第2話

その後、僕の元へ警察やってきた。

近所を探検してくると言って出て行き、暗くなっても帰ってこない娘を心配した保護者が警察の届を出す。次の日あたりから本格的に捜査が始まり、その後遺体で発見。

殺人の可能性も考え、周囲の人間に聞き込みを行う。

こんな感じだろうか。

彼らの様子から、容疑者と疑われているのではなく、彼女のクラスメイトになるハズだった生徒に聞き込みをして、順番が回ってきただけだ。

殺人後、警察を相手にしても同様一つせず無難に彼らの質問に答えられた。

自分でも驚く程ね。

殺したという手ごたえが少なかったからかもしれない。おかげで特に怪しまず次の城戸さん家へ向かった。

アリバイがないのは僕だけではないだろうし、僕が殺す理由は、

彼らにはない。

そこからどう処理されたのかは知らないが、あれっきり警察が僕の元へ来ることはなかった。


「まだ引っ越してばっかでしょ、ここら辺案内してあげるよ。

みんなが知らないような場所にも連れていってあげる。

あ、でも大人が見たら怒られるかもしれないから僕と一緒ってことは内緒でね。」

断られたならその時は諦めるつもりだったけど。


隙間隙間に植物が育っているているキリ立った岩場。

正直その後は本当によく覚えていない。

でも

僕は想像力が豊かだから

きっとこんな感じだろう。

「見て、あそこの岩の下に、」

「もうちょっと屈んで..」

突き飛ばす

バン


彼女の悲鳴や最期の顔さえ覚えていない。

また会うこともできない。

でもこれでいいんだ。

これで彼女は一番美しくなる。

美しさは存在している時間に比例している。人の美学は人それぞれさ。

だからいる時間が少なければ少ない程美しいんだよね。

誰だって美しいものは好きだろ?

そして

もしそれがまだ未熟であれば、その美しいものを最大限美しくしたいとも思うだろう?

桜が満開になるまで待つように

原石があれば宝石と呼ばれるまで磨くように

僕も同じさ


いなくなれば僕の想像が彼女をより美しくしてくれるだろう。そうするにはこの方法しかなかったんだ。

でも誰も理解できないだろう

警察だって分りゃしない。彼らにはお金とか、痴情とか、因縁とかしか考えていないんだから。

彼女と初対面な僕は、動機がない人間にカテゴライズされる。

ど田舎の人気のない山道。

争ってもない。

証拠なんて出るだろうか。


自分の異常さは自覚してるさ。

美しさを追求したいという欲が尋常じゃないほどあったことも。

僕みたいなやつは一人で十分だ。





事件当日のアリバイは無し。本人曰くゲームをしていた。不審点なし


氏名 葛木 鶉 (カツラギ ウズラ)

性別 女

住所 南日野市 2

被害者の同級生。

事件当日のアリバイは無し。本人曰く部屋で本を読んでいた。不審点なし。


氏名 城戸 美織 (キド ミオリ)

性別 女

住所 日南市 23-5

被害者の同級生

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自白 三日月 青 @mikazuki-say

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