に話す。


しかし里奈はそんな事 構わず、攻撃してきた!


アンタレスは咄嗟に避ける。



ズドォォォォォォォォォン



里奈が拳で砕いた地面の箇所が、きんに変わった!


↓アンタレス

「すごい、やはり最強だな。

その、触れた物を黄金に変える、黄金変換能力エイム・オブ・ハントが」


「そう、私は強いからね。今、お前と戦えている事がどんなに素晴らしいか」

↑里奈



「そうそう、やっぱ黄金変換能力エイム・オブ・ハントが強いんだよn」


ドンガラガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン



アンタレスが悠長に会話していると思ったら、突然 彼女の手にある杖が、黄金となってしまった!


「⁉︎…」


「油断してるからだよ。ちゃんと意識しな」



「………」


アンタレスの杖が、元の状態に戻る。


「え」

「あんまり舐めるなよ?」


ズババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ



2人は一瞬で間合いを詰めて、攻撃し合った!


しかし、アンタレスの杖がまた黄金に変わる!


ズドォォォン



「(⁉︎…さっきよりも意識してたのに…?

本体と腕の位置、速度、攻撃範囲を全て見ていたのに、攻撃を喰らった⁉︎

そうだ、以前 戦った時もそうだった。こいつをどれだけ注意深く見ていても、必ず私は攻撃を喰らうんだ)」


アンタレスは驚愕した。彼女に近づく事すら困難なのに、強さの中心とも言える杖に、里奈は攻撃できたのだ。



里奈は含み笑いする。


「ほら、さっきちゃんと意識してないとダメって言ったのに。

そうやってのうちに油断するのが、いけないんだよねぇ」


「(このロリ、もしや何か秘密があるのか⁉︎

私が油断しているだけかもしれないが、こいつの攻撃を避けられた事は無い!

速度なら私の方が勝っている。だから他に何か、こいつは別の能力を持っているのか⁉︎)」


里奈はアンタレスの攻撃を軽々と避け、空中で手を握り締めた!


すると、周りに金塊が発生し、アンタレスの顔に傷をつける!



「⁉︎…やはりそうだ。何かお前、能力を2つほど持っていないか?」

↑アンタレス


↓里奈

「えぇ?私はこの、黄金変換能力エイム・オブ・ハントだけだよ?」


「嘘つけ…お前は私の無意識を移動しているように見える。

そうだろ、里奈?」


「………」




里奈は一瞬、真顔になると、そっと呟いた。


「見破るなんてね、のに。

そうだよ、アンタレスの正解だよ。

私は無意識操作能力エアストーンも持っている」


「やっぱり……」



「私は人の無意識を操作できるんだよ。

油断、警戒、集中力…これから意識を構成している概念。

この概念を操作し、無理やり無意識を作り出して、その隙を行動する。

つまり簡単に言うと、私の攻撃は無意識の中にあるから、人は私の攻撃を感知できないんだ。

だから、絶対に避けられない…」




「そうか……じゃあ私も無意識で行動しようかな」


「え?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る