世界のアレコレ2

【桃姫side】

道三「奴隷......?何だそれは」


聞き慣れないながらも、どこか物騒な言葉を聞いたからか、そう言う道三さん。


桃姫「簡単に言えば、家畜同然の扱いをされている人間のことです」

道三「なっ!?」


恐らく、衝撃発言と言っても過言ではない、私の言葉を聞き、言葉を失う道三さん。


それは、家臣達も同じで......皆、目を見開いていた。


十兵衛「おかしいですよ!!何で、人を家畜のように扱うんですか!!」

桃姫「そう!!そこが奴隷のヤバめなところでね、南蛮人は、自分達が占領した場所から、先住民族達を奴隷として売っているの」


現に、インカ帝国やらアステカ文明を滅ぼしたスペイン人達は、インカ人やアステカ人を奴隷として扱っていたしね。


道三「..........ということは、南蛮人達はその土地にいた人間達を、家畜として売り捌いているのか?」

桃姫「えぇ。彼らの大半は、故郷から連れ去られた末に、過酷な労働によって命を落としています。それに.....」

道三「それに?」

桃姫「今現在、奴隷として売買されているのは、肌が黒い人間......黒人と呼ばれる人々で、南蛮人達は、彼らを人として扱っていないんですよ」


というか、黒人差別は未来まで続いているからなぁ。


道三「つまり.....南蛮人の中には、我々を人として認めていない輩もいると?」

桃姫「そういうことです。ですが......彼らの中にも、純粋に日本と交易がしたい南蛮人がいるのも事実です。ですから、今後どうやって南蛮人の対応をするかが、問題なのです」


私がそう言うと、真剣な顔で腕を組み、考え始める家臣達。


十兵衛「確かに......全ての南蛮人が悪い、というわけではありませんからね」


十兵衛がそう呟くと、家臣のうちの一人が手を挙げると、私に対し、こう尋ねた。


家臣1「あの....一ついいですか?」

桃姫「はい、何ですか?」

家臣1「さっきから思っていたのですが......何故、南蛮人達はヤハウェという神を信じていながらも、奴隷売買という罪を犯したのですか?」


鋭い質問キター!!


桃姫「恐らく、ヤハウェの教えに対して、誤った解釈をしているのでしょうね」

家臣1「誤った........解釈?」


私の言葉に対し、首を傾げる家臣。


桃姫「そうですね、例えるならば...........仏様の教えを、本来の意味とは違う意味で捉えてしまうのようなものです」

家臣1「となると......南蛮人達は、ヤハウェの教えを誤解していると?」

桃姫「まぁ、そんなところです」


仏教だって、解釈違いの結果、たくさんの宗派やらカルトやらがあるしね。


桃姫「それに加えて、キリスト教を信じている人々は、とにかく異教徒に対しては残酷な扱いをするんです。ですから、キリスト教の聖地を巡って、戦争を起こしたんですよね」


一応、十字軍のことも話そうかな?


☆☆☆


一応、言っておきますが...........作中で桃姫ちゃんが言っていた言葉は、あくまで作者の考えですので、どうぞご了承ください。

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