甘い衝撃
お花見大作戦!!
【桃姫side】
ヤバい、調子に乗ってやりすぎたかも。
チューリップに薔薇、ラベンダーやパンジーが咲き乱れる庭を見つめながら、そう思う私。
桃姫「わぁ、植物園みたいになっちゃった」
いくら花が少ないからって、ポンポン花を咲かせすぎちゃったかな?
でもま、これぐらい華やかな方がいいよね?
桃姫「......ねぇ、これって父上が怒るかな?」
女中「かもしれないですね」
桃姫「だよね!!」
植物園状態となった庭を見つめながら、そんな会話をする私達。
女中「でも......私としては、色とりどりで好きですよ」
桃姫「なら、良いんだけど.......」
確かに......戦国時代の城の庭で、ここまでカラフルな花、しかも、外国の花が咲いてることは無いからなぁ。
女中さん達からしてみれば、珍しいのかもしれない。
女中「まるで、一足早く春を見ているような気分です」
桃姫「春.....ねぇ」
プチ氷河期にも関わらず、咲き誇る花の数々。
...........うん、どう見てもヤバいね。
桃姫「どうせだったら、この花をツマミにお菓子でも食べたいなぁ」
そういえば、この時代では、まだ庶民にお花見は浸透していなくて、お花見をしているのは、武家か公家だけだっけ?
女中「確かに.....それならきっと、道三様もお喜びになるはずです」
桃姫「でも、そうなると...........茶菓子が必要になるよね」
この時代は、砂糖がとにかく貴重!!
なので、砂糖を使ったお菓子もレアなんだよね......
桃姫「さて、どうしたもんかねぇ.......」
ん?ちょっと待てよ。
確か、砂糖の原材料って......
桃姫「サトウキビ以外にもあったはず.......」
それに、現代のお菓子として必須なチョコレートも、この頃から広がり始めたはず。
だったら!!
桃姫「チョコレートが...........作れるかも!!」
砂糖もチョコレートも、原材料は植物!!
私のスキルを使えば、砂糖とチョコレートの原材料となる、植物を生み出すことができる!!
しかも、当時の人からしてみれば、チョコレートはともかく、砂糖は高級品扱いされていた。
そんな砂糖とチョコレートの原材料が、もし、栽培できるとしたら?
もし、この時代の日本で、砂糖とチョコレートが作れるとしたら?
桃姫「これは......イケるかもしれない!!」
女中「何がイケるのですか?」
私の言葉に対し、キョトン顔でそう尋ねる女中さん。
桃姫「あ、いや。私の力を使えば、美味しいお菓子が作れるのかなって、思っただけ」
私がそう言うと、女中さんの目はキラリと光り
女中「なるほど!!」
と言った。
女中「ですか、菓子を作ると言っても、何をお作りになるつもりなのですか?」
桃姫「とりあえず、砂糖を作るつもりだよ」
女中さんに対し、私がそう言うと...........
女中「...........え?」
女中さんが、呆然としたように呟いたかと思えば
女中「えぇぇぇぇぇ!?」
今度は大きな声で叫ぶのだった。
☆☆☆
桃姫ちゃんの発言が、どんだけヤバいのかというと...........例えるなら、一から黄金を作ると言っているのと、同じくらいのレベルです。
あと、かつてのチョコレートは、薬として飲まれていて、その時にミルクやら砂糖やら、唐辛子やらを入れ始めたみたいです。
ちなみに、この頃のチョコレートは、ホットチョコレートが主流だったとか。
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