その軍艦の名は

【桃姫side】

桃姫「お〜!!立派だねぇ」


ここは、尾張にある船工場。


そこでは、対スペイン用の軍艦が作られていたのだが...........その軍艦が完成したと聞き、今現在、私達は軍艦を見に来ていた。


船大工1「へぇ!!ありがとうございます!!」

「「「「「ありがとうございます!!」」」」」


私の言葉に対し、そう言う船大工達。


しっかし.....


桃姫「まさか、本当に軍艦が作れるとはねぇ....」


目の前にある、巨大で真っ黒な船を見つめながら、そう呟く私。


実のところ、この軍艦の材料の大半は、私のスキルで生やした植物が多く使用されている。


例えば、船を動かす燃料が採れるヤシの木とか、木に塗るだけで、鋼鉄並みの強度を得ることが出来る漆とか...........とにかく、工業系に強い植物を生やし、それを使用した結果、無事に軍艦が完成。


そして、今に至るというわけなのだ。


道三「......まるで、鯨のような船だな」

信秀「..........あぁ」


目の前にある軍艦に対し、呆然としながら、そう呟く道三さんと信秀さん。


一方、信長さんはというと


信長「おぉ!!何とも伊達な船だな!!」


案の定、めっちゃ大興奮していた。


うん、信長さんらしいや。


信秀「これならば、スペインに勝てるかもしれぬな」


軍艦を見つめながら、そう言う信秀さん。


信長「確かに.....これは船というよりかは、砦のような物だしな」

道三「あるいは、鯨のような物だな」


あ、そっか。


この時代の船は、ガレオン船とかの帆船がメインだっけ?


だとしたら、かなりのオーバーテクノロジーを作っちゃったかも?


信秀「ところで......一つ聞いてもいいか?」

桃姫「はい、何でしょうか?」

信秀「さっきから気になっていたが........この船の名は何だ?」

桃姫「船の.....名前...........」


し、しまった!?


船の名前を考えるのを忘れてた!!


えっとえっと......


桃姫「う、海坊主という名です!!」


私がそう言うと、信秀さんは納得した様子で


信秀「ふむ..........良い名だな」


と言った。


信長「ほほぅ!!海坊主か!!まさに、スペインを撃つ船にピッタリな名だな!!」

道三「流石は我が娘だな」


うぅ..........何か恥ずかしいよぉ.....


桃姫「それで、スペインの方はどうなっているんですか?」

信秀「尾張に来ている南蛮人曰く..........スペインで【アヘン】が爆発的に広まっているらしい」

信長「貴族達は【アヘン】を、庶民達は【モルヒネ】と【ヘロイン】を使用しているんだとさ」


なるほど、【アヘン】は高級品扱いされてて、【モルヒネ】と【ヘロイン】はお手頃価格で手に入る物扱いされてるのね...........


信秀「今のところ、【アヘン】を含めた薬物は奇跡の妙薬として人気が高くなっている。故に、それを毒だと疑う者は、今のところ居ないが......それは時間の問題だろうな」

桃姫「ですね」


こうして、スペインを迎え撃つ準備を着々と進める私達なのだった。

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