【三人称side】謎の症状

【三人称side】

ジパングから、スペインに【アヘン】【モルヒネ】【ヘロイン】がもたらされてから三年が経った。


相変わらず、貴族達や聖職者達の【アヘン】人気は凄まじいかったが...........それと同時に、奇妙な症状で悩まされる人が増えていた。


女1「聞いた?フェルナンドさんの話」

女2「聞いた聞いた!!あの人、悪魔病になったらしいわよね!!」


悪魔病。


それは、悪魔に取り憑かれたように狂乱する症状を指す言葉で、この症状が薬物中毒ということを知らないスペイン人達にとって、恐ろしい病だと考えられていた。


女3「この前は、ブルーノさんが悪魔病に罹っていたし..........明日は我が身なのかしら....?」


心配そうに、そう呟く女3。


女1「一応、教会が悪魔病に効くお札を売っているのだけど...........」

女2「高いのよね....」


そう....教会は教会で、悪魔病対策としてお札を売っていたのだが......根本的な治療に繋がらないため、悪魔病患者...........もとい、薬物中毒の治療にはならなかったのは、言うまでもない。


女3「貴族達も悪魔病に罹っている人が多いから、お札を買い占めているらしいわよ」

女2「まぁ!!そうなの!?」

女1「どうりでお札が手に入らないと思ったわ」


実のところ、【アヘン】人気が衰えない貴族達の間でも、悪魔病になる人々が増えていた。


なので、貴族達はこぞってお札を買ったのだが...........当然ながら、お札には薬物依存を治す力がないため、状況は悪化していくのだった。


女2「それに、最近は悪魔病で亡くなる人の数が多すぎて、死体を焼いているところが多いらしいって聞いたわ」

女3「死体を焼くなんて......酷い世の中になったわね」


悪魔病の患者が増え続けるスペインを嘆きながら、そう呟く女3。


その後、王族の一人が【アヘン】中毒で死んだことを機に、スペインでは、【アヘン】【モルヒネ】【ヘロイン】などが恐ろしい物だということが徐々に広まって言ったのだが.......時既に遅く、スペイン中に薬物中毒者が溢れかえっていた。


しかも、最悪なことに......スペイン人の中には、その【アヘン】を含めた薬物を他国へと輸出した輩もいたため、他国への戦火の火種が撒き散らされており、スペインは、知らず知らずのうちに窮地に立たされることになるのだった。


☆☆☆


【モルヒネ】と【ヘロイン】は、元々薬品として使用されていたらしい。

しかし、依存度が高いので、日本では麻薬扱いされている。

ちなみに.....モルヒネ中毒に効く薬として作られたのが、皆さんご存知コーラだとか。

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