第13話 特殊魔法 死鴉操者
「
特殊魔法だって!?ジギーロッドのやつ、今この瞬間に更にレベルアップしたっていうのか…これはまずい…。どうにかして奴を止めないと…。
「
ジギーが静かにそう唱えると、浮いていた死鴉達は一斉に降り始め 地面に叩きつけられた鴉は暴風となって僕たちを襲い始めた。
「くっ…なんだよこれ…チートじゃないか…」
「こ、こんなにありぃ?いきなり強くなりすぎるとか有り得ないんですけど?」
いきなり強くなりすぎる?チート?
何言ってるんだ僕たちは…チートなら僕だってさっき使ったじゃないか…相手が覚醒をしてほぼ負けが決まってるようなこの戦い、どうせ死ぬかもしれないならやり切って死んだ方がいい…。
だったら…
「特殊魔法…
「それを待っていた…」
相手の死鴉をすべて吸収しカウンターが決まったと思った次の瞬間…
「
「ぐっ…」
間一髪 ギリギリかわしたが相当な深手をおってしまった…。魔力もそこをつきかけている以上 回復に魔力を使う余裕はなさそうだ…。
ならどうするか…諦めるのか?
いや、それだけはないな。
「クロウナ!レイティア!一旦僕のところへ集まってくれ!」
「え?でも集まったら
「セイタには何か考えがあるんだよ!行くよレイティア」
レイティアは1箇所に集まることが不安のようだ、無理もないさっきの攻撃もへたしたら死んでいたかもしれない。だけどクロウナのおかげでレイティアも納得して集まってくれた。
「集まってくれてありがとう、まずは僕が僕ら3人の頭上に傘型のシールドを作る。その間はレイティア 自分自身とクロウナに魔力強化の魔法をかけて戦ってくれ。」
「わかったわ…」
と、レイティアは頷く。
「それからクロウナは僕のシールドが破壊される、もしくは魔力切れまで全力で戦ってほしい そしたら僕と交代だ」
「了解だよ!」
「そして、その交代の瞬間 レイティアは僕に魔力回復の魔法をかけてくれ!よし、それじゃあ勝ちに行くよ!」
「うん!」
「まかせて!」
その掛け声とともに3人は同時に魔法の詠唱を始め クロウナ、レイティアは走り出した。
「特殊魔法、創造…
空気の盾が僕たち3人の頭上に展開される。
「特殊魔法、
クロウナそしてレイティアに力がみなぎる…
「特殊魔法、
クロウナは大技を撃つかのようにためを長くする。
これは僕の考えだ…ためを長くすることによって大技と見せかけクロウナに意識を集中させ僕に意識を向けさせない…。そしたら…
「そのような小細工が俺に通用すると思っているのか?今の俺は特殊魔法使いだぞ?」
「まずい…
「だめだ、クロウナ!」
遅かった…僕が止めた時には既に影槍を放っていた…
この時点で相手の思うつぼ…策略にはまっていたんだ。
「特殊魔法、死鴉操者…
終わったと思った…僕はまた失ってしまうのかと、そう思っていた…。
死反射により跳ね返った影槍はクロウナに当たる寸前で地面に突き刺さった…
「な、何をした!」
何をした?…そんなのこっちが知りたいくらいだ…
一体何が起こったというのだ?クロウナも驚いている様子だ、ということはクロウナでもない。
そうではないとしたら…レイティア?
「何ぼさっとしてるの!セイタ、クロウナ あなたたちにかかってるのよ!」
その通りだ…その通りなんだけどな レイティア…。
ダメなんだ…すべてを跳ね返されてしまう…
「どうしたらいいんだ…。」
僕たちふたりにもあいつを倒す手段がない…
そして、レイティアの魔力もいつまで持つかわからない…。さて、どうしたものか…
反射を壊せるくらいの威力の攻撃をぶち込む…
それは今の僕たちには無理だ魔力量が圧倒的に足りなすぎる。
反射ができないくらい連続で攻撃を撃ち込み続ける…
それだけ魔法を使い続けなければいけない…つまりはそれだけの魔力量が必要だ、これも却下…。
じゃあどうするのかって?
「レイティア!」
僕はレイティアに目で合図をする、それにレイティアも反応し頷く。
一か八かだがやってみるしかない…うまくいかなかったら3人仲良く…墓の中だ!
「特殊魔法…創造…」
「何度やっても同じことだ!特殊魔法、死鴉操者…」
頼む…上手くいってくれ…
「
頼む…
「死反射…」
頼む…
「ぬぁ、なんだこれ…くそっ、ぐっ…」
成功だ…ジギーロッドの周りには黒煙が舞っていた…
飛沫爆煙弾は触れた瞬間に爆発し煙が飛び交う。
相手の…ジギーロッドの視界を奪ってやろうってわけだ…おっとそんなことを言ってる場合じゃない…
「クロウナ!レイティア!」
2人は僕の合図で走り始める。
魔法を発動させようとしたその時だった…
「解いたな…」
その言葉に僕は身震いをした…恐怖した…。
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