和解のキャッチボール

兄上がやって来た!!

【桃姫side】

道三さん達に対し、世界情勢のことを伝えてから、一週間が経ち......


桃姫「.......」

義龍「......」


鷺山城には、どういうわけか兄上こと、義龍さんがいる。


...........どうしてこうなった。


私、何か変なことでもしたのかな?


心当たりが無さすぎて、逆に緊張するなぁ。


義龍「......桃姫、お前に一つだけ言いたいことがある」

桃姫「は、はい。何ですか?」

義龍「...............私は、父上の子ではないかもしれぬ」

桃姫「......え?」


義龍さんの言葉に対し、思わず、そう言葉を漏らす私。


そういえば.....斎藤義龍って、道三さんとは血が繋がっていないっていう、説があったような?


.........もしかして、そのことを気にしているのかな?


桃姫「な、何故、そんなことを?」

義龍「...........そういう噂を聞いたのでな」


なるほど..........この時代の噂って、事実に匹敵する程の力を持ってるから、それを耳にしちゃったってことか。


桃姫「兄上的には、どう思っているのですか?」

義龍「どう....とは?」

桃姫「父上のことですよ」

義龍「....................」


私がそう言うと、義龍さんはしばらく考えた後


義龍「そう......だな。私は、父上のようになりたい。だが...........」

桃姫「もしも、本当に血が繋がっていなかったら、父上は自分を切り捨ててしまうかもしれない.....ってこと?」

義龍「...........あぁ」


................ひょっとして、この悩みの延長線の末に、道三さんと戦ったのかな?


だとしたら、悲しいすぎるでしょ!!


桃姫「だったら、父上に聞けばいいじゃない」

義龍「...........そんなことが簡単に出来るとでも?」

桃姫「ア、ハイ、ソウデスネ」


そう簡単に上手くはいかない......か。


桃姫「ところで兄上、お菓子はいかがですか?」

義龍「..............今は食べる気分ではない」


デスヨネー。


義龍「だが......気持ちだけは受け取っておこう」


そう言うと、義龍さんはその場から去るのだった。


桃姫「兄上.......」


義龍さんの話を聞く限りだと、道三さんのことを恨んでなさそうだし...........道三さんと義龍さんの関係性、何とかしたいなぁ。


桃姫「う〜ん.......」


親子関係が良くなる植物................は流石にないよね。


桃姫「私に出来ることがあればいいけど.......」


そう呟いた後、親子関係を改善するアイデアを考えるものの、結局思いつかなかった私なのだった。

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