閑話その2 娯楽を広めよう!!

創作物が足りない!!

【桃姫side】

この時代の紙の媒体は、記録物が多い。


例えば、有名なやつだと......信長公記とか、フロイス日本史とか。


とにかく、そういった物が多かった反面、小説などの創作物などが存在しないのが現実だ。


まぁ......多分、識字率が低かったのもあるんだろうけど


桃姫「でも、そういうのがあっても良いんだけどなぁ.......」


創作物で溢れていた現代社会を生きていた身としては、この状況は流石にキツい。


それに、小説とかが花開くのは江戸時代ぐらいだからだし.....


桃姫「この状況、何とかしたいなぁ....」


そんなことをグルグルと考えていると...........ふと、ある物が頭に浮かんだ。


桃姫「紙芝居....」


そういえば......テレビとかが普及する前は、紙芝居とかが子供の娯楽の一つだったような?


それに、紙芝居だったら、字が読めなくても物語が楽しめるし...


桃姫「一石二鳥.....になるのかな?」


これなら、イケるかも!!


女中「何が一石二鳥なんですか?」

桃姫「うわっ!?ビックリした!?」


突然、声を掛けてきた女中さんに対し、驚く私。


女中「桃姫様、お茶と茶菓子を用意しました」

桃姫「あ、そっか、もうそんな時間か」


そう言った後、私はお菓子とお茶で一服するのだった。


女中「ところで、紙芝居って何ですか?」

桃姫「あ、やっぱ聞いてた?」


ニシシと笑いながら、私がそう言うと...........女中さんはため息を吐いた後、こう言った。


女中「桃姫様のことですから、何かしらのことを思いついたのだろうなと思っただけです」


ゔっ......鋭いなぁ。


桃姫「アハハ...........やっぱバレてたか〜」


女中さんに対し、苦笑いをしながら、そう言う私。


女中「全く.....桃姫様は相変わらずですね」

桃姫「アレ?深くは追求しないの?」

女中「そういうのにはもう慣れましたので、深くは追求しないことにしました」


あ、やっぱ慣れちゃってたのね。

そう思いながら、女中さんに対して、紙芝居について説明する私。

すると、それを聞いた女中さんは


女中「すぐやりましょう!!」


と言った。


桃姫「ほ、本当!!」

女中「えぇ、紙で描かれる芝居だったら、きっとすぐに人気が出ると思います!!」


女中さんがここまで興奮するだなんて.........恐るべし、紙芝居の力。


桃姫「でも、まだどんな物語にしようか決めてないんだよね」

女中「だったら、桃姫様が考えればいいじゃないですか」

桃姫「その手があった!!」


かくして、私の創作活動が始まったのだった。

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