第7話 行き場を失った霊女
ごめんみんな…
ごめんクロウナ…
ごめん……命……。
「
奴の放った死鴉がこちらへ真っ直ぐ飛んでくる…
真っ直ぐ?なら…
まだMPは残っている、服を破いて……
僕にあたるギリギリでかわす、それでもし追尾なら創造をつかえばいい、おそらくは追尾ではない それらしきことをなにも言っていないから…
どちらにせよあたれば即死だ、なら…
「よしっ、やっぱり追尾機能は無い…」
これならかわせる…
「ほぉ、避けるか…しかし、何発かわせるかな?」
馬鹿め今のは誘導だ、俺が追尾機能を使わないとでも思ったのか 次のに追尾をつけるに決まっているだろうが…
「魔法 操者…死鴉砲
さっきのように避けてみろ…まぁ、避けることなどできんだろうがな…
「
今、奴はさっきと違ってスキルの語尾に追って言葉が増えた…ってことは感じ的にこれが追尾機能搭載型で間違いはなさそうだ…使える…
まずはさっきみたいにかわす…
「っ…!」
「かかったな馬鹿が、貫かれて死ね…」
やっぱりこれは追尾型…地面に接触する前にかわした僕の方に方向転換してきた…
奴はおそらくこの攻撃があたると思っているはず…
だからこそ僕はさっきよりかわす時の距離を遠くした…
「
僕の左手から飛び出た繊維の投網はジギーロッドの放った死鴉砲を包み込んで消滅した…
「貴様…またも俺の攻撃を…」
いける…これなら、これなら奴には勝てなくても クロウナの魔力が回復するまでどうにかできる…
魔力も……繊維投網…くらい…なら………
「あれ……?」
魔法を準備しようとしたその時 僕は膝から崩れ落ちた…。なぜ、なぜだ…だってまだ僕には魔力が残っていたはず…なのになぜ……
「なぜ…という顔をしているな、経験値が足りないのだ貴様には」
経験値…?魔力に経験値が必要?レベルは上げた だから魔力はある…なのに…
「貴様は俺たちと戦うためにレベルを上げすぎた、だからレベル上昇による魔力アップが貴様の身体に追いついていないのだ」
魔力が身体においついてない…?
そんなことがあるのか?いや、でも…じゃあなんで…
「信じれていないようだがまぁいい、どうせ貴様はここで死ぬ…消えろ……」
そう言うとジギーロッドは両手を上に広げた…
「なにを…」
「そこで見ていろ、魔法 操者
上空でサーカスのジャグリングをするかのように死鴉を回しはじめる、回転数が急上昇した瞬間 指を鳴らし それに合わせて死鴉達が僕の方に向かって飛んできた。
これは……死んだな…
「特殊魔法 操影…最後の力を振り絞ってっ!」
諦めていたその時、クロウナが僕の目の前に走り込んできた…
「クロウナ…」
「セイタ!諦めたらダメ!私がこの攻撃は防ぐから!……
クロウナ……でも、僕だってまだ戦いたいけど…魔力が…魔力がそこをついて…
「くっ…私も魔力がもぉ……」
クロウナも僕も魔力がそこをついてしまった…次の攻撃が来たら今度こそ…だけど、今の攻撃を見る限り直線上に飛んできてるだけ これなら避けられ……
「魔法 操者…
魔法詠唱をしながら両手を上にあげるジギーロッドの上空に死鴉が数え切れない程に出現する…
終わった…
「諦めちゃダメ!」
なんだ?クロウナでも奴でもない声が耳に入る…
「諦めちゃダメだよセイタ」
誰なんだ…?
「な、なんだ、くそ、邪魔するな!」
声の方を見るとジギーロッドが紫の霧のようなものをてではらっている、魔法は途中で切れていた。
「セイタ、クロウナ あなた達は今のうちに逃げて この言葉はこの人には聞こえない、あなた達にしか届いてないの だから私が今から言う場所に行ってもう少し強くなってきて!お願い早く!」
その声に僕達は一瞬戸惑ったが クロウナと顔を見合せ声の言った通りに走り出す。
ありがとう、声の人……
「また、会おうね セイタ…」
僕とクロウナは残り少ない体力を振り絞り謎の声の主に伝えられた場所に向かい走る…
「はぁ…はぁ…さっきの声の子が言ってた場所ってここかな…」
言われて着いたのはよくひらけた場所だった…
先に進むと小さな小屋のようなものが一軒ぽつんと建っていた…
近くに行くと扉のようなものがあったので開けてみる
中には
「なになに?あ!可愛い指輪。これ私がつけるね!」
そういうとクロウナは説明も読まずに指輪を指にはまる…。
「えっと…
たしかにこれはクロウナ向けだな…それで?こっちは?
「
これチート…これなら奴と同等…いや、それ以上の力が、これは勝てるかもしれない レベル差のある僕でも…。
僕もあの声の主も思っていたこと…
ただそれは、大きな間違いだった……
最高幹部とはそれほどまでに脅威だったのだと…
痛感させられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます