鷺山城のお花見

【桃姫side】

道三「久しいな、桃姫よ」

桃姫「お久しぶりです、父上」


今日はお花見当日!!


なので...........今現在、鷺山城には斎藤道三とその家臣達がいた。


道三「......どうかしたのか?」

桃姫「ア、イエ、ナンデモナイデス」


くぅ!!いつ見ても、リアル斎藤道三は男前ぇ!!


道三「しかし.....まさか、鷺山城の庭がここまで華やかになるとはな」


鷺山城を見つめながら、そう呟く道三さん。


桃姫「私としては、こっちの方が好きなんですけどね」

道三「フッ......お前らしいな」


そう言うと、私に向けて微笑む道三さん。


...........信じられる?この人があの美濃のマムシだよ?


桃姫「やっぱり、うちの父上はイケメンだわ〜」

女中「桃姫様、心の声が漏れております」

桃姫「あ、ヤバ」


しまった!?つい、本音が漏れてしまった!!


道三「.....桃姫よ、それは褒め言葉か?」

桃姫「は、ハイ!!」

道三「...........そうか」


アレ?なんか嬉しそう。


桃姫「ところで、兄上義龍と十兵衛はどこに?」

道三「義龍はここには来ておらん。だが、十兵衛ならあそこにおるぞ。」


そう言うと、十兵衛がいる方向を見つめる道三さん。


ちなみに、十兵衛の本名は明智光秀。


そう、あの日本一有名な裏切り者こそ、十兵衛なのだが...........ハッキリ言って、何で裏切ったんだろうと思うぐらい、めちゃくちゃ良い人なんだよね。


本当に不思議だわ〜


桃姫「十兵衛〜!!」


そう言うのと同時に、十兵衛に近づく私。


すると、十兵衛は私の方を向くと


十兵衛「!?」


驚いたような顔になるのだった。


十兵衛「も、桃姫様!?」

桃姫「やっほ〜!!元気?」

十兵衛「え、えぇ、元気ですけど....?」

桃姫「なら良かった!!」


そう言うと、ニッコリと笑う私。


桃姫「ところでさ、今から茶会をしようと思うけど......十兵衛も参加する?」

十兵衛「もちろん、そのつもりです」


私の顔を見つめながら、そう言う十兵衛。


ていうか、よくよく考えてみると...........お花見に斎藤道三と明智光秀が参加している時点で、歴史オタクが喜びそうな光景だね。


道三「して桃姫よ。今回の花見の茶菓子は何だ?」


私に対し、そう尋ねる道三さん。


フッフッフ.....その言葉を待っていたのよ!!


桃姫「本日の花見の茶菓子は...........こちらでございます」


私がそう言うと、女中さん達がある物を持ってきてくれた。


それを見た道三さんや十兵衛、家臣達はというと..........皆、驚いたような顔をしていた。


そりゃそうだろう。


何せ、目の前にあるのは...........甘い匂いが漂う、ドロドロの液体となったチョコレートが入った小さな鍋と、色とりどりのフルーツが乗った皿なのだから。


桃姫「これが本日の茶菓子、チョコレートフォンデュでございます」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る