第10話 隠れ強化の森
私の名前はレイティア
「よろしくな!レイティア!」
「よろしく レイティアちゃん!」
私は死んだわけではない…ただ、クロウフックのメンバーである1人に光の身体にされてしまった。
もちろん、光の身体では体力も減らないし お腹もすかなかったけどいろいろと制限されていた…。
そんな時 クロウフックの最高幹部と戦う彼らをみて もしかしたら彼らならと期待をしてしまった…。
「私が望んでいた以上だった…ありがとう」
レイティアは涙をぬぐいながらそういうと両手を腰にあてて一呼吸する、そして 僕らに向かってこういうのだ…
「君たちにはもっと強くなってもらう セイタは今の倍レベル70 クロウナは90を目指してもらう!ちなみに私はレベル30頑張ろうね!」
と、そんなことを言い出した。
「待ってくれレイティア レベル上げするのはいいんだけど、そんなにどうやってあげるのさ 時間もそんなにかけられないだろうし…」
クロウナはうんうんと首を縦に振り聞いていたが、僕は辛抱たまらずそう聞いてしまった。
「それなら大丈夫だよ!うしろを見てごらんよ」
言われるがままうしろを振り返るとそこには一際目立ち青々と茂った大きな森があった
「なんかあそこだけ森じゃなくて森ィ!って感じしない?セイタ…」
「なんか少し言い方変えただけじゃない?それ…でもまぁ、言いたいことは僕にもわかるよ…」
たしかにそうだ、もちろんまわりも森なんだけどそこだけはなんか違うというか
「まぁまぁ、セイタもクロウナもさ そんなに怖がらなくていいから とりあえずあっちまで行こうか」
近くでみるとその存在感が更にわかる…今にも飲み込まれそうなそんな感じだった…。
「それでレイティア、僕たちはなにをしたらいいんだ?」
「そりゃあもちろん強くなってもらうよ!」
…とにこやかに言う。
その強くなるためにはどうしたらいいんだという意味で聞いていたんだけどな…。
「セイタはそのどうやって…」
「とりあえず行ってみよー!」
クロウナが話しているのを遮るように声高らかに右手をあげそう言う…
「いや、ちょ…だから……」
「森よ聴け…我らにこの世の悪を裁く為の力を授けたまえ…授かるためこの森へ入ることを許したまえ…」
レイティアが呪文のようなものを唱え終えるとその森だけが風もないのにザワザワと動き始めた。
そして、森の真ん中に大きな洞窟のようなものができた…
「レイティア…なんなんだこれ……。」
「これはねぇ〜」
「その必要はない…」
とレイティアが話はじめようとするのを森が遮り話をはじめた…いや、森が話し始めたっていうのもおかしな話なんだけど、実際そうみたいなんだ…
「ここは隠れ強化の森…悪を裁くものだけが入ることを許された場所である。ここでは通常の倍以上の経験値を得ることができるのじゃ…」
なるほど、それなら時間をかけずにあいつを倒すことができるようになるかもしれない…
「さて、その前におまえたちのレベルと魔法を確認しようかのぉ………なんじゃと…おまえたち2人とも特殊魔法もちじゃったのか…レイティアがそうなのは知っておったが…」
そんなに珍しいのだろう 僕のを見た時は長々と喋られたものだ…
まぁ、そんなこんなで僕らは隠れ強化の森へ入ることになったのだが…目の前にはどこか見覚えのあるものが量産されていた…。
「ねぇ、セイタ…」
おそらくクロウナもそれに気がついていたようで目線をそれらに向けたまま話しかけてくる。
「うん…そうだね…」
そう僕たちが驚きを隠せずにいると うしろにいたレイティアが話しかけてくる
「2人ともなにをそんなに固まっているんだい?スライムくらい見たことあるでしょ?…とはいえこの個体はまだ未発見の種なんだけどね…」
こいつらが…未発見…?
「じゃあ、どうして!」
どうして、あんな道中に湧きまくっていたんだ?
「どうしてって…昔話の類でねこういうスライムがいるよってのは残ってたんだ だからそれを元にここの主が作ったってわけなんだよ!」
…じゃない、そうじゃない…
「僕らは…こいつらに会ったことがあるんだ」
そういうとレイティアは笑いだしたが僕とクロウナの真剣な表情に笑うのをやめ口を開く…
「それは本当なの?だとしたら大問題だよ…ちなみにその時見たその子たちはどうしたの?」
「僕とクロウナで全滅させた…」
「そうだったのね、残念だけど仕方ないね…まぁ、気を取り直して こいつら倒しちゃおうか!」
そうしてスライムを倒すことになったのだが…
「さーて、まずはお姉さんが〜…」
「特殊魔法…創造、
「え?」
「特殊魔法…操影!影氷柱(アイシクルシャドー)!」
「あれ?」
おそらく何千、何万といたスライムたちをものの数秒で僕とクロウナが全滅させてしまったからか レイティアは口をぽかんと開き目が点になっていた…
「セイタ…」
声の方をみるとクロウナがステータス画面を指さしている…僕も自分のステータス画面を確認してみるとたった数分しか経っていないはずなのにレベルが30も上がっていた。
クロウナも同じで20くらい上がっていた…
「おまえたち…やつが来ておるぞ ジギー・ロッドが…」
その言葉に僕たちの表情が変わる…
僕とクロウナはステータス画面をもう一度確認しジギー・ロッドのもとへ向かう覚悟を決めていた…
そして、歩きはじめる…。
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