大豆ミート?いいえ、植物ミートです

【桃姫side】

私がまだ令和を生きていた頃、世間では大豆ミートなる物が流行っていた。


大豆ミートとは、その名の通り、大豆を原材料にしたお肉の代用品で、お肉が食べたいけど、カロリーが......という人々には、うってつけの食材なのだ。


ただし、それはあくまで未来の話。


今現在、私がいる時代.......戦国の世には、大豆ミートのだの字も無いのが現状だ。


なので、私はお肉っぽい植物を生やすことにしたのだが......


桃姫「こうも上手くいくとはねぇ....」


案の定、お肉っぽい植物を生やすことに成功し、私の目の前には、枝から肉塊がぶら下がった木が生えていた。


......しかも、その木の葉っぱがベーコンというオマケ付き。


女中「本当に生えましたね.......」

桃姫「ね〜」


まさか、お肉っぽい植物という曖昧なイメージだけで、ここまでお肉っぽい植物が生えるとは......恐るべし、【植物魔法】。


桃姫「それじゃあ......食べよっか」

女中「えぇ!?これを食べるのですか!?」


私の言葉に対し、驚くような反応をする女中さん。


女中「そ、その......これ、食べても大丈夫なのでしょうか?」

桃姫「火を通せば大丈夫なんじゃないの?」

女中「な、なるほど....」


私の言葉を聞き、女中さんは納得したのか......そんなことを呟いた後、私達は、肉塊と木の葉の収穫した後、台所にて、肉塊と木の葉を調理することにした。


桃姫「さてと..........最初はシンプルに塩焼き!!次は茹でてみよっと!!」


まず、肉塊を食べやすい厚さに切った後、肉全体に塩を振り、それをベーコンっぽい葉っぱと一緒に、鍋で焼いていく。


次に、食べやすい厚さに切った肉を、別の鍋で塩茹でしていく。


すると.....


桃姫「いい匂い〜!!」


塩焼きの方の鍋の中から、肉のいい香りがしてきた。


..........これ、ほぼ肉じゃね?


女中「......何だか、美味しそうな匂いがしますね」


そして、塩茹で肉の方はというと......まるで、チャーシューや角煮のようにプルプルとしていた。


桃姫「こっちもこっちで美味しそう!!」


そんなわけで、塩焼きと塩茹でが完成したので、試しに食べてみたところ


「「お、美味しい!!」」


ほぼ肉と言っていい程に、美味しかった。


塩焼き肉が、噛めば噛むほどに肉汁や旨みが溢れてくるのに対し、塩茹で肉は、とても柔らかい上に、こちらもまた肉汁と旨みが口いっぱいに広がった。


うん、これはめちゃくちゃ美味しい。


肉だと言われたら、本気で信じそうになるぐらいに美味しい。


これなら、合法的に肉が食べられる!!


女中「桃姫様!!この肉、美味しゅうございます!!」

桃姫「でしょ?」


そういえば、この植物の名前を決めてなかったな。


えっと...............とりあえず


桃姫「ニクノキ.....でいっか」


.....我ながら、ネーミングセンスが皆無だなぁ。

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