生命旅行記−生きる意味を求めて旅をする−

第14話 跳返壁 ライミー登場

「解いたな…」

その言葉に僕は身震いをした…恐怖した…。

でも、それでも…やるしかないんだ！！！

「特殊魔法（ハイスキル）、創造（リメイク）…鋼槍乱打（ランダムスチールランス）」

たとえ身震いしても、怖くても…

男にはやらないといけないことだってある…

僕だって、僕だってぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！

「特殊魔法…死鴉操者（ジギーロッド）…転移壁（ワープウォール）…」

「え…」

そう唱えた瞬間、僕の放った攻撃はジギーの発動した壁に吸い込まれた…

そして次の瞬間…左右を走っていたクロウナとレイティアに直撃し2人は…倒れた。

「クロウナ！レイティア！」

「くっ…ぐ…」

「はぁ…はぁ…う…」

幸い2人に息はあるようだ…でも、この後どうやって、僕が攻撃をしてしまえば…

また2人に攻撃がいきかねない…だったらどうする、僕たちはこのまま負けて…死んでしまうしかないのか？

「もぉ終わりか？見損なったぞ…なら望み通り終わらせてやろうか…」

あぁ、終わらせてくれ…

もぉいいんだ…僕は頑張った…

僕は頑張ったんだ…きっと許してくれる…

きっと、命も許してくれるはずだ…命…

「………ない…」

「あぁ？」

僕は…

「………めない…」

「なんだ？言いたいことがあるならはっきり言え」

僕は絶対に…

「僕は…諦めないっ！」

「ふん、いいだろう その心ごとへし折ってやる死ね」

こんなところで…こんなところで終わるわけにはいかないんだ。命のために…いや、僕自身のために！

「特殊魔法…死鴉操者、死鴉巨大砲撃（デスクロウビッグボンバードメント）！」

なんだよこれ…なんだよ…チートじゃないかこれ…

無理だ…今の僕の魔力量じゃあ、止める手段は…

ない、だけど…だけど…

「絶対止め…へ？」

僕が顔をあげるとすぐ近くにジギーの攻撃が迫ってきていた…魔法を発動する時間はない…

これが詰みってやつだ…もぉ、これが本当の終わりなのだと僕はそう思った…

そして次の瞬間 またしてもさっきと同じようにその攻撃は僕の目の前で地面に突き刺さった…

それから先程とは違い1人の子ども？が目の前に立っていた…。

「まだ諦めちゃいけないよ セイタ！」

え…僕の名前を知っているのか？

僕は知らない…この子はいったい…。

「セイタ…僕は君の味方だよ、とりあえず詳細はあいつを倒してしまってからね！」

「あ、あぁ…」

とりあえず仲間ならいいのか…仲間…なら、信じてみようか。どちらにせよこのままいけば僕らの負けは濃厚、だったらかける価値は十分にある。

「でも、どうやって…」

そう聞くとニコッと笑って

「僕にいい考えがあるよ、こっちきて」

そう言って耳うちで作戦を伝えてくれたのだが…

「いや、でも…そんなことほんとに上手くいくのかな？またクロウナたちに当たったりでもしたら…」

「そうはならないから僕を信じて思いっきりやって！」

あぁもぉ、こうなりゃやけだ…どうせ負ければ死ぬんだ…だったらかけてみようじゃないか その策に

「どうなっても知らないからな！」

「わかってるさ！」

「特殊魔法 創造…金剛槍（ダイヤモンドランス）！！！」

転生前の世界で持っていたものがここで役にたつとは…でもこれで…

「受け取れぇ！あとはまかせたぁぁぁぁぁぁ」

「なにぃ？おまえ血迷ったか…でも好都合だ勝手に仲間割れをしてくれてるのならなぁ」

まぁ、そう思われるのも仕方ないな…傍から見たらこれはそういうことだもんな…味方に強力な攻撃をぶち込むなんて…

「任せられた…魔法 跳返壁（バウンドウォール）！ふんっ！」

僕が放った攻撃は魔法 跳返壁によって威力を増してジギーの方へ起動を変えた…

「だから…俺に攻撃しても無駄だと、何度言ったらわかるんだ？女2人をそんなに殺したいみたいだなぁ」

「くっ…」

あいつの言う通りだ、こんな一か八かの…

違う 僕らを仲間だと助けてくれたんだ、信じるしかない…いや、信じるんだ！

「まぁ、いい…特殊魔法 死鴉操者 転移壁…これでおわ…ぐはぁっ…かはっ…な、なんだこれ…なぜ転移できなかった…」

動揺してる…というか攻撃が転移されなかった？どうなってるだこれは…僕にも何がどうなってるのかわからない…

「君、スライムって知っているとは思うけど 変異体ってわかる？」

「変異体…だと？」

なにやら話し始める、それにジギーはどこかまだ動揺しているようだった…。

「僕は群れで行動していたんだ生まれたばかりでねだけどんなとき とある2人の男女がやってきて僕らを一掃してしまってね…」

あれ…それって僕らじゃね？

「だけど、僕だけは反発した負けてたまるかと…それで僕はこの魔法 跳返壁を手に入れてこの身体となったんだ」

ん？これ助けたあと僕らもこの子に殺される？

いや、だとしてもこの子を信じるって決めただろ…

揺らぐな僕、絶対に…

「最初は敵討ちの為につけてた…けど、なんでそういうことをしたのかしてるのか理由がわかったから…だから、協力することに決めたんだ。」

「…」

そういうことだったのか…

でも、これでこの子が本当に敵ではないということがハッキリした…

「君、名前は」

「名前？僕に名前はないよ？」

名前がない…たしかに魔物（モンスター）に名前はないか…僕がもといた世界の物語もそうだったし…

じゃあ…

「いくよ、ライミー！もう1発だ！」

「え…あ、うん！」

勝つんだ…僕たちが勝つんだ！

「特殊魔法…創造、 金剛花火槍（ダイヤモンドフレイムランス）！」