第9話 武装
アウレールは、ワルカの地上戦用のシミュレーションをこなしていく。そして彼はワルカに武装が欠けていることに気づく。彼のワルカには、ライフル、盾、刀が無い。
彼はシミュレーション訓練を終わり、事務所に戻るとブルーノに言う。
「俺のワルカに基本の武装が無いよ。」「あれに何が足りないんだ。」
「ライフルと盾、刀だよ。近くに埋まっていないかな。」「埋まっていたとしても探したり掘り出している時間は無いぞ。」
「また、戦闘があるの。」「軍の連中はやられたんだから、必ず来るぞ。まだ来ないのが不思議なくらいだ。」
ブルーノは覚悟を決めているが肝心の軍は襲ってこない。
エリア29での軍の敗退は、まだタウンズビルの司令官ダーグ・ヘーグバリに報告が届いていない。彼は部下の失敗を許さないため、軍の士官たちは悩み、報告が滞っている。
翌日の午後、アウレールはブルーノに言う。
「ワルカの武装を探しに丘へ行ってもいいかな。」「どうやって探すんだ。見つけても掘り出せないだろ。」
「ワルカを使うよ。センサーがあるから地中の中の物を探せると思うし、きっと掘り出せるよ。」「分かったが。せっかくきれいにしたんだから汚すなよ。」
「分かった。」「私も連れて行って。」
クリスタがアウレールに言う。
「ワルカは1人乗りだよ。」「もう1人位は入れるだろ。」
アウレールが難色を示すとブルーノが助け舟を出す。
「分かった。じゃまするなよ。」「分かっているわよ。」
2人は広場に行くとワルカに乗り込む。アウレールがシートに座るとクリスタはシートの後ろに回る。
シートの後ろは狭く大人が入ることはできないが子供のクリスタはぎりぎり入ることが出来た。
アウレールは家を壊さないように道を慎重に歩いていく、そして、丘に出ると地中レーダー探査センサーを作動させる。
センサーの探査できる深さは10メートルが限度のようである。彼はまずワルカが埋まっていたところを目指す。
するとワルカの埋まっていた場所の手前で深さ2メートル位の所に大きな物体のようなものが埋まっているのを見つける。
アウレールはワルカで掘り出しにかかる。物体の端の方を掘り、物体に手をかけると引き上げる。すると物体は平たい形状でずるっと滑るように出てくる。
彼はそれが盾であることにすぐ気づく。クレスタが言う。
「もう見つけたの。」「大きいから分かりやすかったんだ。」
「これって使えるの。」「試してみるよ。」
彼は左手に盾を装備してみる。ワルカがオートで盾とシンクロを始める。スクリーンに状況が表示される。
10項目が表示される。アウレールには分からない項目が多いがビームバルカン砲はエラーとなっており、防御スクリーンはパスとなっている。
彼は独り言を言う。
「ビームバルカン使えないのか。」「ビームバルカンてなあに?」
「盾に内蔵されている武器だよ。壊れているみたいだ。」「残念ね。」
「これならライフルと刀も近くにあるよ。」「探しましょ。」
この後、ライフルを見つける。しかし、ライフルはエラー表示で壊れているようだった。
そして刀は探すが見つからなかった。2人は盾とライフルをもって広場に戻る。
アウレールは事務所に言ってブルーノに報告する。報告を聞いた彼は言う。
「ライフルだけでも使えるようにしたいな。それにワルカ用に得物が欲しいな。」「武装を何とかできるの。」
「やれるだけやってみるさ。」
ブルーノにとってワルカ攻撃力は戦いの勝敗を左右するものである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます