第11話 再戦 最高幹部ジギー・ロッド
僕たちはまた奴を目の前にしている…。
クロウフック 最高幹部 第8幹。
はじめての本気の戦い…そしてはじめての敗戦…
正直悔しかった、このままだとダメなんだと 誰も守れない、助けることなんてできないそう思わされた…
そして僕は…僕たちは……
「ジギー・ロッド!今日こそおまえに勝つ!」
ジギー・ロッドはニヤリと笑みを浮かべ
「おもしろい…たった数日、貴様らに何ができる」
そう言い放った奴は僕たちのうしろに立つ少女 レイティアを見つけるとまた、ニヤリと笑みを浮かべた
「貴様らの自信はその新しい仲間ってわけか 笑わせる。どれだけ仲間を増やそうと俺には勝てない…いや、クロウフックには勝てないことをわからせてやろう」
その瞬間どこから湧いたのか大量の
「来るよ…クロウナ、レイティア。」
2人は静かに頷き、そして静かに…魔法を唱えた…。
「特殊魔法
「特殊魔法 創造
「特殊魔法 操影
レイティアの特殊魔法 特殊魔法強化による術 つまり魔力が強化されてことによって威力の増された2人の攻撃がジギー・ロッドを襲う…
「魔法 操者
その詠唱の瞬間 奴のまわりを死鴉達が包み込むように守りを固めセイタたちの威力が上がった攻撃を防いだ……ように見えたが死鴉達の隙間から赤い血液の様なものが滴り落ちるのが見えた…。
死鴉から流れているのかと思われたその血は ジギーロッドから流れているものだった
「ぐっ……馬鹿な…おまえらの攻撃を完全に防いだはず、なのになぜだ…」
ジギーは動揺していた、負けるはずのない格下だと思い込んでいた奴ら相手に思わぬ傷をつけられてしまったからだ…
「今よ!2人ともたたみかけるわ!」
僕たち2人はレイティアの言葉にまた魔法の詠唱をはじめる
「特殊魔法 創造…」
やれるかはわかんない…でもやるなら今だ…
一か八か大技を…やつにくらわせてやるんだ!
「
セイタは魔法発動と同時に空気風を掴み矢を創造し飛ばす…一直線にジギーへ向かう。
「くっ…」
向かってくる風の矢を見たジギーは守りを固めることなくその矢を避けようとする…
「特殊魔法…操影
地面から伸びた影がジギーの身体を縛り付け身動きが取れないようにする…
「なぁにぃ!」
「させないよ!」
避けようとしたジギーの身体の動きを封じたことでセイタの放った攻撃が一直線に向かっていく。
「やめろ…やめろぉ!離せ…離せぇぇぇぇぇぇ!」
暴れ狂うジギーがクロウナの影鞭を破ったその瞬間 風の矢が肉を引き裂くような音がした…
「ぐ…ぐはぁっ…」
その瞬間 響き渡る声とともに浮いていたジギーが地面に倒れ落ちた…。
「や、やった…?」
「やった…の…かな……?」
クロウナ、レイティアが顔を見合わせる…
「やったぁー!」
「やったんだね!」
時間が経っても動かないジギーをみてクロウナ、レイティアが喜びの声をあげた
僕は何故か喜べなかった…
なにか、嫌な予感がしていたから…
恐る恐る、ジギーのもとへ近づくと 次の瞬間その嫌な予感が的中した…
「魔法 操者…」
「なにっ!?」
地面に倒れて動かなかったジギーが倒れたままこちらを一切見ることなく魔法の詠唱を始めた…
「お前たちの技…そっくりそのまま返してやる…」
こちらを不気味な笑顔で見ながらそう言い放った…
「なにをする気なの…」
「わからないけど危険なのは確かね…」
先程まで喜んでいた2人も顔色を変え戦う姿勢に変わる…しかし、時すでに遅しとはおそらくこのことを言うのだろう。
この後起こった事実にその姿勢はまったくの無意味だった…
「
そう呟いた ジギーロッドに危険を察知した僕はとっさに詠唱をはじめた…
「特殊魔法、創造…
空気の壁が僕を覆う…後方を見ると2人はまだ戦う姿勢を崩しておらず今の危険な事態に気づいてはいなかった…。
「クロウナ!レイティア!避けろ!」
その声を聞いたクロウナ、レイティアは戦闘態勢をとき 攻撃を避けるための体勢をとったのだが…
「遅い…」
遅い…たしかにそうジギーロッドから聞こえた言葉…
その次の瞬間 空からは死鴉の雨…地面からは氷柱のように鋭く尖った死鴉が、僕ら3人を襲った…
空気壁で守りを固めていた僕はなんとか生き延びたのだが…直前まで戦闘態勢だった2人は…
「よく生きのびたな…だがおまえの仲間たちは…」
「いててて…なによまったくもぉ…」
「せっかく2人からもらった身体がボロボロなんだけど…ほんとありえない。」
舞い上がった煙が完全に消え去りそこからふたりのクロウナとレイティア姿が見えた。
それにはさすがのジギーロッドも驚きの表情だった。
「なぜだ…なぜ生きている…」
その言葉にふんっと自慢げに笑って見せた2人…
再び、僕たちとジギーロッドの戦いがいま始まろうとしていた。
「さぁ、やろうか!」
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