第37話 星の人間
アンタレスとカシオペヤは、付近の大きな公園へやってきた。
カシオペヤは彼女を地面に叩きつけようと体を捻ったが、先に槍を抜かれてアンタレスに距離を置かれた!
「それにしても良くできているな。装甲は私の攻撃ですらびくともしない。
しかしおそらく、その尻尾が弱点なんだろ?」
アンタレスは
あのボールなら攻撃が通用すると、彼女は考えたらしい。
そして、光の刃をそのボールへぶち込む!!
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ブファァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
「⁉︎…」
ボールが赤く染まり、光の刃を吹き飛ばした!
「(斥力で光をも弾く…やっぱりそこが弱点だッ。
弱点じゃなきゃ、防御する必要なんて無いからなッ。
レイニー・オブ・イオ!)」
アンタレスは槍を杖に変えると、杖の先から溶岩を勢いよく発射して、雨のように降らした!
カシオペヤは体が大きく重いので、素早く動く事が難しいようだ。
「
カシオペヤは頭のアンテナから声を出した直後、溶岩全てが凍る!
ジャキッッッッッッッッッッッ
しかしカシオペヤの目の前からは、溶岩が竜巻のように迫ってきた!
ブシャァァァァァァァ
カシオペヤが目から太い冷気を放ち、溶岩を凍らせる!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「(一瞬で冷却している。少しでも触れれば体内の血を通して全身が凍る!)」
↑アンタレス
アンタレスがいつのまにか、カシオペヤの背後に回りこんでいた!尻尾を狙う。
やはりそこから斥力が発生して、カシオペヤは彼女を吹っ飛ばそうと試みた。
ビュンッッッッッ
しかし、アンタレスは吹っ飛ぶどころか、服が揺らぐ事すらない!
どうやらワープを視認できないほどのスピードで繰り返しているらしく、斥力の間隙を縫うように回避しているようだ。
しかしその事にカシオペヤは気づいたのか、氷柱をアンタレスの周りの発生させ、注意を逸らした!
「(⁉︎…フルムーン!)」
ズドォォォォォォォォォン
杖を振り回して氷柱を破壊し、アンタレスは尻尾に杖を振り下ろして攻撃する。
「(ワープを繰り返しながら振り下ろせば、問題無いはず…)」
しかしカシオペヤは一瞬で方向転換し、頭から巨大な氷塊を連射した!!
尻尾が反対側へ行ってしまう。
「⁉︎…」
氷塊の軌道はアンタレスのいる位置だ。
このまま進めば彼女は間違いなく氷塊に直撃するだろう。
しかも今アンタレスは、尻尾に向かって攻撃していたところだ。
滞空中に急な方向転換は難しい!
「(いや、私ならできる。私は
AIとは実戦経験で勝っている。ハーフムーン!)」
アンタレスは咄嗟に地面に着地し、杖を槍に変え、上から列を成して飛んでくる数多の氷塊に向けて、槍を振るった!
槍から赤い斬撃が放たれる!
ズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォンズドォン
斬撃に触れた氷塊が砕け散り、カシオペヤのアンテナが切れた。
「(よし)」
カシオペヤは、空気中から車よりも大きな雪玉を同時に4個も放った。
スピードが速い。車で逃げても追いつかれるであろう。
しかも岩にぶつかっても壊れないほどの硬さはある。
「(でも私にとっては脆い)」
アンタレスはその場から動かず、自身の周りに斬撃を生み出して回転させ、雪玉を全て破壊。
カシオペヤは目の前に、氷を人の形を生み出した。
この人形は分身として戦闘させる事が可能らしい。
「おう、ご主人様の手伝いに行くから、分身を生み出して私の処理を任せようとしたのかい?」
アンタレスはニヤつきながら言った。
氷の人形が彼女に向かって拳を振るう。
「甘いな」
アンタレスは小声で呟くと、ビームを地面に向けて撃った。
そして迫る人形の拳を手で受け止めて、ローキックで体勢を崩す!
人形は崩された勢いでバック転して距離を取り、腕から氷でできた触手を伸ばした!
しかしアンタレスはその場から動くどころか、防御する姿勢も見せない。
その時……。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドズバァァァァァァァァァァァァン
地面の下から、先ほどアンタレスが撃ったビームが、土を抉って飛んできた!
「…」
しかもビームはカシオペヤの尻尾の下の地面から飛んできたため、回避する暇も作らせずに、カシオペヤの尻尾を破壊!
どうやらビームの軌道を変えたらしい。
ズドカァァァァァァァァァァァァァァン
「……」
「私を誰だと思っている。星の
尻尾を破壊された事で、氷の人形はカシオペヤと共に消滅していった。
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