第10話 内臓火器
ワルカの盾とライフルは、土を落とされ、カイ・タウアーに引き渡される。カイは、自警団の整備士をしており、元は軍で整備士をしていた。
彼は、ガントを整備した経験もあるが、ワルカは手に負えるものではなかった。それでも彼は自警団のために盾とライフルを使えるようにしたかった。
カイは、アウレールに言う。
「とんでもない物を掘り出してきたな。」「これ直せるかな。」
「このライフルは指向性のエネルギー兵器だ。ガントのもののように弾丸を打ち出すわけではないから、仕組みすらわからないぞ。」「盾のビームバルカンも難しいかな。」
「ああ、分からないことだらけだ。とりあえず、ばらせるだけやってみてきれいにするくらいだな。」「それで治るの。」
「接触不良ならいいが部品が壊れていたらお手上げだ。」「カイが無理なら仕方がないな。」
「今、ワルカ用に斧のようなものを作成してるから、それを使うことになるかもな。」「斧なんか使えるの。」
「ワルカの大きさに合わせているんだ。十分使えるさ。ライフルは今日中に仕上げるから、明日テストするぞ。」「お願いします。」
アウレールは元気に走って行く。カイはライフルを見て徹夜を覚悟する。
翌日の午後、アウレールはカイの所に行く。カイは彼を見ると疲れた様子で言う。
「ライフルを仕上げてみたから試してみてくれ。」「分かった。試すよ。」
アウレールはワルカに乗り込むと、右手でライフルを持つ。ライフルはワルカとリンクするがスクリーンには赤字で何かを表示している。
「カイ、スクリーンに赤字で表示されているよ。」「それはたぶん故障個所だ。いくつある。」
「5つあるよ。」「なんて書いてある。」
「バレルゆがみ、エネルギーチューブ破損、制御装置エラー、サイトレーザー破損、エネルギーパックエンプティ。」「こりゃ、部品が無いと直せないなー」
「ダメなの。」「ああ、お手上げさ。」
「そうか。」「盾も試してみるから2,3日くれ。」
「武装が無いと締まらないなー」「ワルカには内臓の兵器があるだろ。使えるか試したか。」
「調べてみるよ。」
彼はコックピットの中で「武装表示」と言ってみる。するとスクリーンに表示される。
胸部に機関砲が2つ。両肩に榴弾砲。腹部にレーザー砲を備えているようだ。
彼は「機関砲表示」と言うとパス、残弾率100%と表示される。機関砲は使えるようだ。
次に「榴弾砲表示」と言うとパス、残弾右5,左5を表示される。
アウレールは榴弾についてよくわからないので「用途」と言ってみる。すると対ムーラー用と表示される。
彼はワルカがムーラーと言う地球外生物と戦っていたことを思い出す。
さらに「レーザー砲」と言うとパスと表示される。内臓兵器は全て使えることが判る。彼はカイに言う。
「内臓兵器は全て使えるよ。」「何があるんだ。」
「機関砲と榴弾砲、レーザー砲だよ。」「役に立ちそうだな。」
「これを使ったら攻めてくる奴ら死ぬんでしょ。」「使わないと殺されるぞ。」
「そうだけど。」「ガントが出てきたらどうするんだ。武装が無いだけこちらが不利だぞ。」
「何とか無力化できないかな。」「それは、俺たちじゃあ無理な話だよ。」
アウレールは、戦いに参加するつもりだが、敵と殺したくないと考えている。
カイは盾を分解して調べる。そして盾にライフルのエネルギーパックが5つ取り付けられていつことを知る。
そして、アウレールとビームバルカン砲が動くか試すがエラーのままだった。
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