【商人side】美濃の変化

【商人side】

美濃の商人「う〜ん。多分、あまり良い値は付かんと思うぞ」


美濃のとある商人の店にて、俺が持って来た、砂糖をマジマジと見ながら、その男はそう告げた。


商人「何!?」


砂糖は貴重な物。


故に、高値で売れるはずなのだが...........


商人「どういうことだ!!」

美濃の商人「どういうことも何も.....今の美濃では、砂糖は貴重でもないってことさ」

商人「.....は?」


砂糖が......貴重ではない..........だとぉ!?


そう思っていたら、美濃の商人がある物を見せた。


それは、茶色の塊のような物で、少しばかり粉っぽい感じがした。


美濃の商人「これが美濃の砂糖。白い砂糖よりも茶色いが、コクがあって美味いぞ」

商人「これが.....砂糖?」


この小さな茶色い塊が、美濃の砂糖なのか..........


美濃の商人「あぁ、そうだ。何でも、工場で作られたとか」

商人「工場?何だそれは」

美濃の商人「お侍さん曰く、を大量に作るところらしい」

商人「なっ!?」


ということは......


商人「今の美濃では、砂糖を大量に生産出来るのか!?」

美濃の商人「まぁ、そんなところだな」


笑いながら、そう言う美濃の商人。


...........この一月の間に、何があったのだ?


美濃の商人「そうだ!!どうせだったら、一緒に【ほっとちょこれいとぉ】を飲まないか?」

商人「【ほっとちょこれいとぉ】?」

美濃の商人「今、美濃中で流行っている飲み物だ。甘くて美味いぞ〜」


肩をポンポンと叩きながら、そう言う美濃の商人。


...........美濃中で流行っている飲み物、か。


飲んでみる価値はありそうだな。


美濃の商人「お〜い。そこの【ちょこれいとぉ屋】の旦那、【ほっとちょこれいとぉ】を二つくれ」

ちょこれいとぉ屋「あいよ!!」


そう言うと、温かなそうな【ほっとちょこれいとぉ】を手渡す【ちょこれいとぉ屋】の店主。


【ほっとちょこれいとぉ】を手渡された時、まず最初に驚いたのは、あの商人の言葉通り、【ほっとちょこれいとぉ】から甘い匂いが漂っていた。


美濃の商人「どうした?飲まないのか?」

商人「の、飲むに決まってるだろ!!」


そう叫んだ後、【ほっとちょこれいとぉ】を飲む俺。


その瞬間、口の中に甘く、滑らかな何かが流れ込んだ。


商人「う、美味い!?」


何だこれは!?


美濃の商人「どうだ?美味いだろう?」

商人「あ、あぁ.......」


...........こんなにも甘く、美味い物は初めて飲んだかもしれん。


商人「......なぁ、この【ちょこれいとぉ】という物は売ってたりは」

美濃の商人「今のところ、美濃でしか売っていないと思うぞ」

商人「そう.......か」


砂糖と【ちょこれいとぉ】を独占している、美濃の奴らが少しだけ羨ましい。


少しだけ、そう思った俺なのだった。

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