ひらめきは突然に

【桃姫side】

桃姫「う〜ん.......」


義龍さんが悩みを打ち明けて以降、私は、義龍さんと道三さんが、どうやって仲良くなれるのかを考えていた。


だけど、いくら考えても良いアイデアは出ず........


桃姫「あ〜!!何かモヤモヤする!!」


胸の中のモヤモヤは、大きくなるばかりだった。


女中「桃姫様、大丈夫ですか?」

桃姫「大丈夫じゃない......」


腕を組み、モヤモヤと悩みながら、そう呟く私。


女中「それにしても......桃姫様が悩み事だなんて珍しいですね」

桃姫「え?何で分かったの?」

女中「私は桃姫様の女中ですよ?それぐらい分かります」


私に対し、自慢げにそう言う女中さん。


......強いなぁ。


桃姫「..........ねぇ、親子の絆が深まるには、どうすると良いと思う?」

女中「親子の絆.....ですか?」


私の言葉を聞いた女中さんは、しばらく考えた後..........こう言った。


女中「やっぱり......一緒に作業をするか、遊ぶかじゃないですかね?」

桃姫「なるほど、共同作業.......ねぇ」


この時代って、戦いの真っ只中だから、あんまり娯楽とかが無いんだよね。


スポーツなら、ギリいけるかもしれないけど...........


ん?


スポーツ?


桃姫「キャッチボールがあるじゃん!!」


昔から、親子の会話=キャッチボールっていうイメージがあるし......というか、そもそもボールの原材料の中には、コルクやゴムが、つまりは植物が使用されている!!


桃姫「これはいけるかも!!」

女中「何がですか?」


アイデアを閃いた私に対し、キョトンとした様子で、そう尋ねる女中さん。


桃姫「私の力で、父上と兄上が仲良くなれるかもってこと!!」

女中「えぇ!?」


私の言葉に対し、当たり前だが、女中さんは驚いていた。


女中「そ、それは本当なのですか?」

桃姫「あくまで、根拠の無い可能性だけど......それでも、その可能性に賭けてみるしかない!!」


例え、失敗したとしてもいい。


その時は、スポーツとして普及していけば大丈夫。


桃姫「あ、もちろん。このことは父上と兄上には内緒ね」

女中「でしょうね!!」


だって、父上と兄上にバレたら、元も子もないし.............何より、ドッキリみたいなもんだね。


桃姫「てなわけで!!父上と兄上の仲良し大作戦を決行するぞ!!」

女中「お、お〜」


こうして、私は父上と兄上の仲良し大作戦こと、野球ボールの生産計画を始めるのだった。


☆☆☆


というわけで!!今回から新章【野球編】が始まります!!

果たして、斎藤道三と斎藤義龍さんは仲良くなれるのか!?

ちなみに.......これは余談ですが、野球ボールには、コルクとゴムが使われているらしいです。

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