第6話 霊住街-ゴーストタウン-

僕たち2人は目的地である霊住街に着いていた…

「にしても物騒だな…」

霊住街ゴーストタウンその名のとおり人影などない霊が住みついていてもおかしくない暗く静かな街だ

「そうかな、私は好きだよ ここ」

まぁ、鴉だからか…姿形は可愛らしい普通の女の子でも中身が鴉なことには変わりないんだもんな…

「だけどまぁ、この感じだと占拠はされてなさそうだね…」

まわりを見渡す限り誰もいないと思う、いそうな霊すら見れない…いや、そもそも僕に霊感なんてものはないと思うから見えないだけって説もあるけど…。

「そうだね、占拠されてないと思う。ここに来て正解だったね!セイタ」

「うん、とりあえずこのまま進もうかクロウナ」

僕たちはそのまま進むことにした、進むにつれてだんだんとまわりは薄暗くなり不気味さが増すばかりで他に変わったことはない…

変わったことといえば羽音が不気味に聞こえてくるということだけだ…。

「何もないみたいだね、どうする?別の街に向かうかい?」

「…」

クロウナの様子が変だ…特段まわりに変わった様子はない…いや、待てよ…何かおかしい、何かが……

でもなんだ?まわりに人の気配はない、あるのは鳥の羽音だけ…

「鳥の羽音!?」

なんで気づかなかったんだ僕は、クロウフック…海賊のようなものと言っても相手は人間じゃない鴉だ…

くそ、騙された…囲まれてる。ざっと10羽くらいか

人化できてないってことは幹部か下っ端なはず、ならどうにか…。

「セイタ…10羽いるのはわかる?」

「あぁ、わかるよ」

クロウナが少しこわばったような口調でそうたずねてきた…。

「ならよかった…ちゃんと見えてるんだね…。」

どういう意味だ?そんなにこわばる意味がわからない 相手は下っ端か幹部だぞ 特殊魔法使ハイスキラーい2人でやれば勝てない相手じゃないはずなのに…

「どうしたんだよクロウナ、そんなにこわばって…」

「いるの…」

いる?いったい何が…レベル45のクロウナがそう緊張するほどの相手がここにいるって言うのか?いや、そんな馬鹿なことがあるはずがない…

「いる?なにが…」

「私ね…言ってなかったけどもう1つ魔法があるの…攻でも防でもない 術の魔法が…」

術の魔法、攻でも防でもない魔法…いったいどんな、攻が攻撃特化の魔法、防が防御特化の魔法、じゃあ術ってのはなんなんだ…変化系か?バフ系?わかんない…

「私の術魔法は数字見眼ランクルック相手のステータス表記を見ることができる能力、今の私じゃレベルしか見れないけどね…」

数字見眼…その能力を使って相手のレベルを見たということか…。

「そ、それで…どうだったの……」

おそるおそる聞いてみると1番聞きたくなかった答えが返ってきた…。

「レベル120…最高幹部が1人来てる…」

最高幹部…最悪だ、まだ肆鴉フォクロウが来ていないだけマシだと思った方がいいか…

でも、この状況をどうするかだな…打開策はあるのか?とりあえずは他の9体をどうにかしないとはじまらないか…

特殊魔法ハイスキル…リm…」

「セイタ待って…」

なぜ止めるんだ?まずはあの邪魔な9体を…

「なんで止めるんだよ…他の奴を倒さないと…」

「ここでセイタがそれを使ってみなよ、命が殺される…バレるの、命が創造リメイクを持っていないことが…だからまわりの奴らは私が殺る…そしたら、セイタの力で奴を倒して」

そうか、そうだ…危ないところだった、僕はそこまで考えられていなかった…

「わかった、頼んだよクロウナ」

「OK!任せて!」

よかった、僕1人だったらどうなっていたことか…

9体を創造で倒している間に最高幹部の奴は逃亡、上層部に知らされてジ・エンドだった…。

「特殊魔法…操影シャドーコントロール……」

考えろ…考えろ考えろ考えろ……

クロウナが唱えている一瞬のこの間に奴を最高幹部のあいつを倒す方法を……

影竜巻シャドータイフーンッ!!!!!」

黒い竜巻が鴉たちを巻き込み巻き起こる、黒い竜巻の中赤い血が飛び散るのがよくわかった…。

竜巻がおさまった頃には地べたに9体の鴉の死骸が散乱していた…

「えぐいな…」

「やったよ、セイタ…あとは、まかせた……」

クロウナがここまでやってくれたんだ…僕も期待に応えないとだよね。そう、僕が動こうとしたその時……

「予想以上だな、貴様ら。まさか一気に片付けるとはなぁ 特別に教えてやろう 俺はクロウフック最高幹部第8幹 ジギーロッドだ まぁ、今日でお別れだから覚えても一緒だがなw」

最高幹部第8幹…ジギーロッド、8幹ってことは最高幹部の中では1番下……だとしても、最高幹部は最高幹部、強いことには変わりない さて、どうしたものか…。

まぁ、考えてもしかたないな……

「特殊魔法…創造……」

「創造…だと!?」

この1発で決める…どんな能力を持っているかはわからない、だからこそ1発で……

「ぶっぱなせ…鉄分弾アイアンショットガンッ!!!」

「ぐはぁっ…」

当たった…かなりのダメージのはずだ……

ここは鉄くずがよく落ちてて助かる。おかげで何発でも鉛玉をぶち込めそうだ…。

よし、もう1発…

「ぶっぱなせ…アイア……あれ?」

目眩がしてその場に膝をついてしまった…

あれ?なんでだ、なんで僕は膝を…?

「セイタッ!」

クロウナの声が聞こえる…意識が朦朧としてる…

わかんない、なんでこんな……

「ぬかったな小僧、魔力切れだ 恐らく貴様の最大火力をぶっぱなしたんだろう、おかげで俺もかなりのダメージを受けた でも、俺の勝ちだ」

魔力切れ……考えもしなかった、僕の負けだ 僕は結局なにもできなかった このままこいつにやられて命は殺される…なにもかも自分が強いと勘違いをしていた僕のせいだ…ごめんみんな、ごめん命……

「魔法 操者コントロールマン死鴉砲デスクロウショット。」

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