第46話 姉弟
ロッシュの吹っ飛んだ心臓に、しのぶが刀を当てる!
「(……終わるッ)」
「ラヴジョイの
ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
しのぶの振った刀が、ロッシュの心臓からずれた!
その直前に、一閃が走る!
「⁉︎………」
なんとか心臓が破壊されずに済んだロッシュは、自分の体内に心臓を入れて、稲妻を握りしめた。
「(な、何が起こったんだ⁉︎)」
しのぶは、上の方を見た。
なんとそこには、アンタレスがいるではないか。
彼女がビームを撃って、しのぶの攻撃をずらしたのである。
しかも、このビームは普段のビームと少し違っていた。
「(うう……クラクラするなぁ。なんだ?)」
↑しのぶ
このビームに触れた者は酩酊してしまう!
つまり、今の彼女は反射速度と頭の回転率が急激に低下しているのだ。
ロッシュはその事がわかっていた。
2年も一緒にいるからだ。
「(アンタレスさんが作ってくれたチャンスだ!
彼女の心臓を…
ロッシュはしのぶの胸に向かって、高速かつ軌道の読みにくい不規則な太刀筋を入れる!
ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンンンンンッッ
「⁉︎」
ジャキッッッッッッッッッッッ
なんと、しのぶはロッシュの攻撃を、手で掴んで止めた。
酩酊している状態でこの反応速度と確実性。
ロッシュは困惑した。
「(え、酔っ払っている状態でこの反応速度⁉︎
アンタレスさんですら、酔っ払っている時は反応速度がいつもより遅いのに⁉︎
いや、体内の血液の流れを操って身体を強化したんだ!目に血を集中させて動体視力を極端に上げている…)」
しのぶは、背中から血の触手を伸ばして、ロッシュを囲む!
そして、触手から無数の棘を生やした!
「(ヤバい、全方位からの攻撃!逃げられない!
助けて…アンタレスさんは⁉︎アンタレスさんはどこに⁉︎)」
↑ロッシュ
アンタレスは今、里奈とイレスの2人と戦っている。
ロッシュを助けている暇は無いだろう。
「(ダメだ…終わった……父さん、もうすぐそっちへ行くかも)」
ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
「⁉︎」
しのぶの腕が突然千切れる!
ロッシュはその隙に、血の触手から抜け出した!
ドシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
しのぶは、あるものに向かって指から血を発射する。
しかし、全て弾き飛ばされた!
↓しのぶ
「(は⁉︎…)」
「アントニオ!」
↑ロッシュ
どうやらアントニオが、しのぶの腕を千切ったらしい。
そして、地面に着地した瞬間、皿をぶん投げる!
スパァァァァァァァァァァァァン
しのぶは皿を切り落とす!そして喋った。
「まさか、
私も姉弟関係の者だったよ。君らに会うまではね」
「そうですか……」
「拡って人を、君らは知っているはずだよ。
なぜかって、君らとアンタレスが○したからさ。
可哀想に……まだ私と一緒に風呂まで入ってたのに、怖かっただろうな」
「……そうですか」
↓しのぶ
「拡と品本ちゃんの関係だって、私にとっては過酷な労働のご褒美だったんだよ⁉︎
あーあ、私の拡が…私の拡がァァァ…品本ちゃんは、きっと拡の事が好きなんだよ!
くーーっ、2人の二次創作まで内緒で作ってたのに!
2人の結婚式で読む文章も書いてたのに!
お前らのせいで…私の生活は、むちゃくちゃ!
でも1番悔しいのは、拡の人生を奪った事だよ………」
「⁉︎……」
「本当なら誰かと青春して、結婚して、家庭を築いて、定年退職するはずだったんだよ。
それが…お前らのせいでめちゃくちゃ。
拡だけじゃない。品本ちゃんだって夢だけ残して消えたからな。
お前らには、夢も残さず消えてもらう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます