クレーム対応はお早めに
【桃姫side】
信秀さんが【アヘン】【モルヒネ】【ヘロイン】をスペインに渡し、輸出するようになってから三年が経った。
スペイン人達は、【アヘン】を含めた薬物をアジアの妙薬として、使うようになり......やがて、大ブームを巻き起こした。
そうなってくると、自然に薬物中毒者が増えていったのは、言うまでもない。
桃姫「まさか、こんなにも早く気づくとはねぇ」
スペインからのクレームの手紙を読みながら、そう呟く私。
ちなみに、手紙の内容はというと
『お前らのせいで国がめちゃくちゃだ!!責任を取れ!!』
的なことが書いてあった。
桃姫「いやいや、自分達が首を絞めたようなものなのに......何言ってんだか」
信秀「だな」
呆れながら、そう言う信秀さん。
道三「しかし、こうもあっさりと【アヘン】が浸透するとは.......」
桃姫「今の南蛮では、東洋の物が大人気ですし、心と体を癒す妙薬だと聞けば、誰だって欲しくなりますよ」
それに、大航海時代だしね。
道三「む、それはそうだな」
私の言葉に対し、そう言う道三さん。
義龍「南蛮人の輩はバカなんですかね?」
桃姫「正確には一部の輩.....ですけどね」
その一部の輩が、この事態を引き起こしたんだけどね。
信秀「それでな、そのスペインから抗議の使者が来ることになったのだ」
桃姫「抗議の使者!?」
てか、抗議の使者を出す余裕がまだあったのね!?
桃姫「てことは.....その場に私も居なきゃダメってことですか?」
信秀「そうだが?」
デスヨネー
信秀「よくよく考えてみろ、奴らは、自身の欲で身を滅ぼしたようなもの。そんな奴らと対等の立場だと言えるか?」
桃姫「あ、それもそうですね」
信秀さんの言葉に対し、納得したように言う私。
信秀「それに、例え抗議の使者が来たとしても......儂らとスペインとの間で、戦が起こるのは間違いないからな」
道三「そうだな」
元々、戦争をする前提でやったことだからね。
そう思いながら、お茶を飲む私。
信秀「して、海坊主の方はどうだ?」
桃姫「どうだも何も、とりあえず試運転が終わったので、とりあえずいつでも出撃できる..........といったところですかね」
船の試運転をした時は、港町の人達にめっちゃくちゃ驚かれたのは、良い思い出だな。
道三「これならば、いつスペインと戦っても、大丈夫だな」
信秀「うむ、感謝するぞ、桃姫」
桃姫「いえいえ、私はあくまで信秀さんのお手伝いをしただけですよ」
私がそう言うと、信秀さんはフッと笑い
信秀「お前は本当に恐ろしい女だな」
と言った。
桃姫「恐ろしい女で結構。何せ、私はマムシの娘ですから」
戦国時代を生き抜くには、こういう知恵が必要だしね。
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