信長とチョコレート

【桃姫side】

織田信長。


それは、日本史を語る時に欠かせない戦国武将であり、十兵衛こと、明智光秀の反逆によって、天下を取る前に亡くなったとされる人物でもある存在。


革新的な取り組みを行った一方、暴君的な一面もあったとされていて、大河ドラマの常連と言っても過言ではない、偉人なのだ。


そして、その織田信長はというと......


信長「美味い!!そして甘い!!」


どういうわけか、鷺山城でホットチョコレートを飲んでいる。


信長「桃姫!!これが【ほっとちょこれいとぉ】とやらか!!」


ホットチョコレートを飲みながら、嬉しそうにそう言う信長さん。


何で織田信長がここに居るのかって?


それはこっちが知りたいよ!!


私、何かしたのかな?


桃姫「お口に合いましたか?」

信長「あぁ!!おかわりをくれ!!」

桃姫「ここは信長様の家ではありませんよ」


やれやれと言った様子で、そう言う私。


桃姫「あ、十兵衛も飲む?」

十兵衛「ありがとうございます!!」


そう言った後、私から手渡されたホットチョコレートを飲む十兵衛。


十兵衛「やはり、【ほっとちょこれいとぉ】は美味しいですね」

信長「うむ!!体の芯まで温かくなるな!!」


そういえば、織田信長って甘党だったっけ?


だとしたら、美味しそうに飲んで当然......か。


桃姫「というか、私に何の用ですか?先に行っておきますけど、私はあなたと結婚する気はありません」


信長さんに向けて、私がそう言うと........


信長「......は?」


ポカーンとした様子で、そう呟いたものの、すぐに我に返ったのか、その顔には笑みが浮かんでいて


信長「フ....ハハハ、フハハハハハハ!!」


と、何故か笑っていた。


信長「面白い!!それでこそマムシの娘だ!!」


そんなことを叫ぶと、信長は、ホットチョコレートを一気に飲み干すのだった。


信長「それで、俺がここに来た理由だが........俺は、ただ単に親父に付いて行っただけ。それだけだ」


なるほど.....父親である織田信秀に付いて来たってわけね。


桃姫「でも、何で信秀様が美濃に?」

信長「さぁな?だが....」

桃姫「だが?」

信長「少なくとも、お前のところには確実に来るだろうな」


え?


桃姫「どういうこと?」

信長「詳しくは知らないが...........何でも、南蛮人が何かしらの問題を起こしたらしい」

桃姫「は....はぃぃぃぃ!?」


まさかの南蛮人絡みのことだったのね!?


信長「というわけで、菓子をくれ」


サラッと衝撃発言をした後、そう言う信長さん。


桃姫「まだ居座る気なんですか!?」

信長「そうだが?」


この人.....何というか、図太いな。


......だけど


桃姫「南蛮人さん、あなた何をしたのさ....」


どうにも、厄介なことが待っていそうな気がしてならない、私なのだった。


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